身近で手に入るお薦めの雑穀と使用方法を教えてください。
- カテゴリー:食材
- 2011年10月13日
- 雑穀をご飯に入れるだけではなく、料理にも使ってみたいのですがどれを使ったらいいのかわかりません。身近で手に入るお薦めの雑穀と使用方法を教えてください。
雑穀とは『日本人が主食以外に利用している穀物の総称』(日本雑穀協会より)を定義としており、今回はその中から主な雑穀5つについて特徴をご紹介いたします。小さな一粒には不足しがちなビタミンやミネラルがギュっと詰まっています。特徴を理解し、目的に応じて日頃のお料理に活用し美味しく栄養を補いましょう。
① きび(もち・うるち)
ビタミンB1・ビタミンB6・ナイアシンが豊富。肝臓内の毒素や老廃物を排除し代謝を促進したり血中コレステロール値をコントロールしたり黄色の色素には抗酸化作用があります。
◆料理ポイント: ひえやあわより粒が少し大きく、コクや甘味が強いのが特徴です。鮮やかな黄色の色目と炊きあがった後にふんわりとするので、卵の代用としてもお使いいただけます。
◆おすすめ料理 : オムレツ、パンケーキなど卵料理全般、炒め物、ソース、サラダなど
② あわ(もち・うるち)
ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンB6・ナイアシン・パントテン酸・亜鉛などが豊富。抗酸化作用は黒米に次いで高く、肌荒れや日焼けした肌に効果があるパントテン酸の含有量は雑穀の中でも一番。美肌効果が期待できます。
◆料理ポイント: 風味はあっさりとクセが無く上品な味わいです。もちあわはトロミが強く粘りがあるため、片栗粉や葛粉の代わりにトロミ付けとしても代用いただけます。塩を利かせて炊くとチーズのようなコクと風味になりますよ。
◆おすすめ料理 : ピザやグラタンなどチーズ料理全般、ソース、デザートなど
③ ひえ(うるち)
ビタミンB6・ナイアシン・パントテン酸・カリウム・リン・亜鉛などが豊富。含有タンパク質には血中の善玉コレステロール値を高める作用が有るといわれています。
◆料理ポイント: うるち種なので炊いても粘りがなく冷えると少しパサパサします。くせがなく、淡白な味わいで炊くと白身魚のような食感になります。
◆おすすめ料理 :ゼリー、アイスクリーム、炒め物、和え物、ソースなど
④ 大麦(押麦・丸麦・はだか麦など)
麦茶でも馴染みのある大麦。食物繊維の含有量が多く、とても優秀なバランスで腸内環境を改善してくれます。免疫の向上・ガン予防・コレステロールの低下・アレルギー予防などにも効果が期待できます。
◆料理ポイント: 雑穀らしい歯応えがあり、加工によって色々な大麦が出回っていますが麦らしい食感を生かしてショートパスタのように使用しても良いでしょう。
◆おすすめ料理 :サラダ・スープの具・パスタ料理全般・炒め物・ケーキなど
⑤ アマランサス
驚異的な栄養価を持っています。ビタミンB6・葉酸・鉄分・亜鉛は穀物の中でもトップレベルで、ビタミンE・パントテン酸・カリウム・リン・マグネシウム・食物繊維も多く含まれています。栄養が豊富なので、アマランサスを使った料理で栄養バランスを整える事が出来ます。
◆料理ポイント: 使用する際は、フライパンなどでサラサラになるくらいまで空煎りし、生姜の薄切りと水を入れて炊く、または茹でると独特のクセが和らぎます。粒が極小なので使う際には流れないように気をつけましょう。プチプチとした食感が楽しくタラコ風やキャビア風にアレンジして使用していただくのが良いでしょう。
◆おすすめ料理 : たらこパスタのようなソース使い、和え物、炒め物、焼き菓子など
●雑穀の扱い方
雑穀は封を開けると徐々に味が落ちていきますので、使う分だけ少量パックで購入し、早めに使い切る事をお勧めします。
残った場合は密閉容器やジッパー付の袋にいれるか、ラップに少量ずつ分けて冷蔵庫または冷凍庫で保存しましょう。雑穀は粒が小さく扱いにくいので、目の細かい茶漉しが有ると便利です。最近は洗わなくてもよい雑穀が出回っているので茶漉しに入れサッと水を通すくらいで十分です。水に通す事によって馴染みがよくなり下処理しやすくなります。
雑穀は下準備が面倒と言うイメージがありますが、そのまま使えるものやほんの少し下茹でするだけでお料理に使えるとても便利な食材です。保存食としてお気に入りの雑穀があるとお料理のレパートリーも増え、そして栄養価も上がり一石二鳥ですね。一番簡単な方法をマスターしあなたのレシピにアレンジしてください。『炊くのは面倒』・・でも『茹でる』なら思い立っても直ぐ出来ます。
◆雑穀の茹で方ポイント
- ①雑穀は茶漉しに入れ水をサッと通し軽く洗います。
- ②たっぷりの湯を沸かします。
- ③少量のオイルと塩を入れて好みの固さに茹でます(雑穀の種類により茹で時間は異なります)
※お好みでハーブを一緒にいれて茹でても風味が良くなります。
ハーブ・オイルはどの料理に展開するかによってご自身でアレンジしてください。雑穀の独特な香りを押さえ下味がつき料理の味わいがアップします。
茹でた雑穀はその後色々なお料理にアレンジできますが、今回は大麦を使ったお洒落で簡単に出来るサラダのレシピをご紹介します。お好みで雑穀と野菜などを変えて無限に広がるレシピをお楽しみください。
雑穀の扱いをマスターし、普段の料理に少しずつ加えてみましょう!
●雑穀を活用したレシピ
→ 「大麦のサラダ」
●さらに詳しい雑穀の情報はこちら
- 梶川愛
- 母の影響で幼少の頃より雑穀を食し興味を持つ。日本で初めての雑穀アドバイザーを取得後、大手料理教室の雑穀講座講師・関西の料理講師向けの講義を担当・大手キッチンメーカーでのデモンストレーション・神戸市地域活性プロジェクトとして数年間雑穀料理の講師及び道の駅の雑穀スイーツの開発を手掛ける。雑穀企業の新商品開発プロジェクトメンバーとしても活躍。Web上やフリーペーパー・雑穀専門本などにレシピを多数提供し更にラジオ大阪に出演し雑穀の魅力を多く発信している。その他、豆や雑穀のパッケージデザインも手掛けている。薬草ガーデンマイスター・日本雑穀アワード審査員
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