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ビート アーカイブ

2008年03月03日

甘~い!ビートの作り方 その壱

今年もついにシーズン開始。

初めに家ではビート(てん菜)のポットつくりが始まった。

北海道でつくられる砂糖(グラニュウ糖)はビートが原料であり、十勝でも代表的な作物のひとつだ。

ビートは2種類の植え方がある。直播きと移植だ。前者は雪解け後、畑の凍結がなくなり、地温が上昇してから直接、種をまくやりかた。後者はビニールハウスで約45日程度育てたポット(育苗株)を畑に移植するやりかた。生育期間が長いため収量性に安定感があり、かつ悪い種や株を初期段階で選別できるメリットがある。デメリットは管理があり経費がかかることだ。

1.蜂の巣上になるアコーディオン式の紙ポットを、突起板にのせて土をいれる。
写真1
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写真2
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2.土のずっしりはいったポットを天地返してポットに種(ヨーロッパの品種)をまく。
写真3
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写真4 種はコーティングされていて、色は精糖会社でそれぞれ違う。北海道糖業のはスカイブルー?
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3.種が見えては、発芽不良を起こすので表面に土を覆う。それを運搬機でハウス全体に並べる。
写真5
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写真6
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4.途中9.3時に皆でわきあいあい、いっぷくする。ふ~~~、ほっ。
  この作業を3日半つづけ今年の分は完成。あとは3日後に水やりです。

2008年03月12日

ビートの芽吹き

あまーくなる予定のビートくん。

種をまいてから、土にならして4日後に第一回目の水散布。たっぷりやりまして、夜間は
10℃以下にならないように、シートをかけ尚且つ苗の周りに暖房で暖めてやります。
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”贅沢なヤツ”とは思いますが、生産者というのはほとんどの人が、製品になる割合を多く
作ろうと努力するものです。ハウスでも日のあたり方が微妙に違うとこや、手作業だけでは
どうしてもムラができてしまう。ですから、機械や化学をりようします。

もうちょっと、がんばれや~
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表面の土が濡れたりすると、活き良いついてでてきます。芽吹いた~!
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これはあくまでハウスの中の人工的なもの、畑は水分、種の深さ、気温、表面の鎮圧加減といろいろ考えなきゃならんのです。

2008年04月06日

ビートくん、どうなった?

あれから(3月1日)から播いた、育苗中のビートくん元気です。

3月12日 子葉がムクムクっと出てきました。
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3月24日 子葉の間から、本葉がでてきてます。
(この頃になると、土に混ざった雑草も子葉状態で、広葉除草剤をかけて雑草を抑えます)
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3月30日 本葉が元気に大きくなり、間にはまた新たな葉がポツリと見える状態。
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4月3日 一ヶ月でこんなんなりました! 緑のじゅうたんです。
このぐらいになると、寒さに慣らすのに朝晩を除き、日中は外気温のみ。まだ移植まで20日以上あるのでちょっとビートの草丈が伸びすぎないか心配です・・・。
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お日様に向かって、”太陽をくれ~”とばかりに子葉がたっています。

2008年05月08日

Transplant of Sugar Beets!

今年も春作業全快の季節がやってきました~!

やっぱゴールデンウィーク=お・し・ご・とウィークなのです。

というわけで、25日からビートの移植作業が開始。

まずは簡単な作業工程から
1.畑の深耕: 排水性+地温を上げるため。
2.畑の整地: 土の塊を砕いたり、ほぐしたりして、ある程度細かくします。
3.畝を作る: 肥料をまく機械(プランター)で、作物をつくるスジ道をつけます。
4.移植する: 育苗ハウスで作った苗(約50日育成)を一本づつ機械で植えつけます。
5.補植する: 欠株がないかを人が歩いてチェック。一本づつ植えていきます。

