プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

食のトレンド情報室「食ラボ」

第1回の「食ラボ」では2013年を振り返りましたが、今回は、「では、来年はなにが流行るのか?」。プロ料理家の間では既に話題になっている"次の流れ"を聞いてみました。誰より先に押さえておきたくなること間違いなし!(まとめ・文:ライター北條芽以)

【今回のメンバー】スイーツの専門家 下井美奈子さん フードコーディネーター 森崎繭香さん 料理研究家 山口はるのさん

2014年 次のトレンド徹底予想!

シリアル

自家製シリアルが朝食ブームに追い風!手軽な朝食にはシリアルバーも

朝食ブームを追い風に、朝のシリアル市場が賑わいつつある。2013年、表参道「グラッシェル」ではアイスクリームのトッピングにもなる自家製シリアルを販売。なかでもグラノーラの人気が高く、2010年、目黒区にオープンしたグラノーラ専門店「GMT」は、お取り寄せの予約待ちが続いている状態だ。さらに、手軽に食べられ栄養補給ができるシリアルバーも人気で、パティスリーやベイクショップで見かける機会が増えている。「『ピエール・エルメ・パリ』など、有名パティスリーもオリジナルを出しています。これまであったアイテムなのにアレンジでブームが訪れるというケースは多いので、次はシリアルかもしれませんね」(下井)

【写真】『GMT』 by Good Morning Tokyoのスウィートハート グラノーラ

ポートランド

北欧もいいけど、やっぱりアメリカへ。NY&ポートランドを訪れる人が急増中

最近、おしゃれな人々、食いしん坊もこぞって訪れているのがポートランド。ほっこり系のバイブルでもあるライフスタイル誌「キンフォーク」の本拠地(2013年日本語版もスタート)でもあり、カントリーに寄らない素朴な雰囲気とセンスのいい食やインテリア、雑貨などに注目が集まっている。「ニューヨークからショコラティエの『マックス・ブレナー』が上陸したりと、アメリカンスイーツに注目が集まっています。北欧を訪れていた人たちが今度はアメリカ、それもポートランドに旅行している人が多いと感じます。ワイナリーも優秀なんですよ」(下井)

【写真】マックス・ブレナー

ネオ和菓子

老舗×新感覚で美味しさ発見。「若旦那」が繰り広げる次世代和菓子

コンビニでは昔からレジ周りでお団子などの和のお菓子を販売しているのを見かけたが、その内容や、売り場の拡大が見え始めている。今までの和菓子のワンランク上のものや郷土色を出すケースも多く、今和菓子が見直されている。また、今は空前の老舗和菓子店の"若旦那ブーム"。2013年10月には、全国各地の老舗和菓子店の若旦那衆が結成した「本和菓衆(ほんわかしゅう)」が日本橋三越本店で催事を開催。若旦那たちが斬新ながら老舗ならではの趣向を凝らした新作を提案し、話題となった。「老舗に育った若旦那たちのアイディアで新しい銘菓が生まれたり、SNSでの発信によって新たな流れが生まれるのは目が離せない現象です」(下井)

【写真】田中屋せんべい総本家(岐阜)サンド・オランタラーノ

激安輸入ショップ

TTPの影響も?食卓の幅を広げる輸入食材が手軽に

今後注目していきたいのが輸入食品。現在は、上質な輸入食品はやや高級なイメージとなっており、"食のセレクトショップ"をはじめとするやや高級なショップで販売されてきた。しかし、ネット販売の普及などにより手に入りやすくなると同時に、消費者が触れる食文化の幅も広がり、"使いこなせる"ようになってきていることから、消費量も着実に増えている。TTP交渉の結果によっては、2015年以降は100円均一ショップレベルの輸入食材店が現れそうだ。

フィンガーライム

キャビア状のつぶつぶ食感が面白い柑橘。シェフたちが夢中になる「フィンガーライム」

高級レストランなどで使われ、その見た目のインパクトから「面白い!」と評判なのが「フィンガーライム」。「キャビアライム」とも呼ばれ、アメリカ・カリフォルニアやオーストラリアなどで栽培されている柑橘類のひとつだ。その名前の通り指のような細長い形をしているが、中にはキャビア状の果肉の粒がぎっしり。この粒に酸味のしっかりした果汁が詰まっており、デザートやドレッシングに使われることが多い。「華やかな柑橘の味をしっかりした粒で使えるのが面白く、料理人なら興味を引かれる食材です」(下井)

【写真】フィンガーライム

塩レモン

モロッコ発、発酵調味料が話題。「塩レモン」が万能すぎ!

調味料で注目なのがモロッコ料理でポピュラーな「塩レモン」。塩にレモンを漬け込んだシンプルなものだが、発酵させることで酸味と塩味がまろやかに馴染んでいく。レモンの皮の独特なほろ苦さや爽やかな香りも加わって華やかだが、肉・魚・野菜と用途の幅は広い。インターネットのレシピ投稿サイトでも大人気に。「寝かせることで梅干しのような味になって面白い。モロッコ料理の調味料ですからタジン鍋で肉や野菜を調理するときにぴったり。鶏肉を漬けて焼くととても美味しいです」(森崎)

Bean to Bar

ショコラティエがカカオからチョコレートまで一貫して作る「Bean to Bar」

ショコラティエやレストランで注目を集めているワード「Bean to Bar」。通常チョコレートは製菓用に加工されたクーベルチュールチョコレートを使って各ブランドがチョコレートに仕上げるが、Bean to Barではカカオ豆の焙煎からチョコレートバーまでを一貫して仕上げる。技術が必要なうえにカカオの品質や味の特徴がはっきりと表れるためチョコレートマニアにはたまらないようだ。「2013年はテイスティングイベントなども開かれ、これからショコラティエの表現のひとつとして定着するでしょう」(下井)
参考:アイランドメイドEmily's Chocolate

【写真】Bean to Bar

メンバープロフィール

【顔写真】下井美奈子さん
下井 美奈子 さん
TV、雑誌登場多数のスィーツコーディネイター。パリ「Ritz Escoffier」で料理・菓子のディプロム取得する他、ル・コルドンブルー、ルノートル、フランス家庭菓子、イギリス家庭菓子など学ぶ。All About 洋菓子ガイド、おとりよせネット達人、日本紅茶協会ティーインストラクターなどで活動中。
【顔写真】森崎繭香さん
森崎 繭香 さん
大手クッキングスクール講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。
企業向けレシピ開発や雑誌へのレシピ提供、NHK料理番組出演、ラジオ出演などの他、料理イベントの監修や飲食店のメニュー提案など、フードコンサルタントとしても活動中。
【顔写真】山口はるのさん
山口 はるの さん
料理教室"spring' kitchen"を主宰する他、レシピ提供、コラム執筆、イベント出演、メディア等多方面にて活躍中。

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