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ほうれん草

寒くなるにつれて、冬野菜がとても美味しくなってきました。
これから寒くなり、霜にあたると、さらに糖度を増してきます。
自分の身を守るために、葉を枯らし、じっと地中にうずくまって冬を越します。
糖は寒さから身を守るために大事な養分。
人間も動物も 秋に沢山食べて脂肪を蓄えるのと同じですね。


さて、今日は ほうれん草!
一年中ありそうですが、冬野菜の代表です。
寒くなるにつれ、肉厚で甘みがましてきました。
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生まれはアフガニスタンといわれています。
雨の少ない乾燥地帯を好みます。
だから、ほうれん草の根はぐんぐんと地中を張りめぐり、
長く広く広がります。
そして、養分をがっつり蓄える性質をもっています。


よって、目利きは葉の葉脈が均一で対象であり、
淡い緑色のものを選ぶこと。
色が濃い葉はエグ味が強く、硝酸態窒素を多く含んでいる可能性があります。


硝酸態窒素は有機や化学肥料の中に含まれているものです。
硝酸態窒素細胞を作るために必要な要素であり、
欠かすことはできません。しかし、過肥料や日照不足などにより
光合成などで分解できなかった、硝酸態窒素は 植物内に蓄積されます。


この窒素自体は 無害なのですが、体内において亜硝酸態窒素に変化します。
これが血中のヘモグロビンと結合することで、血液中の酸素運搬を阻害し、
酸欠状態を招く場合があります。アメリカでブルーベイビー症候群といって
新生児が突然死したのはこれが原因といわれています。


また、亜硝酸態窒素は別の要素と結合し、発がん性物質を生成するとも言われています。

大人が通常の食事程度で、異常をきたすことは少ないですが、
過剰摂取の場合、リスクが無いとはいえません。
目利きができれば、リスクは回避できますから、神経質になる必要はありません。
ただ、こうした事実を知っておくことも 必要かと今回は記しました。


冬の美味しい味覚であるほうれん草。
美味しく楽しく 頂きましょう!
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葉の色が変わり始めた銀杏

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コメント (1)

tsuno:

今まで、濃い色のほうれん草を選んでたよ。
なんかその方が良さそうに思えて…。
正しい情報を知れて良かった♪
ありがとう。

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プロフィール

矢嶋文子

調理師。“良い食事は人を笑顔にする魔法“と食、特に味覚教育に関心を持つ。現在、築地御厨(青果卸店)内田悟、Convivialete Miyagawa宮川順子に師事。2009年八百屋瑞花オープンさせる。

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