と簡単な工程なのですが、苗は水を含むと一冊60kg近くなるため重い!
10日もやると指が千切れると大げさに思ってしまう。
この時期に、いもの種まきも始まるんですよ。

作業写真で振りかってみましょう!
1.畑の深耕 深さ50cmぐらいまで爪がグサっと入ります。
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2.整地 パワーハローと呼ばれる機械で土をほぐしていきます。深耕がはいると不思議!細かく土がほぐれやすく整地は一回で済ませてます。大きなトラクターがうなり声?を上げて作業。
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ね、左側が整地をしたところ。機械は横に爪がグリングリンっと回転し撹拌するように細土にしていきます。一般的には、家庭菜園なんかでつかわれるのは縦式回転のものです。
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3.畝(うね)をつくる。プランターと呼ばれるもので、先に肥料をまいて移植機の道筋をつけます。右にでているのがマーカーで線を畑に線をつけるもの。これ重要なんですよ!簡単に言えば、定規なしに白紙に上手に線がひけませんよね。
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4.移植。あの種から育っていった苗達が一人立ちしていく瞬間。一まとまりのポットを機械が上手に植えていきます。
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時速はなんと2.8km/hr! ha・は・早い!・・・。
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機械の上では、作業するおばさん達が汗だくになりながポットをバラしてテーブルにならべていくんです。ベテランじゃなきゃ、このスピードについていけない!
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途中休憩。機械も人も一休み。ふ~っと農大のバイト生も和気藹々、大家族スペシャル?のようにおしゃべり&tea time。
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プリッとした、独り立ちしたビートの苗が凛としだしました。!
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作業は甘くないけど、秋にはあま~いビートになれよ~!!!


2008年05月12日

カラスの口

これなんですか?通称”カラスの口”です。本名はわかりません。
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何に使うのか?ビートの苗の補植に使うのです。

補植って何?移植した苗が植わさってないところや、苗が弱って枯れているところに、人間が一本一本植えなおすこと。それが補植なんです。作業はこんな感じ。
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時間も労力もかかりますが、最後は目視による、”人の目”。どの仕事でも結局のところ”人”ありきです。

ちなみに、同時進行でカルチ(機械名)というのをビートの畝(作物のライン)の間に施工します。
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機械中央部の深耕爪で、畑の排水性の向上と地温上昇の効果を狙っています。これを掛けた後に雨があって、地温が上がるとビートはグンっと大きくなるんです。機械後部にはゴロクラッシャーというカゴがついていて、これがクルクル回転することにより、固まった土を砕いていきます。
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2008年06月09日

ビートは順調ですよ

え~ビートですが、元気にしてます。

移植してから彼此、一ヶ月経ちますね~どうなったでしょうか?
5月28日の写真 お~
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同じく6月8日の写真 お~お~(なにが?)
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5月31日に除草剤をかけました。ここで面白いのが、この効果。実はビートはアカザ科なのですが、雑草にも代表的なのが、シロザ・アカザで同科にもかかわらず、ビートには薬剤効果はでないんです。不思議でしょ?

雑草退治で一番需要なのはタイミング。初めは可愛く見える雑草の子葉も、ホオッておくとそれはそれは強大な手ごわいヤツになります。農家にとっては恐怖であり、共存しなくてならない植物なんです。今度、畑の雑草を紹介します。

それより、雑草の定義ってしってます?

雑草とは:人間の生活範囲に、人間の意図に反して繁殖する植物のことである。

合ってます、この説明!育つじゃなくて、繁殖というニュアンスがグーですね。でも雑草から言わせれば、”雑草の生活範囲に、雑草の意図に反して種を絶やそうとするわる~い動物のことである。”なんて辞書にかかれてるかも?

