生産者をめぐるツアー4 乳牛と肉牛
2日目に伺った生産者さんは、なんと4件!
かなりの強行スケジュールです(笑)
そのうちの2件は、乳牛と肉牛それぞれの「牛」さんを扱う生産者さんです。
苧坂さんの玉ねぎ畑を後にして向かったのは、十勝しんむら牧場さん。
牛乳を出荷しているほか、自社でミルクジャムやクロテッドクリームなども作られています。
牧場に併設されたクリームテラスというカフェで、まずは社長の新村さんのお話を伺いました。
こちらは、十勝でも珍しい、放牧で牛を育てている牧場です。
「栄養価の高い草を食べて、ストレスなく育つ健康な牛からは、
健康なお乳が出ます」と新村さん。
乳酸菌が生きているという低温殺菌のノンホモ牛乳をいただいたのですが、
ミルクの味がこゆい!
いつも紙パックから飲んでいる牛乳とは、別の種類の飲み物のようです。
牛が牛らしく、ストレスなく生活するための放牧。
ごく普通のことように思うのですが、生産性と効率性だけのみを追求すると
放牧は当たり前ではないのだそう。。。
土づくりから気を遣い、ある程度の広い面積がないとできないし、
もちろんそれ相当の手間もかかります。
私たちは、自然とこうあってほしいという勝手な思いを
生産者の現場に押し付けているのかもしれないなー、と自分を省みたりしました。
たとえば、牛乳の乳脂肪分もそうです。
しんむら牧場さんでは、
だいたい、3.8パーセント~4.5パーセントの間だそうなのですが
これは季節によって変わります。
牛も生存本能に沿って、冬には脂肪を蓄えようとするため、
乳脂肪分の高いお乳を出すのだそう。
聞けば、「なるほど、そうだよね」と納得することでも
スーパーで脂肪分が一定になっているパックの牛乳を買っていると
いつでも同じものが同じ基準で手に入るというのが当たり前になっている。
この消費者の世界の「当たり前」を生産の現場に押し付けることで、
逆に私たちが「牛」にとっての「自然であること」「ふつうのこと」を
圧迫しているのかもしれないなー、、なんても考えたのでした。
新村さんに実際に放牧している牧場に連れて行ってもらいました。
牛たちは草をはむところまで歩いて行くけれど、私たちは車に乗って・・(笑)
(ちなみに牛専用の路?があるそうです・・!)
草しか食べていないから、うんちが緑色。(貴さんのブログを参照ください)
でもうんちを踏んでしまうと、とるのにかなり大変なことになってしまうらしく、、、
「踏まないように気を付けてくださいね!」と新村さん。
興味深そうに、寄ってくる牛たち
だけど、距離を詰めていくと、怖がって逃げてしまうそう…。
体は大きいけれど、意外と臆病なのです。
草を食べては、反すうし、また食べる牛たち。
のんびりしていていいなー。
ここにいると牛になりたくなります(笑)
こんな気持ちのいいところで、日がな過ごしていたら、そりゃあストレスもないよなー、、なんて。(新村さんに伺ったら人間関係ならぬ、牛関係もいろいろあるみたいですけどね・・)
たっぷり牧場でおいしい空気を吸って、牛と一体化して景色を堪能したあとは、クリームテラスで、ランチを食べ、こちらの名物のクロテッドクリームをたっぷり塗ったスコーンとお茶までいただき、
芽室町にあるオークリーフ牧場へ。
こちらは、肉牛の生産者さんです。
オークリーフ牧場の社長、柏葉さん
「ノンGMO、ノンポストハーベスト、抗生物質0」という飼料へのこだわり。
そしてトレーサビリティ。
あんまり詳しく書けないですが
これも当たり前のようでいて、実際のところ一般的にはそうではないみたいです…。
“抗生物質入りの飼料をいち早く導入、数字と効率重視の経営にまい進した。”という柏葉社長が、今のスタイルに至ったお話など、とても興味深く、私自身「食の安全性」について、またまた深く考えさせられました。
「主役は(流通ではなく)、生産者と消費者でなければならない」という
柏葉社長の力強いお言葉。
発言するだけではなく、それを実践されている姿がすばらしいな~!と
お話がおもしろく、ずっと柏葉社長の話を聞いていたかったくらいなのですが、
牛舎も見学させてもらいました!
餌を待つ、大きくなった牛くんたち。
「早くミルクちょーだい!」
粉ミルクタイムを待つ子牛ちゃん。
日頃あんまり牛肉を食べないのですが
(どちらかというと鶏肉や豚肉のほうが好みなのです)
こちらの牛たちがとっても健康的で、かわいいので、もっと牛肉を食べなきゃなー、と。
かわいいから牛を食べるって変ですかね?
感謝しておいしくいただくことが、肉牛として生まれて、生産者に大切に育てられた牛に対して私ができることなのかなー、と思ったのでした。
ということで、またつづく・・・。