久方ぶりに白糠酪恵舎さんの工房を見学させていただきました。
カーリョを入れられるところから型につめて、ホエーが排出されるところまで。
(その後、塩を塗り、熟成庫に入っていきます)
朝、9時過ぎに工房につくと、すでに乳が殺菌され、
まもなくカーリョを入れるというタイミングでした。
酪恵舎さんの製造の様子といえば、
NHKの一期一会でも、その厳しさがTVの画面を通じても伝わってくる
そんな緊張した現場・・・。
私もものすごぉおく緊張してはいらせていただきました。
工房を拝見して何より驚いたのは
「無駄な動きが少ない」ということでした。
決して大きくない工房ですから、
決められた導線をきちんと守らなければ、アクシデントの元。
たぶん、ものすごく徹底された教育と管理がされているのでしょう。
みなが持ち場についているとき、
大きなテーブルをひとりで運ぶ様子を見て、
思わず手を・・・と思ったのですが、
私は見学者、衛生管理上手を出すことは許されないのでは?と手をひっこめました。
各人が「今、何をすべきか」を知り、他者に依存しない。
そんな工房の教育が見ている私に伝わってきます。
一方で、何より驚いたのは、
職人・井ノ口さんが乳を扱うときのやさしい表情でした。
いとおしそうに、バッドに入ったカード(乳が固まったもの)を見つめるその眼は
まるで子供の成長を楽しむ親のよう。
「このチーズには愛情がたっぷり注がれている」と
井ノ口さんに言われ、モノを売る立場からいつもお客様に話していましたが、
それが、具体的にどういうことなのか、
自分の目で見て、その一片をようやく理解することができました。
(愛情を注いでいるのは、酪農家の方やスタッフの方、支えてくれているすべての人だと
思うので、ここでは一片と・・・)
やっぱり現場に伺わせていただくと、そこは情報の宝庫。
たくさんの発見があるものです。
12月は忙しくてなかなかその機会を作ることができませんが、
年が明けたらまた、生産者さんを回っていきたいと思っています。
*バットからカードを取り出して、型につめるところ
*1回目のホエー排出が終わったカード