第20回 元気がでるスコットランドの朝ごはん
最近なぜかスコットランドの島を訪れる機会が多くなりました。そんなスコットランド旅行での嬉しい驚きは、有名なスコッティッシュ・サーモン以外にも、おいしい発見が多いことです。
スコットランドの西端、インナーへブリディーズ諸島にある、シングルモルト・ウィスキーの聖地アイラ島にある「ポート・シャーロット・ホテル」の朝ごはんです。「スコティッシュ・ブレックファストをお願いします」と言ったら、出てきたのがこの朝ごはんでした。
ベークドビーンズ、たっぷりした黄身の濃いフライド・エッグ、しっかりと肉のあじわいのするベーコン、そして何より美味しかったのが、ブラックプディングです。
ブラックプディングは豚の血にオートミールなどの穀物を混ぜ合わせて、腸詰めにしたもの。中が乾燥して焦げ付いた感じのものや、臭いが気になるものなども多く、なかなか美味しいものにめぐり合うのが難しいのですが、こちらは表面かりっ、中はしっとりしてコクのある風味の逸品。下に敷かれたポテトのガレット、香ばしく焼かれたトーストと一緒に、濃い目のミルクティーといただくと、朝からとっても元気が出てきます。
もうひとつの食わず嫌い、こちらも妙に燻製臭が強かったりするキッパーですが、こちらのものは、今までの凡庸なキッパーのイメージが覆えされました。オーガニックに力を入れている「ロック・ファイン」という会社のもので、脂で泳ぐくらいにディープフライされた身にギュッとレモンを絞っていただきます。表面がこんがり、中の身はほっくり、むっちりしていて、シーフードが美味しいというスコットランドならではの美味しさです。ちょっと強めに塩気が利いているので、美味しい魚となると、白いご飯と一緒に食べたくなるのは、日本人だからでしょうか。
朝ごはんではありませんが、こちらはホテルのディナーでのスモークサーモン。スターター用にアルファルファなどと一緒のサラダ仕立てにしてあり、高さのある盛り付けが楽しい。
突出したところはないけれど、どこまでも続く穏やかに澄んだ色彩のスコットランドの自然。空気や空の色の中にある、毎日あるがままの日常風景が、ことさらに特別な瞬間に感じられます。
元気いっぱいになれる、スコットランドの朝ごはんが約束してくれる、子供たちの笑顔が素敵です。
今回宿泊した「ポート・シャーロット・ホテル」。
こんな温かいインテリアのラウンジやライブラリーに加え、ベッドに横になったまま、窓から岬が見渡せる部屋もあります。何かをしに行く場所というよりは、疲れた自分を充電するのにぴったりの、元気をくれる場所です。
STORE INFORMATION
The Port Charlotte Hotel
Isle of Islay,Argyll,
Scotland PA48 7TU
+44(0)1496-850360