vol.3 永島敏行さん主催の「青空市場」にうかがいました

多くの人が行き交う東京・丸の内で、月1回、生産者と消費者が一体となって賑わう「青空市場」が開催されています。活気溢れる市場の様子と、永島敏行さんのインタビューをお届けします。

この方にお話をうかがいました
写真

俳優・農業コンサルタント 永島敏行(ながしまとしゆき)さん

1956年10月21日千葉県生まれ。少年時代から大学までは野球に熱中。昭和52年に映画『ドカベン』で俳優デビューし、以降TV・ラジオ・舞台など活躍の場を広げる。実力派俳優として活躍する一方、農業をライフワークとして「青空市場」を主催。「立ち上がる農山漁村」有識者会議委員、専門スクールの農業ビジネスデザイン学・学部長を務めるなど、地域おこしや田舎暮らしに対する造詣が深いことでも知られる。NHK「産地発! たべもの一直線」出演中。
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青空市場レポート2009年2月、会場の東京国際フォーラムに行ってきました

今回おうかがいしたのは、東京国際フォーラム・地上広場で、月1回開催中の「青空市場」。
取材を行った2月は、まだまだ寒~い季節にもかかわらず、開場時間の10時になる前から、すでに数十人のお客さんが集まっていました。都会のどまんなかに、全国各地から自慢の産直品が集まるとあって、市場は大変な人気。しかも「青空市場」では、それぞれの食べものを作った生産者さん自らが販売まで行っているのです。食材の産地や栄養といった説明だけでなく、素材の特長を生かした美味しい食べ方や、昔ながらの郷土料理の作り方まで教えてもらえます。

そして大人気だったのが、試食コーナー! その場で食べて、話して、調理を見て、また話して……。できたてのお菓子や料理をほおばりながら、話に引き込まれて、思わずお買い物なんて人もチラホラ。すでに2年以上つづいている市場は常連さんも多く、出店者さんとお客さんの間だけでなく、お客さん同士で会話がはずむ場面も多くみられました。

左から/ 永島さん主催「ちょっとだけ自給自足の会」が千葉の畑で作った野菜たち /「ちょっとだけ自給自足の会」も殻むきを手伝った「ピーナッツ味噌」。製造販売元の遠忠食品は、関東近郊の海産物を佃煮に加工販売している /なつかしのポン菓子は、能登半島・輪島で能登米やりんごを生産する川原農産のもの「親の代までは卸専門だったけど、お客さまと接することで販売方法も工夫するようになり、両親も楽しんでいます」と息子さん /福島の南会津観光公社の、愛らしい草餅。米・酒・豆や加工品が並び、水がきれいな土地柄がうかがえる

左から/ 農作物や生鮮品以外に、地元食材を使った手づくり食品を見るのも楽しい。写真は山形の長澤農園 /会場では実演による試食販売が大人気。その場で調理方法を知ることもでき、お店の人だけでなく、常連さんも会話に混ざって親切にアドバイスしてくれる。写真は、左から静岡のマルハチ金龍丸水産、山形の長澤農園 /野外の会場には老若男女を問わず、さまざまな人が訪れる。若いカップルの姿や隣のブースから流れてくる人も見られ、昼時には大変な賑わいに

地方の小さな直売所や市場で買い物をするのが大好き! という方、特に都心にお住まいの方であれば
「旅先だけでなく、もっと身近な場所に市場があったらいいな」、「スーパーの買い物はちょっと味気ない」
「ふだんから市場で買い物ができたら楽しいだろうな」と思うことがあるのではないでしょうか。
生産者さんとお客さんの会話から生まれる、信頼感と温かい距離感。そして新鮮で地方色豊かな食材。
そんな市場の魅力を思う存分楽しめる、都会の「青空市場」へ、ぜひあなたも足を運んでみてくださいね!

市場との出会い 〜青空市場をはじめたきっかけは?

