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「オニオングラタンスープ」
スイスのチーズ料理、オニオングラタンスープは玉ねぎとチーズと堅い古くなったパンを使います。昔のスイスの冬の山小屋ではきっと食料は限られていてあるものを「如何に美味しく食べるか?」ということがとても大切だったのだろうと思います。
一流の食材で一流のシェフが作るものだけが料理ではなく、料理とは今あるものをいかに美味しく食べるか?という知恵なんだとこの料理を食べるとそう思います。
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自給率や食べ残しの問題は生産者にとって大変心苦しい問題です。この食に対する問題に一生産者として出来る事は大変小さいのですが、消費者の皆さんに選んでもらえるそして美味しく食べてもらえる農産物を作ることが大切だと思っています。作る喜びや食べる喜びを生産者と消費者が分かち合える、食を通じて皆で日本を守っていけるそんな時代に向かっていきたいと思います。
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食べ残しを減らそう!僕は農家で毎日野菜を出荷しています。皆さんの元に行くのは僕が作ったものすべてが行くわけではありません。種から芽を出し、害虫に食べられず、病気にかからず、暑さや寒さに耐えて、形のいいものだけが収穫され、飛行機、貨物船、トラックにはこばれた、選び抜かれ手間のかけられたものが皆さんに届いているのです。お店に並んだものが新鮮でおいしいうちに皆さんの口まで届くことを祈っています。
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干物生産者として、色々な魚を大事にきれいに食べていただきたいです。「今まで魚をあまり食べなかった子が骨までしゃぶって食べた」そんな体験をもっと多くの子どもさんにしていただきたいです。鮮度のよい良質な干物は、焼くだけでなく色々な料理に利用できます。また骨で出汁をとることもできます。色々な干物のレシピや魚の情報を、お伝えし魚に興味を持っていただくことも、「食べ残しを減らそう」キャンペーンの一助になると思い頑張っています。
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私はこのCROPSという活動を通して、食べ残しを減らすために僕らが出来ることは、この2つだと思います。
それは
『その農産物の特徴を伝えること』
『私たち(農家)のことをもっと知ってもらうこと』。その素材の一番おいしい季節や収穫してからの食べごろ、その食べ物の作り手の思いや人柄、そんな事をもっと消費者の方に伝えることが出来たら、きっと冷蔵庫の中にあるのは、ただの『モノ』ではなくなるはず。
今、皆さんの冷蔵庫にある食べ物すべてにストーリーがあるのです。
それが伝わりにくいのが今の現状なのかも知れませんが、皆さんも知ろうとしてください!私たちは伝えようと頑張りますので!! そして私は農業者という立場からもみなさんに喜んでもらえる食べ物を作れるように!毎日、毎日畑で汗を流します!
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「食べ残し」という言葉自体、きっと世界中からみればどういう意味だろう?と首を傾げる民もいると思う。極端かもしれないが、冷蔵庫にストックできるだけの食材があるうちに、行動を起こすべきだ。単に食べ残したものは、それだけの無駄ではすまないはず。
例えば、肉や乳製品であれば、牛が食べた草、穀物、水、それを作るため動かしたトラクターなどの動力燃料、もしそれが海外からきたものであれば、かかった莫大な輸送燃料費……。
日本の小麦の自給率は13%、うちパン用とされる小麦はわずか1%。数字の低さとは裏腹に、どこでもパン、うどん、パスタ、中華などの食材が手に入り、食事としてあまりに簡単に食べられている。
輸入麦の恩恵を受けてきたことは、他国の水資源を奪ってきていることになる。農家や漁師さんの生産にかける想いも、実質的な資源の浪費をやめるためにも、家庭でできる究極のエコ。それが食べ残しを0にすることかな。少なくとも、食物残さをコンポスト(堆肥化)できる循環システムが整えば余計に良いけど。昔は“食べ残し”という言葉あったんだ〜と言えるくらいの将来でありたい。
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養豚農家として痛感するのは、私たち人間は、生き物の命をいただいて生きているということです。かわいい子豚ちゃんは、半年後には皆さんの食卓に豚肉となって並びます。トマトやだいこんだって生き物です。
いただきますとは、「あなたの命を私の命にさせていただきます」ということです。生き物の命をいただいていると意識することで、不思議なことに日々の暮らしも豊かになりますし、食べ残しも自然と減ってくると思います。
(敬称略・五十音順)
※この記事は、2008年7月の取材に基づいて構成したものです。