雨が降ったり止んだりの昨日と違って、朝から快晴の帯広。
2日目、最初に訪れたのは十勝ハーブ牛を育てているノベルズさん。日本最大の国立公園である大雪山国立公園の南側に位置する十勝北部上士幌町にて、なんと10,000頭もの肉牛を育てている牧場です。
まず初めにノベルズさんのオフィスにて十勝ハーブ牛とはどんな牛なのかをお話し頂きました。
十勝ハーブ牛には大きく2つの特徴があるということ。
1つ目の特徴は肥育期間中に17種類のハーブを与えて育てている点です。ハーブを与えることで、牛の消化器官の働きが活発になって免疫力が高まり、その結果、薬に頼らない牛肉が生産できるそうです。
2つ目の特徴は、1度出産させた後に肉牛としての肥育をしている点です。
通常は牧場に導入してから15ヶ月位肥育させて出荷します。
ノベルズさんでは導入してから育成期間を経て、和牛の受精卵移植を行い子供を出産させます。その後、10ヶ月間の肥育期間を経て出荷しているとのことです。
この長期肥育のお陰で、オレイン酸などの不飽和脂肪酸の割合が高まり脂肪の融点の低い口どけの良いお肉、アミノ酸の含有量が増え旨味の多い牛肉となるそうです。
ちょっと十勝ハーブ牛について賢くなった私たちは、実際に肥育舎へ行き間近かに牛たちを観察してきました。行ってみて驚いたのは牛たちが実に人懐っこいこと。大切に優しく育てられていることが牛を見れば分かります。乱暴に扱われると逃げるんですよね。。。(実は畜産学科出身なのでその辺の事情が分かるんです)。
さて、肥育舎を見学した後はお楽しみの十勝ハーブ牛のBBQ!敷地内のBBQハウスについたら溢れんばかりのハーブ牛が並んでました!圧巻ですね!
肝心のお肉のお味ですが、赤身の部分はうまみが多く、脂身は嫌なくどさが無くお塩とコショウでサッパリと頂けました。フランスに旅行に行った際に食べたお肉もこういう赤身のうまみが濃くていくら食べても胃にもたれないお肉だったことを思い出しました。日本でこういうお肉はなかなか食べられないだろうなと思っていたのですが、知らないだけで見つけちゃいました!
お腹も良い具合いになった頃に産まれたての子牛を見せていただけるとのことで、牛舎に行って子牛を見てきました。可愛かった!まつ毛が長くて目がクリクリで、メロメロになっちゃいました。でも、可愛いこの子たちも何年後かにはお肉となって食卓に並びます。「いただきます」の言葉の意味を改めて考える時間でもありました。
可愛い子牛ちゃんとお別れして、本日2軒目の訪問先は上士幌町にある「十勝しんむら牧場」です。十勝しんむら牧場は約100haを超える敷地で150頭ほどの乳牛を飼育している牧場です。まず牧場についてお出迎えをしてくれたのはヤギ達!草刈りをしたいエリアを柵で囲ってヤギを放ち、ヤギに草を食べてもらって草刈りをしているそうです。人力に頼らない、草食動物のヤギの特徴を生かした草刈りの知恵ですね。以前、ニュースで、豚を使って開墾をやっている農場が紹介されてましたが、それと一緒の考え方ですね。
ヤギをかまっていると、カウボーイハットをかぶった新村社長がいらっしゃいました!しんむら牧場の成り立ちと土づくり・放牧牛乳のお話しをしていただいたあとで、乳牛たちが草を食む放牧地へ移動。そして実際に乳牛が放牧されている柵の中へ入らせていただきました。
放牧地では当たり前のことですが、いろんなところにウンチが。。。踏まないように中に入って行きます。人間30人位が中に入ってきたのに、乳牛たちは逃げたりしません。逆に興味津々でだんだんと寄ってきました!寄ってきたというよりも囲まれました(笑)
ノベルズさんでもそうでしたが、非常に大切に扱われていることが分かりますね。触っても逃げません。あまりに近すぎてこっちが逃げそうです。
さて、さっきから慎重に踏まないように気を付けていた牛のウンチですが、「臭くないので匂いを嗅いでみてください」と。。。「え!?本当ですか?」と半分疑って嗅いでみたら、確かに臭くない。その秘密は土づくりにあるとのこと!生きた牛づくりは生きた土づくりからとの考えから約80haある全ての畑の土壌サンプルを海外で分析しそれに基づき、土中のミネラルのバランスを調え土本来が持つ力を引き出しているそうです。バランスを調えた土には、微生物や昆虫が増えて生態系が整い牛糞の分解も活発になり、排出された糞もしっかりとたい肥として分解されるため、匂いもほとんどなくなるそうです。納得!土・草・牛、全てが良い関係を築いているんですね!
