Vol.1 小田川さなえさん

「フードソムリエ」キッチンインタビューの第1回目を飾るのは、 下北沢で「アトリエ ラ・ペッシェ」を主宰する小田川さなえさん。

国内外で洋菓子、製パンの技術を学んで帰国。特にフランス菓子が専門分野。よくパリにも行かれるそうで、世界的に有名なサダハルアオキシェフともご懇意だとか...。ガーデニングにも造詣が深く、下北沢駅からほど近いお教室には、季節の草花やハーブなどが素敵に植えられたお庭が広がっています。

今回は、そんな小田川さんのおしゃれなキッチンを訪ねました!

Profile
Vol.1 小田川さなえさん
菓子作家。「アトリエ ラ・ペッシュ」主宰 ・国内、海外にて洋菓子、製パンの技術を学ぶ 。パリ「サダハル アオキ」にて研修。現在、下北沢のアトリエにて洋菓子教室を営む傍ら雑誌等にレシピの提案なども行う。

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キッチンのこだわりポイントは、色の統一感。パリのアパルトマンを思わせる軽やかな雰囲気に

コンパクトながら各所に小田川さんのセンスが光る、機能的でおしゃれなキッチン。

「キッチンで一番こだわっているのが、色の統一感です。ものが多くなりがちなキッチンは、基本色を決めて、それに合う家具や小物をそろえてみて。そうすると、ちょっとくらいゴチャゴチャしていても浮かないんですよね。我が家の基本色は、大好きなシャンパンイエロー」と小田川さん。 基本色にあわせた家具や食器棚、オーブン台、キッチンカウンターはすべてセミオーダーしたもの。「最初はオーブン台がどいしても見つからず、サイズを測って作ってもらったのがきっかけですね。あとは1年ごとにひとつずつ買い足しています」 色が統一されたキッチンは、全体がギュッとまとまった印象です。さらに、アイボリーの壁に映えるグリーンを各所に配して、おしゃれなアクセントに。 「ステンレスやガラスなどの素材は、どんなカラーにも調和しやすいもの。ほかに漆など和のテイストとの意外な組み合わせも、なかなか素敵ですね」 漆器のお皿にお菓子を並べてインテリアに見立てたり、ケーキ台にしてみたりもするのだそう。

本当はマグカップかけなんだけど、生徒さんが自由にとって洗ってかけるのに便利。「これは実用第一です(笑)」

インテリアとして見せる収納と隠す収納のコンビネーション

A.思い入れと愛着たっぷりの抜き型はフランスで買ったもの。奥の瓶は、使ったあとのバニラビーンズのさや入りバニラシュガー。/B.「吊棚の遊びの部分がお気に入り」ハチミツやジャム、海外で買ってきた珍しいものなど、季節で置くものを変えています。/C.お庭になっているレッドカラント。そのほか、この時期に育てている植物は、ブルーベリー、ハーブ類(ミント、オレガノ、タイムなど)がメイン。

「キッチンは特にものが多いところ。当然ですが、あまりいろいろ出していると、ごちゃごちゃしてしまうので必要なものしか置きません。私の場合、粉やお砂糖などはしまっています。また木べらやパウンドケーキの焼き型などの木製の道具や、キッチンエイド、やかんなどのステンレスは、インテリアにもなるので、あえて見せるようにしています。」

道具は、実用的でシンプル。飽きがこないものが好き

キッチンツールや道具は、合羽橋で買うこともあれば、旅先のスーパーで購入することも。 「実はたくさん買っちゃいます(笑)ヨーロッパやアメリカのスーパーはおもしろいですよ。日本人には全く予想がつかないようなものもあります。」 オリーブの種を抜く道具など、実際に使えるかどうかわからなくてもおもしろそうなものをつい買ってしまうこともあるのだとか。 「でも、本来は質の高いものを長く使うのが好きなので、買ったらずっとかわいがります。使っているうちに、道具が自分になじんでくるのがたまらないんですよね。(お菓子の)型とかは、それぞれ思い入れと愛着があります。」 いいものをちゃんとお手入れをして、使い続ける。 そんなところに、道具を長く愛する小田川さんの姿勢がうかがえます。

料理家に聞く5つのQuestion

1. 料理を職業にしようと思ったきっかけは?
  ひとことで言うと、好きが高じてなったという感じでしょうか。最初はお花の教室のお茶菓子として出すようになって、それから習いたいと言う人が出てきて、徐々に口コミで広がっていったんです。
2. 料理家にならなかったら何になっていた?
  服飾デザイナーかなー。中学生とか高校生の頃ですけど…。ファッションデザイナーに憧れていました。
3. 好きなレシピ本、または料理研究家は?
  土井 善晴さんの『日本の家庭料理独習書』。家庭料理をとても大切に真摯に伝えていく姿勢に共感できるのです。ふと思いついて、基本を見直すためにときどき開いています。
4. 無人島にひとつだけ持って行く料理道具(または食材)は?
  MY箸セットを持っていきますね。葉っぱに、盛りつけ箸で海藻を乗せたりして、自分のお箸で、もそもそ食べていそうです(笑)
5. 最後の晩餐で選ぶメニューは?
  白いごはん、だしからとったお味噌汁(具は野菜いっぱい)、焼き魚(塩鮭)、漬物(季節の野菜のぬか漬け)。そして、最後の締めは、牛乳をいっぱい入れたコーヒー!ですね。

スタッフより

スタイリッシュで、陽がさんさんと入る心地よいキッチンと広いお庭。 パリのアパルトマンをイメージしたというキッチン&ダイニングルームには、すぐにでもまねしたいポイントがいっぱいでした!ところどころに飾られた絵やグリーンが、心地よい空間をさらに生き生きとしたものに仕立てています。