時々キツネやタヌキが出没するというのどかな田園と深い森に囲まれた農場で鶏たちをやさしく見守る彦坂祐氏さんが育てた青い卵で、テレビやラジオで大活躍の料理家・わかさんが仕上げた「簡単■ほっこりサツマイモのエッグキッシュ■」。卵のコクがさつまいもの甘さを引き立てる絶品です。
教えてください
- わか(江川和花)さん(宮城県)
- 2005年10月~料理とお菓子レシピのブログ「ひだまりキッチン」を立ち上げ、主婦の立場から提案する簡単で作りやすいレシピと好評を博す。現在では料理ブログ・ランキング上位の常連に。BS-i 放送「BLOG@GIRL」(ブロガル)第1回料理ブログコンテスト優勝。以後、角川SSC『レタスクラブ』よりブログ本を出版。現在は雑誌やテレビなどで活躍しながら、宮城県を中心に、イベントでお料理トークショー・お料理教室等を行っている。
お教えします!
- 彦坂祐氏さん(宮城県)
- のどかな田園と深い森に囲まれている我が農場は、春にはタラの芽が、秋には山栗やアケビがアチラコチラに生育し、時々キツネやタヌキが出没する”野生の王国”。そんなワイルドな地で、鶏たちと自然の恩恵を享受しながら、仲良く過ごしています。
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- From:料理家
- 料理家 わか(江川和花)
- To:生産者
- 彦坂祐氏さま
お世話になっております。料理愛好家のわかです。
いつも美味しい卵をありがとうございます。
宮城県岩出山の緑豊かな土地に鶏を放し飼いにし、自然のサイクルでのびのびと育てられた彦坂さんの卵。
薬品や抗生物質は一切使用されていない有精卵ということで、安心して食卓あげられる食材です。
彦坂さんの卵は、白身にも黄身に弾力がありとても濃厚、
一度味わってからその魅力の虜になってしまいました。
なんとその黄身は、つまんでも爪楊枝を10本刺してもビクともしない。
よくTVなどでは拝見しておりましたが、実際に自分で確かめられたのは
初めてでした。そして最近出逢った青い卵。これにはほんとうに驚きました。
この卵、割ってみると普通の卵なのですが、その味は通常の卵と比べて
さらに濃厚でコクがあり、「是非生で召し上がってください」という理由がわかりました。この青い卵は、通常の卵に比べてどのような違いがあるのでしょうか?
彦坂さんの卵へのこだわり、ご苦労されたこと、そして青い卵の産卵について
教えていただけますでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。
- From:生産者
- 彦坂祐氏
- To:料理家
- 料理家 わか(江川和花)さま
いつもお世話になっております。
わかさんが創作する料理の素材に当農場一押しの”青玉”を選んでいただき、その上おほめの言葉をいただくなんてうれしい限りです。
生産者として大いに励みになりますし、その言葉が活力の源となります。青い卵は、皆さんビックリされますね。卵は通常、白色or赤色、その他有名な比内地鶏や名古屋コーチンは薄い赤色です。青い卵を産む鶏は、正式名を岡崎アロウカナ、父:南米チリ原産アロウカナ×母:白色レグホーンの掛け合わせです。
お客様からの質問で一番多いのは、「エサで殻が青くなるんですか?」というものですが、これは原種のアロウカナが青い卵を産む品種なので、それを受け継いでいるんです。わかさんが驚かれた、卵の濃厚さとコクの深さ&黄身に爪楊枝10本さしてもビクともしないのは、以下の2点の飼育方法によって出来上がったものです。
①発酵飼料を含む自家配合のエサと、鶏専用に掘った天然地下水(地下30m)を汲み上げて与えています。
②ハウス内に日陰と日なたを作り、風通しを良くして、できるだけ自然に近づけています。オス・メスをいっしょに飼い、のびのび放し飼いにしてストレスをなくす。(この夏の猛暑でも なんとか頑張ってくれました。口をパクパク&羽をパタパタさせていましたが…)ウチの養鶏方法は“鶏が 産みたい時に 産んでもらう”というスタイル。
無理に産ませない。ウチのアロウカナはせいぜい3~4日に1個程度です(そもそも原種はあまり産まない品種です)。
産卵周期は 鶏自身の体調や季節、気候などで日々変動して安定しません。注文が集中してしまう時など、お客様に2週間も待っていただくことがあるのですが、それでもウチの卵を是非欲しいというお得意様が全国にいます。ありがたいですね。生き物相手の商売は、他の生産者と同様、なかなか思う通りにはいきません。
ただ我々にできることは、“鶏たちを 注意深く 観察すること”。そして 鶏の目線に立つことです。鶏の健康を第一に"食べ物・飲み物・生活環境"を考えてあげる。鶏も人間も同じですね。あまり産まない分、黄身白身がより濃厚になっていると思います。最優先は鶏の健康、その結果として最良の有精卵を産んでくれるのです。
- From:料理家
- 料理家 わか(江川和花)
- To:生産者
- 彦坂祐氏さま
お忙しい中、お返事ありがとうございました。
「お客様をお待たせしても、鶏が産みたい時に産んでもらう」というスタイルには、感銘を受けました。
大自然の中、鶏の健康を第一に、そしてストレスをかけず育てることによって、
濃厚で美味しい卵が産み出される。
お客様も、待つことで深い味わいの卵を得ることが出来るなら、きっと待つことは苦にならず、ご満足されることと思います。生が美味しい卵なので、ご飯にかけてそのままいただきましょう♪
…と言いたいところですが、せっかくなので秋の味覚・サツマイモを使用して
キッシュを作ってみました。
今回はパイ生地を使用せず、どなたにでも簡単に作っていただけるように、さらにカロリーオフのために食パンを使用しました。コクのある卵が、チーズやサツマイモと絶妙に合わさり、しっとり濃厚なキッシュになりました。
卵のコクが、サツマイモの甘さを引き立ててくれます。寒くなってまいりましたので、どうぞご自愛くださいね。
これからも彦坂さんの卵を楽しみにしています。
この度は、ほんとうにありがとうございました。
- ※この記事は、2010年10月の取材に基づいて構成したものです。
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