基本の調味料の活用方法を教えてください。
- カテゴリー:食材
- 2011年11月17日
- 最近塩や砂糖、醤油などを買いに行くと種類がありすぎてどれを買っていいのか迷ってしまいます。料理によってうまく使い分けたいのですが、コツを教えてください。
最近では世界中の調味料が簡単に手に入るので、たくさんありすぎて迷ってしまうことありますよね。ただ、興味本位で買っても結局1度しか使わず冷蔵庫に眠ってしまう・・・なんてことも。まずは基本の調味料の組み合わせをしっかり身につけてから、新たなジャンルの調味料にチャレンジ、というのがいいかもしれませんね。
①基本の調味料(さしすせそ)の種類について
ご存知の方も多いと思いますが、「さ」は「砂糖」、「し」は「塩」、「す」は酢、「せ」は醤油、「そ」は味噌のことです。
砂糖 には精製された一般的な白砂糖の「上白糖」、サトウキビのしぼり汁を煮詰めて作った「黒砂糖」、洋菓子などによく使われる純度の高い「グラニュー糖」をはじめ、三温糖、ザラメ、氷砂糖、粉砂糖、てんさい糖、メープル糖などたくさんの種類があります。
塩 には「食塩」という名前で売られている「精製塩」、それをさらに加工した「食卓塩」、海水が地殻変動などによって陸上に閉じ込められ少しずつ水分蒸発をして結晶化した「岩塩」、海藻由来の「藻塩」などがあり、顆粒の大きさや味わい、産地も千差万別です。日本料理では水に溶かした水塩という技法があり、醤油ができるまでは煎酒とともにポピュラーな調味料として使われていました。現在でも冷たい汁などの塩味付けに使われています。
酢 は複数の穀物から作った「穀物酢」、米由来の「米酢」「黒酢」「玄米酢」、フルーツからは「リンゴ酢」「葡萄酢」などがあり、ほかにも「ワインビネガー」「バルサミコ酢」などイタリアンやフレンチの普及とともに外国産酢の種類も増え、また健康効果もあって酢専門のドリンクバーなども進出してきていますね。ツンと来る酢酸特有の刺激臭がダメな方も多いようですが、さっぱりとした口当たりに仕上げます。また、殺菌作用もあり、大変有用な調味料の1つです。
醤油 は濃度順に「たまり」、「濃口」(一般的な「醤油」)、「淡口」、「白」と続き、ほかに魚を発酵させて作った「魚醤」も日本だけでなくアジア各地にあり、ニョクマムやナンプラーといった名前がついています。珍しいところでは「再仕込み」。麹を仕込む際、食塩水の代わりに生醤油を使用するので、濃度とうま味、香りとも濃厚です。
味噌 は原料別に言えば「米」「麦」「豆」と大別でき、甘辛でいえば、「仙台味噌」がもっとも辛く、甘口ですと「江戸甘味噌」が挙げられます。また、熟成期間が長いことで知られる「八丁味噌(豆味噌)」は、非常に複雑な旨味があります。
②使い方のコツ、ポイント
調味料は“さしすせそ”の順番に入れること、とご家庭でも学校でも習ったことでしょう。
加える順番は、さしすせその順番というより、まず味がしみにくい砂糖から入れるということを覚えるといいでしょう。砂糖 を大量に加える場合は2~3回に分けて入れることでしっかりと味がしみてくれます。他の調味料を加える場合は数分おいてからにしてください。特に筍や里芋のように味がしみにくい材料を煮炊きする場合、この方法は有効です。
柔らかでほのかな甘さがほしいのなら、砂糖の代わりに本みりんを使うことをおすすめします。もしみりん風調味料を使用する場合は塩分を控えてください。
塩 は、魚を〆たりするときに使用することがあります。特にこれから脂が乗ってくる鯖や鰤のアラなどを処理するときはたっぷりと表面が白くなるくらい使ってください。ただし、精製塩を使用するときはあら塩などの8割くらいで結構です。魚の臭みや余分な水分を抜くために強塩は必要です。
酢 は、苦手な方も多いようですが、そんな方には油と一緒に使用すると酢酸のツンとくる感じが和らいで食べやすくなります。ドレッシングなどの使用比率を「酢1:油3」位で作ってみてください。比較的安価な穀物酢は、塩で〆た魚を洗ったり、寿司のガリや茗荷の甘酢漬けなど量を多く使用するときに便利です。
醤油 は、関東以北ではなじみが少ないのですが、材料の色味を生かす繊細な炊合せには薄口醤油か白醤油を使ってください。ただし、塩分量が濃口醤油よりも高いので、レシピに淡口となっていなければ少なめに使用しましょう。
味噌汁 は「煮えばな」が肝心。味噌独特の風味を生かすよう、味噌汁はグツグツ煮てはいけません。ただし、白味噌だけはとろ火でゆっくりと煮ていきますと、出汁と融合した味わいと良いとろみがでてきます。
基本の調味料の使い方のコツがわかってきたら、他にもお酒やお好みのスパイスを使ってご自分の味に仕上げてくださいね。
③お薦めのレシピ
淡口醤油と味醂の旨出汁に酢を加えた旬の料理「菊の二色ジュレ」
- 入江亮子
- 佛教大学仏教学科卒。 日本料理の五味五法五色を研究する「温石会」主宰。四季をいかした懐石を教えるほか、茶事の出張料理も行っている。 また、ロ利酒師・日本酒学講師・酒匠として、日本酒と料理のマリアージュも数多く提案。
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