放牧地を後にして、牧場に併設された「クリームテラス」へ移動!ここでのお楽しみはミルクジャムの試食!ウェルカムドリンクで頂いたのは先ほど放牧地で見た牛さんたちから絞った低温殺菌のノンホモ牛乳(※ホモジナイズ処理(脂肪球の破壊)をしていない)!サッパリとしていて牛乳の臭さがない。。。本来は牛乳に臭みは無いそうです。。。
そして、お待ちかねのミルクジャム!牛乳の味が濃厚で、キレのある甘みは余韻をすーっと残して消えていきます。このミルクジャムですが、フレーバー別に8種類(バニラ・シナモン・リキュール・ジャワティ・いちごミルク・モカ・ラムレーズン)もあり全部試食させていただきました!特に気に入ったのはモカでコーヒーの苦みが絶妙に効いていて、2個購入いたしました!
三時のおやつも頂き、お土産も買い大満足な私たちに新村社長から「牛が牛舎に帰る時間だから、カウパレードを見ていかない」とのお誘い。牧場の高台に移動し、放牧地を見るとキレイに列を作った牛たちが牛舎に向かって大行進! 自然のサイクルに合わせて生活している牛達と、時間に追われる毎日を過ごしている自分を比べてちょっとセンチメンタルな気分になってしまいました。
3軒目の訪問先は尾藤農産。尾藤農産の社長 尾藤光一さんは約100haの農地を持つ北海道でもかなりの大規模農場なのにも関わらず、ほとんど一人で畑を耕作しているとのこと。
その秘密は徹底的な合理化。外国製の大型機械を導入することによって、少ない人数(1人)での栽培を可能にしているそうです。機械以外にも様々な工夫をされていて、実際に畑に入って教えてもらいました。
乾燥が進み、あと少しで収穫をむかえる大豆畑。根元を見ると大豆の隙間から植物の芽がすくすくと育っています。なんとこれは雑草ではなく秋蒔き小麦の芽なのです。普通は大豆を刈り取ってから土地を再度耕して、小麦の種を蒔くそうなのですが、尾藤さんの畑では大豆が実を付け、葉を落とす数日前に秋蒔き小麦の種を蒔く。そうすると種をまいた跡に大豆の葉が落葉し小麦の種の上に覆いかぶさり、発芽に最適な環境を作り、芽が出て根を張るという自然の摂理を生かした合理的な農業。普通、種を蒔いただけなら、土をかぶせない限り雨風で流されて発芽率が非常に下がるそうなんですが、研究に研究を重ねた結果、何日くらいに葉が落ちるかを予想し、逆算して種を蒔く日を決めて種を蒔いているそうです。そして大豆を機械で刈り取る際に小麦がどうなってしまうかの心配してしまいますが、麦踏という言葉があるように多少踏まれても全く影響がないそうです。
凄い工夫ですね。他にも土壌分析を海外の研究機関に頼み、この作物にはこういうミネラルバランスの土壌が良いというアドバイスを受け、土壌作りに生かしているそうです。闇雲に肥料を与えても土地はおかしくなるし、作物も育たないし、無駄な肥料代も生まれ価格に転嫁されるという悪循環。ふ~ん。。。農業って面白くって難しいですね。
大豆畑の次は長いも畑へ移動。
長いもが地中に出来るのはもちろんご存知だと思いますが、ムカゴはご存知でしょうか。
これは知らない人が多いでしょうか。ムカゴとは長いものツタの葉の付け根に出来る球芽のことです。そして、このムカゴは食べれるんです。くせのない味なので、ご飯に入れて炊いたり、炒めものにいれたりと万能選手。が、しかし!!!なかなか市場に出回りません。なぜなら収穫するのが面倒だから。。。そのまま放置の場合が多いようです。もし、スーパーや八百屋さんで見かけたら是非買って、食べてみてくださいね~。
2日目最後は、ばんえい競馬場に併設されているファーマーズマーケット「とかちむら」にてショッピング。昨年も大量に買いましたが今年も大量に北海道の農産物を購入しました。
そのあとはみんなでばんえい競馬場に行って、馬券購入!稼ぐぜ!帯広の街での豪遊資金!
結果は!なんと、当てちゃいました!
しかも、オッズが21.3倍!!!!!!!ひゃほー!
あ。。。100円しか賭けてない。
収支報告はこちら
2,130円-(競馬新聞400円+馬券台1,600円)=130円…