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2010年10月 アーカイブ

2010年10月12日

フードツーリズムツアー2010 in 北海道~1日目 VOL.1


このエントリーは、
弊社スタッフの愛ちゃんこと、
鐘ヶ江愛のレポートでお届けいたします。


今年も恒例のフードツーリズムツアーが開催されました!

私・鐘ヶ江は去年に続き、2回目の同行となりました。
昨年はかなり寒かった記憶があったので厚着で行きましたが、
日中は半袖でもいいくらいのお天気に恵まれました!

見てください、雲ひとつないこの空!

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今年も多くの生産者さん達のお話しを直接お聞きし、
その熱い思いと、信念に感動しっぱなしの2日間となりました。

それでは、ツアー内容をご紹介いたします!

到着してまず向かったのは、十勝ヒルズ
ここは、日本一の豆卸問屋「丸勝」さんが経営している為、
豆を使ったお酢が購入できたり、豆料理や十勝帯広のグルメを楽しむ事が出来ます。

今回は時間がなくて、昼食のみとなりましたが、多種類の花を楽しめるガーデンもとても素敵です。
十勝の玄関口・帯広空港のおひざ元から、「食と自然」の情報発信をされています♪

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その後向かったのは、チーズ工房NEEDSです。
今回ここでは、モッツァレラチーズ作りを体験しました。


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チーズは
1)牛乳を温める(生乳を殺菌する) 
2)スターター(乳酸菌を脱脂乳で培養したもの)を加える
3)レンネット(子ウシの胃から取り出した凝乳酵素)を加える。
4)固まったカードを切ってホエーを抜き、とりだす。

・・・という順番に進めていきますが、
今回、カード作りまでの上記作業は事前にNEEDSさんにしていただきました。

カードはこんな感じのものです。

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このカードに熱湯を入れ、圧搾し、含まれているホエーを押しだします。

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だんだんと、写真のようにやわらかくなり、まとまってきます。
*本来はここで、縦に伸びる繊維の部分を作って行きます。

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これを丸めます。


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そして塩水につけて、モッツァレラチーズの出来あがりです!

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塩水につけるのは、雑菌の繁殖を抑えるのと、風味を良くする為だそうです。
出来あがったチーズは、今回その場で釜焼きピザとカプレーゼにして頂きました!
自分達で作ったチーズは、格別に美味しかったです!


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ピザとカプレーゼに使用したミニトマトは、
この後に行った折笠農場さんで作られているものです。
なんとこのミニトマトは無農薬!一口食べたら、みんな“甘い~”と声を揃えておりました。

折笠さんのお話しは次回へと続きます!

フードツーリズムツアー2010 in 北海道~1日目 VOL.2 折笠農場さん

このエントリーは、
弊社スタッフの愛ちゃんこと、
鐘ヶ江愛のレポートでお届けいたします。


さて、チーズ工場でお腹いっぱになった後は、折笠農園さんへ向かいました。

折笠農園さんは、農業王国・十勝で数少ない無農薬無肥料に取り組む生産者さん。
総栽培面積は、ディズニーランドの1.5倍の70ヘクタール!って考えただけで相当広いですね・・・ 
そのうちの25ヘクタールを無農薬無肥料で、自然に近い形で栽培をしているそうです。
(多分、この耕作面積を無農薬無肥料でやっているのは日本一ではないでしょうか?)

★超貴重!ハーベスターにのせていただき、ジャガイモが収穫される様子を見学しました。

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折笠農場で作られる作物は豆、じゃがいも、そして今回試食させていただいたトマトなど・・・ 

トマトは作り始めて7年目になるそうです。
毎年10種類ずつ、

1.おいしい
2.病気にかからない
3.割れない 

などをポイントに研究を続けてきたそうです。
現在、「さくら」と「008」という2種類を栽培しています。

無農薬、無肥料に加えて、水もほとんどまかないのだそうです!

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さて、ここでもパクリ。
お腹いっぱいのはずなのに、折笠さんのトマトはとても甘味があり、皮もやわらかく、
何個も何個も食べてしまいました~。

「コレ買えますか?」の質問に「予約待ちで今年は無理です~」との答え。
さすがやっぱり丁寧に作られた美味しいものは、人気が高いと実感しました。


トマトのハウス見学後は、じゃがいも畑を見せていただき、私たちも実際にイモ堀を楽しみました。
今回収穫したジャガイモは「ノーザンルビー」「シャドークイーン」という品種で、
いずれも折笠さん今後に期待して作っているジャガイモで、数はごく少量。

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結構深いところにあるので、皆必死。。。
土を掘る体験は、なかなか最近はないため、みんなとても楽しそう。
手にジャガイモがあたると、あちらこちらから「あったーーー」の声が聞こえてきました。

そして、最後に折笠さんからの貴重なお話しをいただきました。

★折笠さん、手にはノーザンルビー
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"最近は、有機栽培、自然栽培と言う人も多くなってきたが、そんなに簡単な事ではない。
「自然を理解できない者は自然栽培は出来ない」と奇跡のリンゴの木村秋則さんに教えていただきました” と折笠さん。
また、やみくもに品種を選んでもダメ、有機栽培にあった品種を持ってきて、生育させることが重要だとも。

最近では進行する温暖化なども考慮し、
30年先を見越してりんご作りの研究も行っているのだとか…。
折笠さんのりんごもいつか食べてみたいな~♪


作物の味や農法などのこだわりはもちろんですが、
収益性があってこそ再投資できる農業。

トマトの品種を選ぶ話の際にも感じましたが、
折笠さんのバランス感覚の良さに、ただ驚くばかりの参加メンバーでした。


本当にお忙しい収穫時期の中、ありがとうございました!

