夏の節電に向け、普段あまり使わない缶詰を使ってみたいと思うのですが...
- カテゴリー:食材
- 2011年06月16日
- 夏の節電に向け、電気を減らした調理をしたいと考えています。 缶詰の活用はその1つだと思うのですが、缶詰というと「保存食」「あまりおいしくない」というイメージがあります。プロからみると、どんな食材なのでしょうか?
夏の節電に向け、缶詰を上手に活用しましょう
◆缶詰の由来
もともとは、軍用で開発された缶詰。手軽に持ち運びができて、保存がきき、食中毒の心配がほとんどない。そして何より調理が不要で、すぐに食べられる!これが戦場へ出向く兵士たちのために考案された缶詰の特長です。いつでもどこでも缶を開ければすぐに食べられて、腐っている心配がない。それなら、戦場以外でも、調理設備がない場所、例えば山や、海上、キャンプ地、そして災害現場などでも大いに役立つはずです。
特に今年の夏は、家庭でも節電を呼び掛けられており、私たちのキッチンでも強い味方になることは言うまでもありません。◆夏こそ加熱調理が必要です
平和な日常を送る(最近はちょっと怪しくなってきましたが…)私達には、今ひとつ缶詰は遠い存在のように思われます。特に気候が温暖で、食料の調達がそれほど難しくない日本では、新鮮な食品が普通に手に入るので、保存食の必要性が薄かったように思われます。 「生」とか「採れたて、できたて、作りたて」などのような、「食品は鮮度一番!」の概念が強く、外国語には「生」と即座に翻訳できない日本特有の表現が多いことにお気づきですか?生野菜、生ビールや生酒、生チョコ、生麺、生パン粉…。最近は「海の生ハム」とか、「生カステラ」など、即座にどんな状態なのか想像できないものまで(笑)。「生」の定義もかなり怪しいところですが、それでも、「生」や「○○たて」はキャッチーな言葉です。
しかし、つい先日も肉の生食で食中毒事件が起こったばかり。刺身文化の日本人は、「生」食品に対する抵抗感があまりないのですが、「生」には、やはり大きなリスクがあり、十分な注意が必要です。特に、これからの暑い季節、抵抗力のない高齢者や乳幼児には、配慮が必要です。
では、「生」の反対の言葉は…、生じゃない。つまり「非加熱」の逆、「加熱」です。加熱食品と非加熱食品の一番の違いは?ずばり、“殺菌”です。
◆缶詰は圧力鍋と同じ原理。栄養素と旨味を凝縮
そこで、思い出してほしいのが、「缶詰」。缶詰は、食品を缶に入れたあと、高圧で加熱するので、殺菌効果が高く、その上、長期間の常温保存が可能です。
缶詰には大きく分けて3種類。1つめは、筋も骨も柔らかく、牛肉の大和煮やカレーなどの調理済みの缶、2つめは水煮やドライパックのような素材缶、そして3つめがツナ缶のように、素材としてもそのままでも食べられる中間タイプの缶。
どれも、圧力鍋と同じ処理をしていることになりますので、缶汁を含め、開ければ丸ごと全て食べることができます。ですから、栄養素を、逃さず食べることができるのです。そして何より、今年は特に、エアコン使用を控えたキッチンにあまり立ちたくない…というのは、私だけでしょうか?(笑)
手軽にそのまま、お皿も汚さず、キャンプ気分で「省エネ食」にしたり、下ごしらえの手間を省いて一手間加え、オリジナル料理にすれば更にGood!実に便利な缶詰、もっと利用しない手はないですね。
◆プロのワンポイントアドバイス
1つだけみなさんにアドバイスするとすれば、缶詰めは高温調理ですので、どうしても熱に弱いビタミンCが摂りにくくなります。缶詰をメイン惣菜とする場合は、生野菜をプラスしたり、ビタミンCが豊富なじゃがいも料理を加えたりすれば、ベストです。
デパートやプレミアムスーパーなどを覗くと、地方の名産・特産やアイデア缶など、想像以上の種類に驚かされます。話題作りにも一役かいますよ。買い置きしておけば、急なお客様やあと一品にもスピーディーに対応、骨ごとの魚缶でカルシウムを補給したりと、活躍はまちがいなしです。ぜひ一度、缶詰コーナー、覗いてみませんか。
◆缶詰で作れる簡単レシピ
《ツナ缶でおつまみ》
材料(2人前)
- ・バケットまたは食パン ・・・適量
- ・みょうが・・・2~3個(適当に粗みじん)
- ・ツナ缶・・・1缶
- ・マヨネーズ・・・大さじ1
- ・塩、コショウ ・・・少々
- (お好みで酢またはレモン汁少々なくても良い)
- ・ミニトマト・・・2個
~作り方~
- 1. ボウルにみょうが、ツナを入れて良く混ぜ、塩・コショウで味を調え、好みで、マヨネーズ(酢)を加える。
- 2. バケットはトーストし、1.をたっぷりのせ、仕上げに小さくカットしたプチトマトを乗せる(トマトが味の決め手!)
- ・ミョウガはザクザクに適当に切ったほうが、食感と風味が良いので、あまり細かく切らない
- ・トマトの酸味と旨味がグッと味を引き締めるのでお忘れなく!好みでゴマなどをふれば、栄養バランスも更にアップします。
- 宮川順子
- 料理家・「MIIKU日本味育協会」代表・ 味育(食育)コンサルタント(日本食育学会会員)・フードコーディネイター・料理・パン・洋菓子教室主宰・ U-CAN 調理師講座 講師・東急セミナーBe 講師。
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