永島さんが『青空市場』をはじめるきっかけになったのは、1993年のこと。映画祭で訪れた秋田県横手市十文字町で米づくりを体験し、そこで出会った地元農家の方々の仕事と暮らしぶりに魅せられたのが、はじまりでした。以降、秋田や千葉で十数年、米づくりや野菜づくりに熱中。

「農業はすごい」「自分で自分の体を守るには、体をつくる食べものが大切」ということを実感すると同時に、「今は、子どもが泥だらけになって遊べる場所が少なくなった」「自分が子どもの頃は、八百屋・魚屋などが身近で、産地と生産者を繋ぐ場所になっていた」とも感じていたそうです。

以前から海外の市場を見て、「なぜ東京には、生産者と消費者が交流できる市場がないのだろう」と思っていた永島さんは、その楽しさ、素晴らしさ伝えるために、同じ思いを持つ仲間たちとともに『青空市場』を立ち上げたのでした。

市場のいいところ 〜永島さんにとって市場ってどんなものですか?

市場の当日も全体を見渡し、状況に応じて周囲に声をかけながら、率先して会場を動かしていた永島さん。「市場は、おまつり的なところもあって楽しいですよ。何でもやってみて楽しくないと続けられないですよ。最初は声を出すのも恥ずかしかったけど、少しずつ勉強して、慣れて……」と笑う姿が印象的でした。スタッフの方々もみなさん生き生きとした表情で、会場に元気な声を響かせています。

「お客さんも、最近は若い方が増えています」。当初は生産者の方々にも直に声をかけて、手の届く範囲ではじめた市場でしたが、回を重ねるごとに作り手・売り手も、お客さんも常連になる方が現れて、次第にコミュニケーションの輪が広がっていったそう。「美味しいものは人に食べさせたい、と素直に思うし、食べもの=命を育て扱うというのは、人間の本能だとも思う。愛おしさを感じると同時に、何か実感がこもった自信が持てるんですよね」

市場との付き合いかた 〜青空市場にいらっしゃるみなさんへ

「食」を中心に、地方と都心、作り手と買い手の、距離や立場を越えた情報交換の場となっている『青空市場』。永島さんは、今後もこのような交流の場を増やしていきたいと考えています。

「そのためには、産地と市場を繋ぐ人、生産者の代弁者になれる『売り子』を育てたい。スーパーにも、そういう人がいていいと思います」「それからWEB等を活用して東京中心の流通を変えたいですね。生産者同士のネットワークを作って物々交換をしたり、規格外の作物を現品限りで販売したり、ということも考えています」。

最後にみなさんへのメッセージをいただきました。
「ぜひ近所の八百屋や魚屋で買い物をしてみてください。食はイメージ。鉢植えでもいいから、自分で紫蘇でも何でも作ってみてほしいですね。誰かがどうにかしてくれるのではなく、ひとりひとりが行動することで身近なところから、毎日の食を楽しく変えていきたいですね」

fin.

「青空市場」に関するお問い合わせ 
開催場所:東京国際フォーラム広場(JR有楽町駅より徒歩1分、JR東京駅より徒歩5分)
開催日時:毎月1回 10:00〜16:30
※開催日・出展者等の詳細は「青空市場」ホームページよりご確認ください。
※出展希望の方は、青空市場事務局 TEL03-5755-0480(代表)またはメールにてお問い合わせください。

青空市場レポート2009年2月、会場の東京国際フォーラムに行ってきました

1. 徳島県の柚冬庵(ゆうとうあん)より、郷土料理「かきまぜ」が簡単に作れる、特産品の木頭柚子(きとうゆず)と水だけで作った「柚子酢」と「手づくり具材」「きび入り山の米」のセットは、丁寧なレシピ付き/2. 南会津観光公社の前で常連のお客さんにすすめられて購入した「酒粕」。みそ汁や煮物に入れると味が深まるそう。酒入りの無添加「花泉せっけん」も購入/3. 群馬県のこんにゃく美人では、豆乳の「ゆばさしこんにゃく」を購入。幅広の薄いこんにゃくを、めんつゆにつけて刺身でいただく/4. 遠忠食品の江戸前「あさくさのり」は蓋を開けた瞬間に、醤油や調味料ではなく、海苔の香りが漂う/5. マルハチ金龍水産では、特価の干物セットを購入。金目鯛とイカの半分は網焼きに、残り半分のイカは煮物に。うまみがギュッと凝縮された、肉厚の身が美味!

※この記事は、2009年2月の取材に基づいて構成したものです。

バックナンバー
vol.1  上野万梨子さんの、ギャラリーにお邪魔しました
vol.2  枝元なほみさんに、むかごのお話をうかがいました
vol.3  永島敏行さん主催の、青空市場にうかがいました
vol.4  農家のこせがれネットワーク主催の「丸の内朝大学」農業クラスにうかがいました

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