プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第19回 心にも体に優しいスイーツ ローズベーカリー

パティスリー王国といえば間違いなくフランス、パリの名があがることでしょう。そんなスイーツ王国フランスで、パリっ子たちをとりこにしたイングリッシュ・スイーツのお店があるといったら、意外に思われるかもしれません。それがイギリス人のローズさんとフランス人のご主人が経営するローズベーカリー。パリに2店舗構える人気のお店が逆輸入の形でロンドンにやってきたのは2007年。場所はロンドンの中心部メイフェア、コム・デ・ギャルソンのコンセプト・ショップでもあるドーバー・ストリート・マーケットの最上階にあります。

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フレンチ・パティスリーの華やかさはなく、とても素朴な見た目のスイーツたち。できる限りオーガニックの原材料を用いて作る、ホームメイドのおいしさを追求しているスイーツは、どれも体に優しく、そして心が和む味わいがあります。

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人気はどっしりしたキャロットケーキやグルテン・フリーのへーぜルナッツ・ブラウニー。

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店内で次々と焼き上げられるケーキたち。ケーキは日替わりで、チーズのスコーンや、ルバーブ・クランブル、バナナブレッドなど、料理上手のキッチンに招かれたようなラインアップ。

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探すと意外に見つからない、家で作るホームメイドの味そのままのキッシュもお薦めです。

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外の景色を見渡せる、ちょっと屋根裏気分のプライベートな雰囲気漂うコーナーの席が特等席。

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この日いただいたのはハニー・プラム・ケーキ。どっしりした粉のおいしさ、焼くことによってぎゅっと凝縮されたプラムの酸味と甘さ、はちみつのしっとり感。イギリスのお菓子が本来持っている、長い間家庭で作り続けられてきた、食べ飽きることのないシンプルなおいしさが、ローズベーカリーの人気の秘訣でしょう。華やかでデコラティブなフレンチのお菓子に慣れていたパリっ子にも、この素朴なイングリッシュ・スイーツのおいしさが懐かしいものに感じられたのかもしれません。体にも心にも優しいイングリッシュ・スイーツ、一度食べたらその独特のおいしさを納得していただけると思います。

STORE INFORMATION

Rose Bakery
17-18 Dover Street
London W1S 4LT
+44(0)20-7518-0680

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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