2010年05月21日

二十四節気<小満>

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新緑深まるこの季節。とても気持ちが良いですね!
5月は最も好きな月です。
今日は昨日の雨とは変わり、夏日となりました。


万物盈満すれば草木枝葉繁る(暦便覧)


春に目覚めた植物たちは一定の大きさへと大きくなり、
葉の色も段々深みを増してきました。
これから花を咲かせ、実をつける準備へと進んでいきます。
沖縄ではそろそろ入梅となり、秋撒きの小麦が実ります。




八百屋 瑞花でもピーマンやナス、きゅうりなどの夏野菜がお目見え。
旬には少々早いですが、出始めの若い青年期の味を楽しんで頂きたいと
お見せに並べました!
特にナスは皮が薄くて、瑞々しいので、是非浅漬けなどの生食がお勧め。
お味噌汁に入れても、少々薄めにスライスして、さっと火を通す感じで。
勿論、焼きナスも美味ですが、秋ナスの深い味わいとは異なります。
さらに、今年はピーマンがとても良いですね。
甘味があって、苦味は少ないですが、ピーマンの香りがしっかりあります。
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毎年の七不思議(?)の一つ。夏みかん。
昨年の実を着けたまま、新たに白い花を咲かせます。
花と実が同時にあるのは不思議な光景。
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今年の春は本当に天候が異常でした。
夏・秋の作物への影響が心配です。
これからどうか順調に育ちますように。

2010年04月20日

二十四節気<穀雨>

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静岡県では茶葉の初競を迎える季節となりました。
先週の寒さは驚くものがありましたね!
体調はいかがですか?
冷害で野菜の高騰はさることながら、
夏・秋への作物への影響が心配です。
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八百屋 瑞花でも野菜のでない端境期に加え、
天候不順による作物の生育に障害があり、野菜の少ない日々が続いていました。
「野菜がない、野菜がない・・・」と毎日つぶやいて、
ふと商品棚を改めてみると、アスパラガスや菜の花、ウドにうるいと
春野菜が立ち並び、いつしか冬野菜が消えていました。
さらに、先週からは春キャベツ、新玉ねぎ、新じゃがいもなどが並んでいました。
池ではおたまじゃくしが泳いでいます。
やはり「穀雨」を迎える季節なのだなぁと実感しました。
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そう、今日は「穀雨」です。
春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧)

夏に向けた作物が植えられ、根を張り始めた苗たちには大切なこの季節。
柔らかな雨が降り続くと、「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼ばれ、
また降ったりやんだりすれば「春時雨(はるしぐれ)」と呼ばれます。
4月の雨は柔らかで しっとりと包んでくれるような気がします。
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街を歩けば、百花繚乱。沢山の花が咲いています。
チューリップに小手毬、女郎花、ヤマブキ、ドウランツツジ、
カリン、シャガ、からすのえんどう、ハナミズキ、シロツメクサ、すみれ・・・。
さらに藤が小さな花をつけ始め、5月の連休の頃には見ごろを迎えます。


命息づく春ですね。
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2010年03月21日

二十四節気<春分>

日が長くなりました。
柔らかい光が店の中にも差し込んで、心地よく、眠たくなって
ついつい大あくび。おっと、いけない(笑)
桜の蕾もあとわずか。次の晴れ間を伺うように、弾けんばかりです。
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日天の中を行て昼夜等分の時也(暦便覧)


そう、今日は春分。昼と夜の長さがほぼ等しくなる日です。
仏教では極楽は西にあるとされ、太陽が真西に沈むこの日が
最も極楽へ通じやすいと考えられ、供養をします。
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関東の野菜はというと、まだまだ端境期。
とはいえ、房総からは菜の花や山菜の声が聞こえ始めていますし、
全国に広げれば沖縄ではそら豆が、熊本ではワラビが出てきています。
佐賀のホワイトアスパラは本当に美味しい!
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暖かい日は 苦味のあるものが食べたくなって、
菜の花のパスタに、クレソンやセリ、味ののったトマトのサラダ。
そして、ビールとグビッと!
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春に苦味が欲しくなるのは体がデトックスしたがっている証拠です。
天然塩のミネラルと真水で水分をしっかりとれば、
冬に蓄積した脂肪は自然と落ちてゆきます。


でも、まだまだ寒い日はありますから油断は禁物ですよ!
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2010年03月06日

二十四節気<啓蟄>

雨の啓蟄となりました。
白梅が見ごろを迎え、既に蛙の恋が始まっています。。
先日の暖かな日を待っていたかの如く、穴から這い出して 池にプカリ。
既に卵を産んでいました。
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陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也(暦便覧)
冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味です。

