第68回 暮らすように旅するごはん BRAWN from London
ロンドンで友人とゆっくりしたランチを過ごすのに絶好のスポットが、コロンビアロードにあるカフェ・レストラン「BRAWN」。
ナチュラルワインで有名なレストラン「TEROIR」と同系列にありますが、ヴィンテージのスクールデスクと椅子が並ぶ店内は、フレンドリーできびきびしたスタッフと共に、さらにカジュアルでコージーな雰囲気が魅力です。
「サマーベリーズ&ピーチパヴァロワ」
名前の由来はロシアのバレエダンサー、アンナ・パヴロワに捧げたデザート。焼いたメレンゲをケースにして、季節のフルーツやアイスクリームを詰めたもので、1920年代のオーストリアで生まれたとされています。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、今ではイギリスでは定番のトラディショナルなスイーツとなりました。すでに焼いた状態のものが袋詰めにして売られていることも多く、大きさの割には軽いので、意外にすんなりと食べられてしまう、危険なデザートでもあります(笑)。
こちらのものは注文が入ってから、メレンゲを泡立てて焼いてくれる、本当のホームメイド。外はサクサク、中はふんわりしたメレンゲに、ブラックベリー、ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリーの夏のベリーが詰められています。甘酸っぱく爽やか、ピーチで作ったソースとアイスクリームが口の中でとろける、最高においしいパヴァロワでした。材料は卵白、砂糖、コーンスターチと至ってシンプル。シンプルなものほど、料理する人や材料によってオリジナルなおいしさを創りだすことができるのだと、このデザートを頂いて、私のパヴァロワのイメージはすっかり変わりました!
「シャルキュトリー・セレクション」
すべて少量生産や伝統的製法で作られる、厳選された食材の数々な中から自慢のシャルキュトリー。
自慢のナチュラルワインは白・赤ともにグラスで£3.5からとリーズナブル。
「クリスピー・スクイッド(イカ)、レモンマヨネーズ」
熱々の揚げたてのイカは身は柔らかく、外側はこんがり。さっぱりしたレモンマヨネーズが良く合います。
「ポテトスフレパンケーキ、サーモン、クレームフレッシュ」
ふんわりやわらかなポテトで作ったスプレパンケーキ。イギリスのパンケーキはアメリカのものと違い、クレープのように何かを巻いて食べられる薄さのもの。ここに塩漬け熟成のサーモン、爽やかなクレームフレッシュを重ねた、単純なのに、ちょっと贅沢を感じる組み合わせ。ワインがますます進みます(笑)。
ワインや料理ばかりでなく、ここでは厳選されたローカルな食材を提供しています。酸味が利いていて、何ともおいしいサワーブレッドはハックニーにあるアルティザンベーカリー「E5 BAKEHOUSE」から、チーズはスピタルフィールドのフロマジェリー「Androuet 」、コーヒーはショーディッチにある「All Press 」からと、地元のコミュニティを大事に、日々をおいしく食べようという考えから、地元との繋がりを大事にしているそうです。
フラワーマーケットが開催される週末のコロンビアロードももちろん楽しいのですが、ここでの平日のランチやディナーはもっとのんびりしたムード。周囲のショーディッチの住人がリラックスして食事を楽しむ様子が見られます。まさに暮らすように旅する感覚で、ロンドンの地元のおいしいごはんを楽しめる場所なのです。
STORE INFORMATION
BRAWN
49 Columbia Rd, London E2 7RG
TEL:+44 (0)20 7729 5692
www.brawn.co