プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

お味噌汁を作りましょう

あったかいご飯に、あつあつのお味噌汁は日本食の代名詞ですね。
特にお味噌汁は日本人の食卓に欠かすことのできない、おふくろの味の代表格です。だし汁に旬の野菜、海藻、豆腐など様さまざまな具を入れ、その中に味噌を溶かし入れるお味噌汁は、単なる汁物ではなく、栄養価の高いおかずともいえます。

お味噌汁の作り方は簡単ですが、「何かが違う...」「味がイマイチ」と思っている人が多いようですね。ちょっとしたコツでとっても美味しいお味噌汁ができますよ。

味噌の歴史は古く、飛鳥時代に中国より伝わったとされる「醤(ひしお)」 という調味料が日本独自に発展したと言われています。

お味噌汁が誕生したのは室町時代のころで、戦の時に大切な栄養源として飲まれていたそうです。そして江戸時代には大衆の味として伝わり「ご飯に味噌汁」という定番ができました。


「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」


江戸時代のことわざです。味噌汁は体に良いという意味です。味噌に含まれているサポニンやレシチンには、体の余分な脂肪を溶かす作用があります。また、大豆繊維は腸の悪い菌を取り除いてくれるのです。日本の長寿者のほとんどは、毎食、味噌汁と納豆を欠かさないという報告があるそうです。

味噌の分類
味噌は大豆を主原料に造られていますが、味噌造りに不可欠な麹の原料によって「米みそ(米麹を加えたもの)」「豆みそ(豆麹を加えたもの)」「麦みそ(麦麹を加えたもの)」に分けられます。中でも米みその占める割合が最も多く、私たちが一般に味噌と呼んでいるものは米みそです。

・米みそとしては仙台味噌・信州味噌などが有名です。

・豆みそは東海地方が産地で、八丁味噌は代表的な味噌です。

・麦みそは九州独特の味噌で、麦の風味と濃厚な味が特徴です。

甘口、辛口と言うように味噌は味によっても分類されます。辛さは食塩の量で決まりますが、そこに加わる麹の混合割合が甘い、辛いを左右します。

また味噌は出来上がりの色によって、赤味噌、白味噌に分けられます。
関西では甘口の白味噌、関東では辛口の赤味噌が主流だと言われています。

赤味噌(仙台味噌)
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白味噌(西京味噌)
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豆味噌(八丁味噌)
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お味噌汁は、日本人が発明した手軽に作れる汁物ですが、地域によって使っている味噌やだしの素材が違うので、味も様々です。
具材によっていろいろな栄養をプラスすることができます。

そして香り高い作りたての味噌汁は、食欲も一層アップしてくれます。
一日に1回は味噌汁をいただきたいですね。

またお味噌汁というと一年中同じ味噌で召し上がっていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?冬はこっくりとした味のものを、夏はさっぱりした味のものを使い分けるとよいですね。

冬は甘味の強い白味噌だけの汁を、春に向って暖かくなるにつれて少量ずつ辛味のまさった赤味噌を混ぜていき、そして真夏には八丁味噌だのようなさっぱりした汁をおいしく感じます。

種類の違う味噌(赤と白)を合わせることを"袱紗(ふくさ)味噌"といい、そうすることで風味が格段にアップします。季節や好みで味噌も変えるのもポイントです。

それでは、味噌汁をおいしく作るポイントを説明していきます。

味噌汁の味を決めるのは、味噌と「だし」。美味しい味噌汁は「だし」を上手にとることから始まります。
だしは昆布とかつおだしや、煮干しで取るだしがあります。


昆布と削り節のだしのとり方
材料: 昆布 10㎝四方
     鰹節 30g(片手でひとつかみ位)
     水   5カップ

昆布
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鰹節
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昆布と削り節のだしでとると、くせのないさらっとした味に仕上がります。
・昆布の表面のゴミや汚れを布巾で落とします。

・鍋に分量の水と昆布を入れて30分~1時間浸します。

・火にかけ、沸騰直後に昆布を引き上げます。煮すぎると昆布のぬめりが出るので手早く。
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・沸騰したら削り節を一度に加え、火を止め、削り節が沈んだら、布巾またはペーパータオルをボールに広げて静かにこします。この時ぎゅっと絞ってしまうと苦みが出るので注意して下さい。
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だしパックのだしのとり方
市販のだしパックを使用します。
表示通りの量の水を鍋に入れ、だしパックを入れて沸騰したら3~5分程煮出します。
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顆粒だしでのだしのとりかた
一番手頃なインスタントのだしです。
分量の水を鍋に入れ、火にかけ沸騰したら顆粒だしを振り入れます。

具について

皆さんお好きな具があることでしょう。

赤味噌にはあさり、しじみ、などの貝類、なめこが合います。
白味噌には大根、かぶ、芋類などの根菜類が合います。

いも類やだいこん、かぶなどの根菜類など火の通りにくい具は、前もってだしで煮ておきます。

豆腐やわかめなど火の通りやすい具は、味噌を入れた直後に入れ、さっと煮る程度にします。

ねぎやわけぎの香り高いものや色をいかしたい具は、汁が煮立つ寸前に入れます。また生のまま椀に入れ、上から熱い汁を注いでもいですね。


味噌を入れるタイミングは、具が煮えたら火を止め、溶き入れるようにしましょう。風味が命の味噌は、煮立たせないことが原則です。グラグラ煮るのはご法度!

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味噌を入れたあと、再度火を入れ、ひと煮立ちさせます。
みそ汁は「煮えばな」を味わうものと言いますので、できれば、味噌汁の表面がぐらっとくる瞬間に火を止めます。長く煮るとこげ臭くなり、味が落ちてしまうからです。

鍋の中で具が煮えてから味噌を入れ、さっと煮たったら火を切り、すかさずお椀に盛る。この「煮えばな」を味わうことが美味しくいただく秘訣です。

では、仙台味噌(赤みそ)を使ってのお味噌汁と西京味噌(白みそ)のお味噌汁をご一緒に作りましょう!

豆腐となめこのお味噌汁こちらで作り方をご覧いただけます
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里芋とねぎの白味噌汁こちらで作り方をご覧いただけます。
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玲子先生の「ちょっと言わせて!」

お味噌汁を作る上でやってはいけないことは

火をつけっぱなしにしておくこと。何度も温めなおすこと。(味噌に熱が入りすぎると、味噌の香りがとんで、こげ臭い味になります)

味噌を溶かし入れるときに、味噌の固まりをぼっちゃん!と鍋に直接入れ、ぐるぐる鍋の中で溶かすこと。(味噌が溶けきれずに、味噌の固まりが底に残ります)

※みそこしで味噌を溶かし入れるか、おたまにみそを入れ、煮汁を少量加えてさいばしで溶きのばしながら加えていきます。

プロフィール

料理家・山田玲子
料理教室「salon de R」主宰。マダムなおうちごはんを、無理なく楽しく大胆に調理! お料理とともにおもてなしのコーディネートから、笑いの心意気まで伝授いたします。
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