もう、間もなくでしょう。
桜も銀杏も随分と蕾がすこーしばかり膨らんできました。
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関東の野菜はまだまだ端境期。
八百屋泣かせの季節です。(苦笑)
根菜類が終わり、関東の春野菜が出てくるまではもう少しかかります。
山椒の枝はまだ硬く閉ざしたままでした。
でも、九州や四国の暖かい地域では、山菜や筍、つくしなどの声が聞こえ始めています。


早く出てこないかなぁと ウズウズ。
草木や虫もこんな気持ちなんですかね??(笑)
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2010年02月27日

いよかん

おへそに手をかけて、皮を一枚むいた瞬間、
ほわっと爽やかな甘酸っぱさが香るいよかん。
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日本で生産される柑橘類では、温州みかんに次ぐ 生産量があります。
生産地はダントツ愛媛!
松山市を中心に生産が伸びたことから、伊予の国⇒いよかんと命名。
いよかんの原産は山口県。明治時代に山口県阿武郡で発見されたのが最初だそうです。


手で薄皮を剥かなければならないので、敬遠されがちですが、
ぱーっつと目が覚めるようなジューシーさは 後引く美味しさです。




愛媛の生産者さんに特徴や目利きを伺いました。
いよかんの特徴は独特の香りにあるので、それを楽しんでほしいとのこと。
確かに、先日 スイートポテトを作ったときに、
いよかんを使ったところ、口の中に香りが広がります。
果肉そのものを食べるより、香りを感じられたように思いました。


目利きは重たくて光沢のあるオレンジを選ぶと良いそうです。
無農薬で過酷な環境の中、つやのあるものは
木そのものが元気な証拠だとか。


さらに、ここの農家さんは収穫後、ベッドで寝かせるそうです。
こうすると、水分が飛び、追熟するそうです。


最盛期を迎える 多種多様な柑橘類。
季節が移ると共に、柑橘の種類も変わっていきます。
どこで、どんな風になっていたのかなぁと想像しながら食べるのが
最近の楽しみです。

2010年02月19日

二十四節気<雨水>

今朝も厳しい冷え込みとなり、霜が降りていましたが、
日差しとともに和らいできました。
冷たい空気の中にも、どこか緩みを感じます。
優しい日の光のせいでしょうか?
梅が見ごろを迎え、木々の芽も膨らみ始めています。
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野菜も少しずつ、春らしくなってきました。
セリ、ミツバ、クレソン そして2日前からはセロリが漸く届きました!
体もそろそろ、苦味が欲するころですが、
山菜を食べるには まだ味が乗らないので、こうしたセリ科の香りと
ほうれん草やカキ菜などの青菜と共に 旬を楽しんでください。
九州からは 豆類が出始めていますよ!
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陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也(暦便覧)


空から降るものが雪から雨に変わり、雪も溶けだす頃という意味です。
春一番も間もなくでしょう。一番、二番と強風が通り過ぎると、
大地が揺さぶられ、芽吹きの合図となります。
氷が溶け、水が染み出し、草木が、虫が這い出します。
やがて桜が咲き、葉が茂れば 鳥は卵を孵します。
そうやって、1年のストーリーが流れていくんですね。
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今年は春が少し遅いようです。
昨年は13日には春一番が観測されていたのですが、今年はまだ冬将軍が頑張っているようです。
でも、街路樹の根元ははこべが沢山出てきていますね。
今年は東京にも沢山雪が降りました。
2月の降雪は平均3.5日。今年は9日も降っているそうです。
来週は少し暖かくなるようですね。


薄手のワンピースを窓辺に飾り、
待ち遠しくおもっております。^-^
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逃げられてしまいましたが、猫が6匹も日向ぼっこしてました。

2010年02月04日

二十四節気<立春>

とっても寒い春のスタートとなりましたね!
昨夜は雪が舞い、今朝は霜が高く、氷が張っていました!
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でも、草木は寒さに負けず、花を開き始めています。
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今日は「立春」です。
二十四節気の初めの節で、暦の上ではこの日から春となります。
旧暦では立春から新しい年がスタートするので、現在に残る習慣は
この日を軸に節目や行事があります。
「♪夏も近づく 八十八夜」も立春から数えて88日。
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野菜の世界に入って、季節や旬というものをより身近に感じるようになりました。
1年、1年 同じように巡る季節を見ていると、
だんだん、立春が季節のスタートになっているなと感じるようになりました。
2週間前の<大寒>では 歩いていて悲しくなるほど 閉ざされた感がありましたが、
今朝は霜も高く、シンとした寒さでありながら、湧き上がるようなエネルギーを感じられ、
「春告草」と呼ばれる梅をはじめ、ちらほらと花が咲き始めています。


