北海道に戻ってきてから、とても気になっていることがあります。
先住民族・アイヌ民族のみなさんが今に語り継いでいるモノ、コト。
先日、ケメイキと呼ばれるアイヌ模様の刺繍が施された
展覧会に行ってきました。
■会場に飾ってあった民族衣装
あまりにも美しいこの模様。
本来は魔よけなのだそうですが、
私はまるで吸い込まれるかのように、
身動きが出来なくなり、その場で呆然と立ち止まってしまいました。
私の中には、アイヌ文化に触れるたび、
言葉に出来ない様々な葛藤が沸き起こります。
それは私が、
我々の先祖とアイヌ民族の先祖が
北海道で歩んできた歴史を
正しく把握していないせいなのだろうと思います。
でも、そんなことをも凌駕するほどに、
その美しさ、精練さで、
私の心臓はまるでわしづかみにされたかのように大きく鼓動するのです。
先日行った、阿寒湖のアイヌコタンでも、
その素晴らしい伝承性にただひたすら感激しました。
アイヌ木彫り作家である、瀧口政満氏のお店を訪ねたとき、
その空気感、彫刻がもたらすメッセージ性に圧倒され
心が震える・・・
空気に緊張感が走る・・・
何かに包み込まれる・・・
そんな不思議な気持ちになりました。
■瀧口政満氏の作品
北海道にいながらも、
今まで、まるで気付かないかのようにしてきたメッセージ。
もっともっと知りたい、今、私は心からそう思っています。