さてさて、メンバーはまだまだ食べます!(笑)
驚きと感動の一日目が終わり、東京からの参加組は、
帯広の居酒屋「たけとんぼ」へ。

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その後は、屋台村をはじめ、みな帯広の夜へと消えていきました・・・


★2日目に続く

2010年10月13日

フードツーリズムツアー2010in北海道~2日目 VOL.3 「北十勝ファーム」

このエントリーは、
弊社スタッフの鐘ヶ江愛のレポートでお届けいたします。

2日目は、北十勝ファームさんへ
短角牛の見学へ行きました。

今回、お忙しい中私たちをご案内してくださったのは、ファームマネージャーの上田さんです。

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こちらでは、国産飼料99%以上、天然湧水の利用、地域循環農業への取り組みなどの
こだわりを通して、約560万頭の牛を放牧飼育しています。

和牛というと、大抵の人は黒毛和牛を想像すると思いますが、
それ以外に「褐毛和牛」「日本短角牛」「「無角和牛」をくわえた4種を総合して「和牛」と言います。

今回視察させていただいた短角牛は、
南部牛とショートホーン種とを交配させて1956年に日本短角種として誕生した牛の事。
味も、黒毛和種と比べ脂肪分が少なくタンパク質(つまり旨味♪)が多いのが特徴。

日本では、約160万頭の黒毛和牛が飼われているそうですが、
それに比べて短角牛は約8000頭ですから、かなり貴重な牛です。

北十勝ファームさんでは、原料も国産にこだわり(99%国産)、
十勝産の飼料用のトウモロコシで作った乳酸発酵飼料、小麦、大豆、ビートの粕などを利用しています。
また、林の中で湧き出ている水を牧場内に引き込み、牛たちはこの自然の水を贅沢に飲んで育っているそうです!

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短角牛は性格がおだやかで、メス牛は母性本能がとても強いそう。
他の牛の子供にもミルクを与えたりするそうですよ。

私たち一行が、近づいていくと、
最初、あまりにも人数が多く、びっくりしていた牛さん達。
でも、だんだんと慣れてきたようで、たくさんの牛達が近づいてきてくれました!かわいい~!

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そんな貴重な貴重な短角牛を
「美味しく食べつくそう」ということで、
里美ヶ丘バーベキューハウスで贅沢にもバーベキューで頂きました。


目の前の大切な命をいただいているんだ…と実感いたします。


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といいつつも、食べていると、すっかり美味しさにメロメロに。

参加者の中には、

“普段あまりお肉を食べないのですが、短角牛は脂も少なく、胃が持たれない!
 ついつい食べ過ぎてしまいました~”なんて人もいました。

あー、贅沢に美味しいお肉をお腹いっぱい食べて本当に幸せでした~。
バーベキューの手配や手作りのおかずまで…。

何から何まで、お世話になりました北十勝ファームさんに感謝です。


2010年10月14日

フードツーリズムツアー2010in北海道~2日目 VOL4.「ELEZO社」

このエントリーは、
弊社スタッフの鐘ヶ江愛のレポートでお届けいたします。

最後に私たちが向かったのは、ジビエ食肉加工場のエレゾ社 さんです。案内をしてくださったのは、社長の佐々木さんです。

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社長の佐々木さんは元々都内のレストランでシェフをしていらっしゃいましたが、
十勝へ帰郷後、ジビエの魅力に惹かれていったそうです。

現在では、専門のハンターを数名抱えながらこだわりのジビエをレストランへ卸しています。
そして、ただただレストランへ卸すだけではなく、そこで食べる人の事までも想い、
納得したものだけを扱っているとの事です。

味の追求からも、ただただ狩りをするのではなく、ヘットとネックのみを撃って捕え、
雄は2歳まで、メスは3歳までなど、年齢などもレストランの要望に応えているそうです。
それを見分けられるなんてすごい!やっぱりプロです!

地域の中で見過ごされている資源である「ジビエ」。
特に「食肉検査」が確立されていない今、どうやって可能性を広げていくか?
北海道や十勝支庁に対して働きかけを行い、組織を作って…と、
新しい食の流通に挑む若き社長の挑戦に、みんなが釘付けになりました。

そして最後に、お昼にあんなにいっぱい食べたはずなのに、
私たちはハムやソーセージなど、たくさんの試食をさせていただきました。
ジビエは期間が限られているため、それ以外の時期のために加工品を作られています。
これがものすごいレベルの高い味。

ワインが欲しい~!とおっしゃっている方もいました、笑。

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そしておまけで、こちら社長の佐々木さんが飼っているペットの小夏ちゃんです。

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バンビちゃんがペットだなんてうらやましすぎます~!
(ちなみに、バスがついた時、佐々木社長はバンビと一緒に丘から降りてきました!)

