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第71回 ディナーbyへストン・ブルメンタールで味わう最新の英国料理in London

新しく、美味しくなったといわれる英国料理。
今回ご紹介するのはロンドンで最新の英国料理を味わうのに最適なレストラン、マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ホテルのメインダイニング「ディナーby へストン・ブルメンタール」です。

ミシュラン三つ星を持つ、英国を代表するシェフ、ヘストン・ブルメンタール。独学で料理を学び、1995年にロンドン近郊のブレイ村に築450年のパブを改造したレストラン「ファット・ダック」をオープンします。分子化学を応用した調理法と自由な創造性による既成概念に捕われない料理は大きな話題を呼び、ミシュラン三つ星を獲得するまでになりました。

そのヘストン・ブルメンタール氏が満を持してロンドンにオープンしたレストランが「ディナーbyへストン・ブルメンタール」です。2011年にオープンしてからすぐにミシュラン一つ星となり、2014年にはミシュラン二つ星を獲得しています。

ヘストン・ブルメンタール氏の片腕であり、オープン時からエグゼクティブシェフを務めるアシュレイ・パーマー-ワッツ氏は「ここディナーでは、16世紀の伝統的なイギリス料理を私たちの解釈で現代に蘇らせた料理を楽しんで頂けます。意外に思われるかもしれませんが、かつて英国は美食で知られた国だったのです。食物史の学者の意見や文献から英国の美食の歴史を徹底的に調査し、そうして生まれたのがこのメニューの数々です。メニューにはその料理が作られていた時代と、オリジナルのレシピが載っていた料理本が記載されているんですよ」とにこやかに語ってくれました。

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オープン以来のシグネチャーディッシュがこの「ミートフルーツ」。
Meat Fruit (c.1500)Mandarin,
chicken liver & foie gras parfait, grilled bread


ヘンリー8世の王室で使用されていたレシピ「マンダリン ミート フルーツ」をベースに作られたメニューです。一見、マンダリンオレンジ(みかん)そのものに見えますが、実はれっきとした肉料理、オレンジのジェリーで包んだチキンレバーのパルフェです。オレンジの香りと驚くほど滑らかな食感のレバーが喜びをもたらす、見た目のサプライズと味わいのサプライズが両方一度に味わえる一皿です。他にも、現在は忘れられた伝統料理「スパイス ピジョンのエールビール風味アーティチョーク添え」や「ティプシー ケーキの串焼きパイナップル添え」など、五感のすべてを駆使して作られたここでなくては味わえない逸品の数々が揃います。

ロンドンの繁華街ナイツブリッジにあるとは思えない、ハイド パークのすばらしい眺めと開放感のある店内。インテリアは木、レザー、鉄といった自然素材を取り入れ、15世紀から16世紀の料理法についてのヘストン・ブルメンタールの知的好奇心にインスピレーションを得たもの。 ガラス張りのオープンキッチンは王室で使用されているものをモデルとした、ここ独自の串焼き用グリルを見ることができます。舌を満足させるだけでなく、訪れる度に発見があるようなメニューが並ぶ「ディナーbyへストン・ブルメンタール」。イギリス料理の豊かな歴史を五感で味わえる、全世界が注目する英国料理のレストランです。

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STORE INFORMATION

Dinner by Heston Blumenthal,
Mandarin Oriental Hyde Park
66 Knightsbridge, London SW1X 7LA
T - +44(0)20 7201 3833
http://www.dinnerbyheston.com/reservations

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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