春の気たつを以て也(暦便覧)
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暫らくすれば 今年最初の南風「春一番」が吹きますね。



気持ちが浮き立つ陽気に誘われて、薄着になりがちですが、
まだまだ寒いので、風邪にはご用心を。

2010年01月24日

春の兆し

今朝 一輪 梅が咲いていましたよ!
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2010年01月20日

二十四節気<大寒>

昨日、今日は 珍しく暖かく小春日和ですね。
店(八百屋 瑞花)にいても、日が優しく入り込み、火をつけなくても暖かです。


とはいえ、「寒の内」。そして今日は「大寒」を迎え、寒い日々が続いています。
先週は本当に底冷えが続き、手足の冷たい私は、 足の指に霜焼けが!!
痒ーい!痛ーい!!(苦笑)
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冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也(暦便覧)
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まさしく 冷えることが甚だしいこの季節。
味噌や凍り豆腐、お酒などを仕込むに 大切な季節です。


瑞花でも2月に「味噌造りの会」を開きます。
自分で選んだ塩をご持参頂いて、こだわりの手前味噌を造ります。
秋まで熟成させて、どんな風に仕上がるか楽しみですね!
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↑紫陽花の芽


それもあと2週間。
立春を迎えれば、寒くとも気分は少々緩みます。


太陽の力も、少しずつ強さを増してきてきているのを感じます。
梅の花も ほら、間もなく咲きますね!
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2010年01月19日

雲仙こぶ高菜

1月2月は端境期(はざかいき)。
端境期とは、次の季節の野菜が収穫前で、商品が品薄になることを言います。


とはいえ、今 旬を迎えるブロッコリーやカリフラワー、キャベツは絶品ですし、
今しか出てこない野菜もあります。
特に、青菜はいろいろ出てきますよ!
葉茎の甘みと程よい苦味、青い味の違いを是非楽しんでください。




今日はその中の1つ。雲仙こぶ高菜をご紹介します。
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葉茎にコブがあるのでこぶ高菜。
長崎雲仙の地野菜です。

なんとも、このコブが美味しい。
青梗菜の葉茎のような甘みがあり、葉もしっかりと濃い味がします。
油との相性が良いので、炒め物に向いています。
葉と茎を分けて刻み、生姜やニンニク、キノコなどと炒めます。
中華風にしてよし、オイルパスタにして良し^-^


雲仙という土地柄、マグマのエネルギーを多く吸っているのでしょうか?
届いた箱を開けると、暖かく熱を持っています。




実はこのこぶ高菜、フローフード国際協会の「味の箱舟」に認定されています。
どういうことかというと。(下記はスローフードジャパンよりhttp://www.slowfoodjapan.net/)


○5つの認定基準


1.その生産物が、特別においしいこと。
(この場合のおいしさとは、その土地の習慣や伝統を基準にすること)


2.その生産物が、ある特定の集団の記憶と結びついたものであり、
ある程度の長い年月にわたって、その土地に存在した植動物の種であること。
また、その土地の原材料が使われた加工、発酵食品であるか、
あるいは、地域外からの原料であっても、その地域の伝統的製法によるものであること。
(この場合の記憶や年月は、現地の歴史に照らし合わせて判断する)


3.その地域との環境的、社会経済的、歴史的つながりがあること。


4.小さな作り手による、限られた生産量であること。


5.現在、あるいは将来的、消滅の危機に瀕していること。




×3つの禁止事項


1.遺伝子組み替えではないこと、遺伝子組み換え食品が生産の一部にも一切、関与していないこと。


2.トレードマークや商業的ブランド名がついてない生産物であること。


3.選ばれた後も、スローフード協会のロゴやかたつむりマークを、直接、食品に掲載してはならない。




岩崎農園の岩崎政利さんが かつて栽培していたこぶ高菜が畑に自生ししていたのを発見し、
それをきっかけに地域で栽培するようになったとか。
現在では地域をあげて、栽培に力をいれておられます。
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まあ、薀蓄ともかく 美味しいので、お店にも並べており
好評を頂いております。




昨今、見直され始めた地野菜ですが、
戦後 発展途上の段階で規格品でないために、
栽培されなくなってしまった野菜が多くあります。
その土地の風土気候に相応しく育つ野菜は、
手を多くかけなくても、強く育ちます。
そして、そこに根付く文化と共に歩んできたはずです。


これらの野菜の復活は、文化継承とともに
ご当地ものとして、食しに訪れる楽しみにもなりますね!

プロフィール

矢嶋文子

調理師。“良い食事は人を笑顔にする魔法“と食、特に味覚教育に関心を持つ。現在、築地御厨(青果卸店)内田悟、Convivialete Miyagawa宮川順子に師事。2009年八百屋瑞花オープンさせる。

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