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2011年5月 アーカイブ

2011年5月 2日

福島に行ってきます


みなさま、GWいかがお過ごしですか?

私は、5月5日~8日まで、
以前からご縁のある方がいらっしゃる、福島県相馬市に行ってまいります。


今回は、中小企業家同友会のメンバーの一員として、
北海道・十勝に、被災者のみなさまを受け入れることができないだろうか?
...という点について、現地のみなさまのお話を伺いに行ってまいります。

TVを見ると、GWはボランティアの方がたくさん来ている...という
ニュースが流れております。

みなさまの邪魔にならぬよう、
私にできることを考え行動したいと思っております。

正直なことを言えば、
お役に立ちたいという気持ちはもちろん強いのですが、
被災地の現状を知ることへの恐怖も強い...。

こんな私が、現地に行っても良いものかどうか、かなり悩みます。
しかし、自分の目で見てきたものを、正しく伝えるという
仕事があるような気がするのです。

相馬を訪れた私が、
その記録をこのBLOGに書けるかどうかは、
現地に行って、戻って来てみなければわかりません。


人に活かされ、
人に支えられて今日まで人生を生きてきました。
人と人との絆に感謝の気持ちを持って、現地に向かいたいと思います。

行ってきます。

2011年5月11日

被災地に行ってきました~南相馬市

IMG_0290.JPG

今回は、北海道十勝の中小企業家同友会として
「十勝に出来ることは何だろう?」というテーマの下、
旅団の1員として福島に行ってまいりました。

主に行政や、地元の中小企業のみなさまからお話を聞くことが多く、
避難所の訪問はいたしませんでした。
また、ボランティア的な動きとも異なり、視察を行ってきました。

まず、現地に行ってみて初めて体感として理解できたのですが、
地域による地震被害の差が大きくありました。


同じ福島県内でも、原発のある地域とない地域では、
現段階で全く意識が異なります。

また、原発の地域でも、
避難区域と準備区域、それ以外の区域の3つで大きく異なります。

被災地とひとくくりで考えることは難しく、
大きく分けると3つに分かれます

 1.地震の被害があった地域
 2.地震と津波の被害があった地域
 3.地震と津波と原発の被害があった地域

さらに原発被害のある場所では3つに分かれます。

 A.20km圏内で避難生活を強いられている地域
 B.30km圏内で避難準備となっている地域
 C.30km圏外だが、風評被害が大きい地域


これらをひとくくりで考えることはできず、応援する立場としても、
その地域の実態にあった対応が必要であることがよくわかりました。


南相馬市は、このA、B、Cの3つの状況が町内に全てある地区です。
その切々たる思いや...
私どものように地震の被害がない地域に住む者にはとうてい理解できないと思いました。

それでも、私たちは、少しでも「今出来ること」を考えること、
これから長く続く被災地の日々を忘れないことがとても重要だと思いました。


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以下、現地の中小企業の方からお伺いしたことを羅列します。


■屋内退避は、自宅待機という意味で、会社に行くことや店を開けること、
 学校に行くことができなかった。

■そのため、子供がいる家庭は、学校や夫の転勤で非難区域外へ
 移動した人が多く、屋内退避が解除された今も、人員不足で店を開けることが
 できないところが多い。

■30kmは円で引かれているだけで、例えば自宅の敷地内でも、濃度は違う。
 水はけが悪く風が通りにくい場所は、溜まりやすい。

■原発が現在進行形であり、この先が見えない。そのため、次の一手が打てない。

■もう一度、この土地で、愛してきた会社を再開したい。
 もう1〜2年待ってもここにいたい。

■そうは言っても心は揺らぐ。資金繰り、従業員の生活...。
 休業にすべきか?解雇にして雇用保険適用させた方がいいのか?