2008年08月04日

甘くなれ~ビート君

ビートのお話をしないと、甘くならないような気がしてしまう今日この頃、お元気ですかビート君たち?ご無沙汰しております、ごめんね。
デッカイほうれん草?と間違われることもありますが、実はビートは、ほうれん草と同じアカザ科に属する植物なんですって。6月29日の様子。葉っぱが展開期ともあり、次々に葉っぱがでてきてます。この頃畝が塞がる間じかで、塞がると雑草の抑制にもなります。
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下は7月29日、根の部分徐々に大きくなっており、根重肥大期にはいっています。糖分を貯めるよりは、体つくりの時期でしょうか。
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この頃になると、病気(根腐れ病、かっぱん病など)の防除を10日とか2週間おきに4回ぐらい続けるのです。なんでかって?かっぱん病に著しくなってしまうと、収量が伸びないのと、甘くならないビートになってしまうからなんです。生産者はビートの重量とその糖分によって、売り上げが決まるため、できるだけ大きくて甘~いのがつくりたいんです。それに虫食いも発生します。カメノコハムシ、カナブン、ヨトウ虫(蛾の幼虫)。ヨトウ虫は漢字では夜盗虫といって、日中は土の中や、中心部の葉っぱに隠れ、夕暮れ日も落ちる頃にでてきて食害をするんですよ~。”♪む~しゃ、む~しゃ、しあわせぇ~♪とかいってんだろうな奴ら。
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2008年11月25日

ビートくん、甘くなったかな~?

ビートの収穫がありました。今年の収穫物は完了です、パチパチ。

今年は大きく二回に分けて出荷しています。
1回目は10月16日から24日までを1回目の掘り取り。2回目は11月4日から13日までかかりました。

ところで、ビートは何になるかご存知ですよね?Sugar beet(シュガービート)というだけあって、お砂糖(グラニュウ糖)になるんです。収穫どうしたかって、こうしたんです・・・↓

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写真は10月24日の写真。ビートの大根部分が土から盛りあがっています。この品種は直根系の品種。分枝根みたいな品種もあります。まだこの頃、10月終わりくらいまでは、葉っぱも生き生きとしていて、立っています。11月にはいり、霜に何度もあたるようになると、段々葉っぱもしなびてきて、垂れた状態になっていきます。
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27cmの靴と比較。計ったことはないですけど、きっと2~3kgくらいあります。葉っぱは砂糖にはなりません。ですので、畑の有機物として還元されます。

ビート収穫のポイント
掘り取り時期は?:”基準は甘くなってから?!”ということですが、精糖会社が事前にこの地区の畑はいつからいつまでと指定します。それに合わせて農家の人は収穫するんです。

甘さの秘訣は?:基本的には寒暖の差があるほうが甘くなる傾向があります。”寒くなる”といっても霜が降りるくらいですから3℃以下ぐらいになることでしょうか。10月中旬時点では、大体霜も降りてきています。
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ビートの葉っぱをきった状態の写真。りんごのように、糖蜜が中心からにじみでています。この蜜自体が甘いと糖分もあり、重量もあるビートになります。舐めるともちろん、甘にがい感じがします。
甘さの目安は?:糖度~%とでるのですが、農家は出荷するまで自分のビートがどのくらいか、わかりません。ただ、大きいもの(人の顔くらい)でも、水ふくれしているようなビートは糖分があまりないビート。逆に同じ大きさでも糖分の高いものは重く、少々トラクターがふんずけても、割れたりしません。これを目安に”今年は糖分あるみたいだな~、ただの水(ふくれ)ビートだな~”とか思って収穫するんです。

次回、機械収穫の模様をお送りします。

2008年11月26日

てん菜糖を掘る天才機械

砂糖の原料、ビートを掘る機械=ビート・ハーベスターなんです。

国内では、北海道でしか作付けされていないてん菜糖ですから、機械も特殊なものになってます。
手順は
1.ビートの葉っぱを切る(大根部分しか糖分がないから)
2.掘る(とにかく拾いあつめます)
3.土場にパイル。(掘ったビートを山のように集積します)
4.シートをかけて保存。(朝晩の凍結で、劣化が激しくなるのを防ぐため)

