山梨県甲州市塩山で、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、甲州など10種類ほど栽培し醸造しているワイナリー「五味葡萄酒」。妥協をせず真剣に向き合って作ったこだわりの白ワイン「甲州」に、料理教室「Salon de R」を主宰する山田玲子さんが「煮なます」をマリアージュ!
教えてください
- 山田玲子さん(東京都)
- 料理教室「Salon de R」を主宰。「おいしい!」「すごい!」の言葉をエネルギーにして、マダムなおうちごはんを大笑いの中、無理なく楽しく大胆に調理!お料理とともにおもてなしのコーディネートから笑いの心意気まで伝授。 企業の料理教室講師や、国内での出張料理教室、さらには海外でも定期的に料理教室を開催。
お教えします!
- 渡辺朋彦さん(山梨県)
- 昭和53年山梨県生まれ。2001年五味葡萄酒(株)入社。家族3人だけで造る小さなワイナリー。自家農園ではカベルネソーヴィニヨン、メルローなどの品種を栽培。輸入ワインは一切使用せず、山梨県産100%の葡萄で醸造。葡萄品種、風土、造り手の想いが結びついたワイン造りを目指している。
- From:料理家
- 料理家 山田玲子
- To:生産者
- 五味葡萄酒 渡辺朋彦さま
こんにちは!山梨産ワインが好きで、毎年行う山梨のワインツアーも予約でアッという間に満席になるほど喜ばれています。甲府のソムリエ長澤宏さんから、小さいブティックワイナリーだけどものすごく丁寧に葡萄を作り、美味しいワインがあると紹介されたのが、五味葡萄酒のワインでした。
「甲州」はほんのり黄色がかった色をしています。口に含むとパーっと果実が広がる…。甲州と言うとキーンとしたミネラルと酸味を感じられると思っていましたが、こちらは華やかで、べたつかない甘さで料理の邪魔をしないなと感じました。
素人の私でも葡萄が違うのかしら?栽培方法が違うのかしら?どんなワイナリーなんだろうと思いました。次に赤の「カベルネソーヴィニヨン」もいただいたのですが、共通するのは、丁寧に作られている味の広がりです。この2本を飲んで、もっと詳しい事が知りたいと思いました。
また、このワインはどんな料理に合いますか??是非教えていただき春の食卓を彩る料理を作りたいです。
- From:生産者
- 五味葡萄酒 渡辺朋彦
- To:料理家
- 料理家 山田玲子さま
この度は、五味葡萄酒のワインを気にいっていただきありがとうございます。
五味葡萄酒は山梨県甲州市塩山にある小さなワイナリーです。畑は笛吹川上流沿いにあり、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、甲州など10種類ほど栽培し醸造しています。栽培方法は、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネは棚、短梢一文字仕立て、その他の葡萄は棚、長梢×仕立てです。施肥は有機肥料を使用し、農薬は出来る限り最小限に抑えて風土を表現しやすい葡萄が実るように努力をしています。
収穫のタイミングは、赤品種では完熟してから。未熟果ではピーマンの様な青臭い香りが出てしまうからです。白品種では、品種や造ろうとするワインのスタイルによって糖と酸のバランスや香りを見定めて収穫時期をきめます。
ワインを醸造する上で、原料となる葡萄の品質はもちろん重要なのですが、1番大切な事は、造る側がワインに対してどれだけの愛情を注ぐかということではないでしょうか。
ワインは葡萄果汁さえあれば誰にでも作れます。ただ醗酵過程や熟成過程のどこか1つでも違えば全く個性の変わった仕上がりになります。ワインは造り手の心そのものが返ってきます。その為、いかに妥協せず真剣にワインと向き合えるかが大切なのです。具体的なこだわりは、酵母が豊かにより良い醗酵するためのお手伝いという気持ちでいるのですが、より良い醗酵のために、果汁の濁度、酵母の選択、醗酵温度などには特に気を付けています。
白ワインはあまりスッキリさせ過ぎす、果実味に加えてうま味と若干のコクが味わえるように造ります。赤ワインは新酒以外ほとんど樽熟成をしてからリリースしています。樽熟成することによって複雑な香りや丸みを帯びた味わいに深みが出てきます。さて、今回召しあがっていただいた「甲州」ですが、甲州市産のぶどうを100%使用したものです。飲み心地の良さと、ほんのりした甘さや果実の風味を感じていただけたかと思います。こちらは和食との相性が良く、煮物や天ぷら、味噌を使用した料理などと特に良く合います。また、グリルした魚やアワビなどとも良いかもしれません。
いつの日か日本の食卓で当たり前の様に甲州ワインが飲まれるよう、これからも頑張っていきます。レシピを楽しみにしております。
- From:料理家
- 料理家 山田玲子
- To:生産者
- 五味葡萄酒 渡辺朋彦さま
お返事をありがとうございます。
随所に細やかなこだわりが伝わってきました。棚の立て方、収穫のタイミング、酵母の管理…、それらすべては造り手のワインへの愛情からくるものなのですね。だからすっきりし過ぎずに、果実味とこくとうま味が残っていて食事と合うのですね!最近和食屋さんやお寿司屋さんでも必ずワインが置いてあります。
甲州ワインもあちらこちらで見られ、和食とのマリアージュにより美味しさの相乗効果が出ていると感じます。さて、五味葡萄酒の「甲州」に合う料理は、どんなのがよいかと悩みました。
そうそう、こちらのワインはコストパフォーマンスも素晴らしく、こんなに丁寧に大事に造られているのに、なんと1500円以下で買えるのです。そんなことから、よそいきの料理よりも普段の家庭料理に合わせたいと考え「煮なます」を作りました。甘酸っぱい味が合うのでは?と合わせてみたところ、うん!マッチする!
これからもデイリーワインとして、おかずとのマリアージュを楽しみたいと思います。五味葡萄酒さんのワインは、、リカーショップながさわで購入できます。
- ※この記事は、2011年02月の取材に基づいて構成したものです。
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