平成21年 10月8日 午前1時55分
この春より、闘病生活を送っておりました義母が永眠いたしました。
人が食べるという事は、どういう事なのでしょうか?
日に日に食が細くなる義母を看病しながら、そんな事を考えておりました。
例えば、幼少期。大きくなるために食べる。
例えば、青年期。 はちきれんばかりのエネルギー消費の為に食べる。
例えば、中年期。間もなく迎えるであろう老齢期を健康に過ごすために食べる。
例えば、老齢期。健やかに、余生を暮らすために食べる。
では、終末期は・・・・・・???
↑ 亡くなる三週間前。(病院への差し入れ)
最後の一ヶ月は、ほんの僅かしか食べる事が出来ませんでした。
庭の白無花果のジャムが美味しいと言い、毎日一匙。
塩おむすびが食べたいと言い・・・
小さな小さなおにぎり一食一個。
その日の為に、その日の為だけに食べる。
↑ 亡くなる一週間前。(自宅にて)
先月29日からは、本人の強い希望で自宅で過ごす事となりました。
日に日に落ちゆく食欲。そして体力。
「食べ切った。」という満足感を味わって欲しくて、品数はそのままでしたが、その量は徐々に徐々に少なくなっていきました。
この日は、栗のスープと、好きだった明太子、煮物、金時豆、おにぎり。
(どれもほんの少しづつ。ふりかけおにぎりは、親指大。)
今月四日の朝、準備した、ほんのほんの少しの朝ごはん。
歩行器でなんとか食卓に着き、食べ切った後、
なんとか歩行器につかまりベッドへ戻る時に言ったのは・・・・
「あ~~、全部食べられて良かった~。」の一言でした。
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人が食べるという事は、どういう事なのでしょうか?
食べれるという喜びは、今日も生きてるそして明日も生きれるという”喜び”と”希望”なのかもしれませんね。
その日の昼食以後、食事を取る事が出来なくなった義母は、再び入院しその数日後に息を引き取ったのでした。
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フードソムリエを運営している、㈱グロッシーさん。
その会社理念の冒頭・・・
「「食は生きる原点。」
食べることは生きること。生きることは食べることです。
食生活を大切にすることは、人生を大切に生きることであると私たちは考えています。」
本当に、その通りだと思います。
この事を踏まえ、今後も野の花工房らしく活動していけたらと思っています。
【合掌】