■原発は、安全だと40年間三世代に渡って言い続けられてきたし、信じていた。
 反対する人は町から出ていけというような雰囲気さえあった。
 原発があるのが当たり前の生活だった。
 でも、原発は止められない、一旦暴走するとコントロールできるものではないということを
 初めて知った。
 『管理できます』という言葉を信じていた。
 これまで甘い汁を吸ってきたのだから...と言う批判もあるが、
 知らされていなかったこともたくさんあった。
 使用済み燃料棒があんなにたまっていたことも、知らなかった。
 ある人が、こう言っていた『我々は、人類の大いなるモルモットだ』と。

■反対運動をしていた人は40年前に今起こっていることをシミュレーションしていた。
 当時のシミュレーションと同じ事が今、起きている。

■今はまだ先が見えない。いつ、避難しろと言われかねない地域にいるから。
 経営者同士話していても、最後は『どうすっぺ』と溜息がでる。

■銀行の借入金、三月の支払いを止めてもらったら、13%近い金利がかかるという事を
 後で知って慌てて返済した。
 政府が対応していないため、通常ルールが適用されるのが実態。
 政府は早急に対応して欲しい。

■企業支援施策が出ているが、30km圏内の企業には適用されないモノが多く、緊急融資もない。 この先どうなるかわからない企業には貸せない...ていうこと。
 辛く苦しい宙ぶらりんの状態は、いつまで続くのか?

■溜息ばかりついていられない。30代の若者が音頭をとって、
 『つながろう南相馬』をたちあげた。
 まずは、たくさんの支援に『ありがとう』から始めようと思う。

以上のように南相馬市は、
屋内退避が解除されたものの、
避難準備区域という立場が様々な苦しみを更に増幅させているようです。

また、お昼を食べようにも、やっている店は少なく、
チェーンの飲食店は、ほとんどが休業しています。
一方で、小さな地元店は頑張っている。
地域にとって、中小企業や小さな小売、飲食店がいかに重要であるかを物語っておりました。


<続く>

2011年5月22日

被災地視察~地域の商店や地元企業を大切にしよう

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■気仙沼で見た、お店のメッセージ。誰もがこの店の復活を信じてやまないのだそうです。


さて、今回、被災地に行って重要な視点に改めて気づかされました。

それは

【地域の商店や地元企業を大切にする】ということです。

当たり前のことですが、これが危機管理としても重要な要素となります。

例えば、原発から20km圏内、30km圏内という複雑な状況を抱える南相馬市では、
営業を続けているほとんどの店が「地元の店」で、チェーン店の多くは休業中でした。


また、気仙沼市の地元企業・気仙沼商会では、
震災翌日から社員総出で、地下タンクに埋まった灯油を汲みあげ
避難所等の暖をとるために奔走。

更に、震災発生直後から元売りの昭和シェル石油と交渉を進め、
港に設置されていたタンクが燃えるという大きな火災があった地域にも関わらず、
宮城県内で一番最初に燃料供給を始めたそうです。
一時期は秋田まで、毎日タンクローリーを走らせていたのだとか...

一方、他に資本があるチェーン店のガソリンスタンドでは言わずもがな...
しばらくたってからの営業再開となりました。


大手チェーン店は魅力的な展開で私たちをひきつけます。

しかし、
「日本全国どこにいっても風景が同じ」とは、私の知人の名言です。

この言葉通り、既に大手チェーン店の台頭で、
北海道の地方都市はどこに行ってもその町の個性が失われつつあり、
地元企業が数少なくなっている地域も少なくありません。


でも、「いざ」というとき、
だれがその土地に住む人のために店を開け、
頑張って営業してくれるのか?
言わずもがな...です。

また、とある地域では、
地元のお店の多くは地震による建物の被害が少なかったのに対して、
大手スーパーは壁や天井が崩落したのだとか...。
この意味はもう言わずともわかるはずです。

私が住む、十勝・帯広には、
地元企業が経営するスーパーチェーンが3つもあります。
これは私たちにとって誇りです。

Uターンした6年前には、
モンロー主義と言われる閉鎖的な地域性、
チェーン店が進出しにくく、昔ながらの店でサービスも貧弱...
そんな町の姿を「遅れている」と思ったものです。

でも今、私が感じるのは真逆のこと
地域の店を守り続けてきたこの地域は、
「多様性に富み、新しい」のです。

もちろん地元店には、足りていないこともたくさんあると思います。
でもそれは、これから改善していきましょう。


だから、全国のみなさん、
地元の、地域の企業を大切にしましょう!

そして地元のお店で買い続けましょう。

それが、あなたの命や家族を守ることに最後はつながる...
ということを今回の震災で知らされました。

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プロフィール


北村 貴(taka)
フードソムリエ代表


20年間の東京生活を経て、
2004年12月、真冬に
故郷・北海道十勝へ戻る。
よく食べ、よく遊び、よくしゃべる。
特技は四葉のクローバー探し

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