こうして2泊3日のフードツーリズムもお天気にも恵まれ、今年も無事に終了しました。
ご参加してくださった皆様、及びご協力くださった皆様、本当にありがとうございました!

2010年10月19日

深まる秋

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秋深まる北海道、
突然海が見たくなって、ドライブに出かけました。

秋の海は、日曜日だと言うのに、私一人だけ。

砂浜も、波も、カモメの鳴き声も
一人占め♪


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刈取りが終わった畑のそばで
すすきが穂を出し、
秋から冬へといざなってくれます。

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残念ながら今年はあまり紅葉が美しくなく、
夕暮れであったこともあり、決してベストショットではありませんが…。
こんな枯れ方も素敵だなと思える川辺の晩秋です。


2010年10月29日

スタッフ愛ちゃんの、青森LOVEレポート

こんにちは!鐘ヶ江です。
私は、青森県八戸市の出身なのですが、週末に久々に帰省いたしました。

青森というと、「ねぶた」「りんご」と想像される方がたくさんいると思いますが、
青森県は国内でも有数の生産高を誇る農業生産地の一つであり、
北海道や岩手県、秋田県、山形県 などと共に、 自給率100%を超える数少ない県の一つでもあります。
また、農業だけに限らず、大間のマグロを初め、八戸港など、 水産加工業も盛んな所なのです。

私が地元八戸を出て上京してから15年が経ちますが、年々故郷への想いが強くなります。

住んでいた頃は当たり前のように思っていた景色や食べ物も、
遠くから見つめ直してみると、どれも誇り高いものばかりだと思いました。
今回の帰省では、たくさんの魅力ある食材に出会いましたので、そのご紹介を少しさせていただきます!

金曜日のお昼に、ノースビレッジ農園の代表、栗谷川柳子さんにお会いし、ランチをご一緒しました。
ノースビレッジさんでは、青森の選りすぐりの農作物をレストランへ卸したり、ネット販売も行っています。都内からも多くのシェフが良い食材を求めて訪れてくるのだそうです。

今回、お昼をご一緒した場所は、八戸駅から徒歩約10分のところにある、
OSTERIA DEL BORGO」です。
こちらは完全予約制で、予約のお客様の為だけに滝沢シェフが県内を回り、
すべての食材を仕入れるのだそうです。なので、その日その日でメニューが異なります。

オープンして約10年が経つそうですが、実は私、このレストランの存在を知りませんでした!
八戸にこんな隠れ家があるとは~!

新幹線に乗ってわざわざ食べに来る方もいるそうです。
シェフの滝沢さんの青森食材への想いというのは、食べている私にも伝わってくるくらい熱いもので、
本当に一品一品愛情がこもっているものばかり。
こんなに愛情込めて食材を活かした料理を提供するというのは、生産者さんも嬉しいですよね。

前菜プレートには青森の食材が盛りだくさん!

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青森県後潟(うしろがた)で獲れたあおりイカとジャガイモのリグーリア風ソース和え、
大西ハーブ農園さんで獲れたハーブサラダと今別のタコを使ったサラミ、
奥入瀬(おいらせ)黒豚肩ロースの自家製加熱ハム、
深浦産の甘鯛のフライ、
十三湖でとれた赤目鯔のカラスミ、

ソースは七戸の山ブドウと鴨のフォンをあわせたものなどをいただきました。
県内の各地でこれほど多くの食材がとれると言う事にとても驚きました。


この後、十和田産の黒豚を使用したパスタ、
デザートにはとろーり柔らかいフォンダンショコラと続き、たくさんの美味しい食事を頂きながら、
時間を忘れて県内の農業について、食材への想いなどを語らいました。

次回帰省した際にも、また違う食材を頂ける事を楽しみに行ってみたいと思います。


お昼にこ~んなに美味しいものをたくさん食べたのに、夜も引き続きご馳走をいただきました。
ちょっと遅れた誕生会をしてくれるという事で、
友人に連れて行ってもらったレストラン、「リストランテ澤内」へ。(この日はイタリアンずくし!)

シェフの澤内さんは、私の小・中学校の時の先輩でもあります。
澤内シェフも、県産の食材にこだわった料理を提供しています。

県産食材を使った前菜・自家製生ハムに続き、
八戸で獲れた雪の下というキノコを使ったパスタ。
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八戸でキノコが獲れるなんて知りませんでした。
見た目はエノキダケのようで、名前の通り、雪の下でも生えて育つきのこなのだそうです。

黒石町の黒毛和牛を使ったグリルを頂きました。
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ただでさえ美味しいお料理ですが、県産で獲れたとなると、美味しさも増し、一口ずつ大切に噛みしめていただきました。

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プロフィール


北村 貴(taka)
フードソムリエ代表


20年間の東京生活を経て、
2004年12月、真冬に
故郷・北海道十勝へ戻る。
よく食べ、よく遊び、よくしゃべる。
特技は四葉のクローバー探し

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