プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第20回 元気がでるスコットランドの朝ごはん

最近なぜかスコットランドの島を訪れる機会が多くなりました。そんなスコットランド旅行での嬉しい驚きは、有名なスコッティッシュ・サーモン以外にも、おいしい発見が多いことです。

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スコットランドの西端、インナーへブリディーズ諸島にある、シングルモルト・ウィスキーの聖地アイラ島にある「ポート・シャーロット・ホテル」の朝ごはんです。「スコティッシュ・ブレックファストをお願いします」と言ったら、出てきたのがこの朝ごはんでした。
ベークドビーンズ、たっぷりした黄身の濃いフライド・エッグ、しっかりと肉のあじわいのするベーコン、そして何より美味しかったのが、ブラックプディングです。

ブラックプディングは豚の血にオートミールなどの穀物を混ぜ合わせて、腸詰めにしたもの。中が乾燥して焦げ付いた感じのものや、臭いが気になるものなども多く、なかなか美味しいものにめぐり合うのが難しいのですが、こちらは表面かりっ、中はしっとりしてコクのある風味の逸品。下に敷かれたポテトのガレット、香ばしく焼かれたトーストと一緒に、濃い目のミルクティーといただくと、朝からとっても元気が出てきます。

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もうひとつの食わず嫌い、こちらも妙に燻製臭が強かったりするキッパーですが、こちらのものは、今までの凡庸なキッパーのイメージが覆えされました。オーガニックに力を入れている「ロック・ファイン」という会社のもので、脂で泳ぐくらいにディープフライされた身にギュッとレモンを絞っていただきます。表面がこんがり、中の身はほっくり、むっちりしていて、シーフードが美味しいというスコットランドならではの美味しさです。ちょっと強めに塩気が利いているので、美味しい魚となると、白いご飯と一緒に食べたくなるのは、日本人だからでしょうか。

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朝ごはんではありませんが、こちらはホテルのディナーでのスモークサーモン。スターター用にアルファルファなどと一緒のサラダ仕立てにしてあり、高さのある盛り付けが楽しい。

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突出したところはないけれど、どこまでも続く穏やかに澄んだ色彩のスコットランドの自然。空気や空の色の中にある、毎日あるがままの日常風景が、ことさらに特別な瞬間に感じられます。

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元気いっぱいになれる、スコットランドの朝ごはんが約束してくれる、子供たちの笑顔が素敵です。

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今回宿泊した「ポート・シャーロット・ホテル」。
こんな温かいインテリアのラウンジやライブラリーに加え、ベッドに横になったまま、窓から岬が見渡せる部屋もあります。何かをしに行く場所というよりは、疲れた自分を充電するのにぴったりの、元気をくれる場所です。

STORE INFORMATION

The Port Charlotte Hotel
Isle of Islay,Argyll,
Scotland PA48 7TU
+44(0)1496-850360

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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