プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第28回 サプライズのある本格派チョコレート ポール・A・ヤング2

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厳選された素材から作られる本格派でユニークなチョコレートが評判のポール・A・ヤング
 使用するチョコレートはいずれもフランス製のヴァローナとミッシェル・クルーゼルのみ、毎日店の厨房で作られるチョコレートの保存期間は一週間と、可能な限り新鮮でクオリティの高いチョコレートを追求しているチョコレート・ショップです。

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「カカオ含有量の高いチョコレートが苦手な人にこそ、食べてほしい」というポールさんおすすめは、ダーク・チョコレート・トリュフ。ベネズエラ85%のクーベルチュールを使用していますが、材料はチョコレート、水、砂糖の3種類のみというシンプルさ。カカオの香り高さはそのままに、乳製品を使わないことでチョコレート本来の味わいをより強く打ち出しつつ、後味がすっきりと爽やかなチョコレート・トリュフに仕上がっています。

IMG_1847.JPGいつも来るお客さんに楽しんでもらえるよう、一週間に一回はチョコレート・ボンボンに新しいフレーバーが追加されます。
 「これもすべて店のキッチンで作る、少量生産だからできることなんだ」とポールさん。

 イギリス紳士の嗜好品として知られる「スティルトン・チーズ&ポート・ワイン」、独特の酵母臭ゆえに好き嫌いがはっきり分かれるイギリスの国民食、トーストに塗るスプレッドの「マーマイト」など、ポールさんのアイデア溢れるユニークなフレーバーは常に話題の的となっています。

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 お店の地下にあるキッチンを特別に見せてもらいました。今、まさにブラウニーの生地を作っている最中です。この生地をオーブンで焼いた後、冷蔵庫で1日寝かせてからカットします。一日寝かせることで生地が落ち着き、独特のリッチで重厚感のあるブラウニーの層ができるそうです。

 このキッチンを見るとチョコレートの上掛け用のエンロービング・マシンが見当たりません。ポールさんの言う「うちのチョコレートはすべてハンドメイド」の意味がここでわかりました。機械を使用せず、チョコレート・ボンボンはハンドディップ。何から何まで本当に手作りなのです。
 
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 「チョコレートを作るのに欠かせないものはなんだと思う?」最後にポールさんからのクイズです。
 「チョコレートを素敵なラッピングで飾り立てることは、大きな資本があれば簡単なことかもしれない。それより重要なのは原材料と人材。パティシェのための学校はあってもショコラティエのための学校はない。チョコレート作りを僕はすべて独学で学んだけど、最高のチョコレート作りのためには、最高の原材料と人材を育てることが欠かせないと思っているんだ。だからうちで働く人に多くのことを学んでもらいたいと思っているんだよ」と語ってくれました。この日もキッチンでポールさんと一緒に働くス―さんとニックさんの笑顔が、ポールさんのチョコレートへの熱い思いを物語っているようでした。

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STORE INFORMATION

Paul A Young
33 Camden Passage, Islington , London N1 8EA
TEL 020 7424 5750
www.paulayoung.co.uk

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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