プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第72回 ソーシャル・イーティング・ハウス ジーンズで楽しめるミシュランレストランfrom London

ロンドンの中心、チャイナタウンにも近いソーホーは、
次々と新しいレストランができる食の激戦区。
そこでオープンしてすぐにミシュラン一つ星を獲った
モダン・ブリティッシュのレストランが、
ソーシャル・イーティング・ハウスです。

ミシュラン一つ星といっても、かしこまった雰囲気は全くなく、
ジーンズで行っても問題ないほど、雰囲気はカジュアル。
料理は今までこのブログでも度々お伝えしたセレブリティ・シェフ、
ジェイソン・アサトン氏監修のレストランです。

イギリスでミシュラン三つ星を持つモダン・ブリティッシュのシェフは二人のみ。そのうちの一人、ゴードン・ラムゼイの右腕として知られ、
独立後オープンした店は次々とミシュラン一つ星を獲得。
現在はロンドンにこの店を含め6店、全世界に13店を展開しています。

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前菜:スコティッシュ・スキャロップ・セヴィーチェ、
フェンネル、スプラウティング・ブロッコリ、レモン&ライム風味
ロンドンですっかりおなじみとなったセヴィーチェ。
スコットランド産の帆立貝を薄切りにし、
フェンネルやブロッコリの苦みがほのかなアクセント、
グリーンの味わいに爽やかなレモン&ライムが香ります。

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メイン:ロースト・サウスコースト・ヘイク(メルルーサ)
スクゥイッド&ポテト・リゾット、
スクゥイッド&チキン・ジュース
ヨーロッパでよく食べられる川魚メルルーサのロースト。
こんがりとパリっと仕上がった皮とふっくらした白身、
イカをポテトと同じダイス状に切ってあり、
両方の風味が味わえる、楽しい一皿。
イカとチキン・ジュースとのことですが、
醤油風味のベースがどこか和食を思わせる一皿。
ロンドンでの和の素材の人気を伺わせます。

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デザート:イングリッシュ・ストロベリー・ベイクウェル、
アマレット、ハイビスカス、バジル&バルサミック
イギリスの伝統的なケーキ、ベイクウェルタルトを
イギリス産の小粒で酸味が強いストロベリーと一緒に
モダンに仕上げたデザート。アーモンドの風味に
ストロベリーの甘酸っぱさ、バジルの香りと
バルサミックヴィネガーの甘さと酸味が最後まで飽きないデザートです。

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ジェイソン・アサトン氏のレストランに共通しているのが、
フォーマル過ぎない雰囲気と、出来得る限り英国産の旬の食材を使うこと。
そこにバジルや醤油など、英国料理以外の素材を用いて
今のモダン・ブリティッシュを表現しています。
どのレストランにも共通なのは、食材と向き合うような
ミシュラン三つ星のガストロノミーではないけれど、
食べて美味しい、レストランならではの料理を提供していること。
値段もロンドンのレストランの中では比較的リーズナブル。
カジュアルとフォーマルのバランスと使い勝手の良さが
どのレストランも大変な人気がある秘密でしょう。
ロンドンを訪れたなら、一度はモダン・ブリティッシュを味わってみたいもの。
このソーシャル・イーティング・ハウスもお薦めのひとつです。

STORE INFORMATION

SOCIAL EATING HOUSE
58 Poland Street, Soho, London W1F 7NR
TEL:+44 20 7993 3251
www.socialeatinghouse.com/

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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