1.の葉っぱを切るですが、うちでは”タッパー”というナイフつきのはっぱを切る機械が収穫機についているものを使っています。トラクターは2本の畝をまたぐので、2列分処理が可能です。
1列は”タッパー”で葉っぱを切る。もう一列は葉っぱの切られたビートを収穫するようになっています。
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写真の手前の鉄の車輪(フィラーホイール)+40cmくらいのナイフが下部にあって、葉っぱを押さえはさむようなかたちで、ナイフで葉っぱを切り落としていきます。それからもう一列を掘っていくことになります。写真は”口開け”という作業で、一番最初に機械が入るさいは、掘り取り口の前に”クリーナー”というゴムべらが高速で回っていて、これで葉っぱを叩き散らしながら収穫します。
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左から掘り取られた列、タッパーで切られた列、無処理の列。

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トラクターに牽引されるビートハーベスター。タンクに掘り取られたビートが入ります。一回におよそ6tほどのビートが詰まります。”ピタROW(うね)くん”とありますけど、掘り取り口にセンサーがついていて、ビートのうねをついづいしながら収穫できるんです。”ピタっとうねに合う”=”ビートがこぼれない”=”運転手は前を見て収穫するだけ”=”人間・疲れなくて、収穫・早い”といったところからついたネーミングだそうです。北海道のビート収穫機ではNo.1の信頼度、毎年機械の試験をさせてもらっていますが、ここの㈱日農機という会社”スゴイっ、気合はいった技術スタッフ!”150mはある畑を何度も何度もビデオを取りながら走り回っているんです。冬だというのに午前中には”汗だく”。この会社がなかったら、北海道のビートは衰退していたかもしれません。日本にはこういう熱い機械メーカーいっぱいありますよね!
あっ、うね(話)ズレマシタ。

それから、3の土場でビートの山(パイル)を集積をします。
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最後に凍らないようにシートをかぶせて、風に飛ばされないよう重り(土のう、廃タイヤ)をのせます。この時期の北風や西風は半端でないときがあります。幅10m分のシートに覆われています。
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近くによると、なんとも土に混じった甘~い匂い(香りという表現は難しい感じ)がしてきます。今年は、カッパン病という恐ろしい(収量・糖分ともに低下)病気はほとんど見られない感じ。どれだけ、甘くなりましたかね~。

2008年11月28日

ビート(お砂糖)はやっぱり、”ほのぼの印”です。

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しゃぶっ!しゃむいです!11月の上旬ともなると、朝は-4~6度。自然界は霜から凍結状態にはいります。当然、葉っぱも凍りついているわけですから、足で踏むだけで茎が折れたり、葉っぱもチリチリになります。大体、9~10時ころになると、葉っぱに水滴がつき、この時期になると葉っぱもしなびて、ナイフでも切りずらくなるのです。

だから6時から9時までの、土壌表面にうっすらと凍った土があるときが一番スムーズに収穫機が動くんです。”寒い”の言ってられません。時間との勝負。土場に集積するのに、ダンプやらショベルやら総動員しながらやるんです。
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トラクターも”さび~なオイ”という感じ。20~30分ほど、暖気をしてから今日も発進です。写真は11月1日です。

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葉っぱも朝のうちは、凍ってキラキラしてます。朝は爽快なシャキッとした空気。この空気をいっぱいにすったビート、甘くなっているはず。
ちなみに、マイナーなのかもしれませんが、十勝・本別町には北海道精糖株式会社(通称:北糖)の工場があります。グラニュウ糖のブランド名は”ほのぼの君”です。

 ご使用よろしくお願いしま~す!
 


2008年12月15日

甘~い運搬作業

12月12日にビート貯蔵分の出荷となり、うち畑から全ての農産物がなくなりました。パチパチ。
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10tダンプが何十台も行き来をするので、畑が硬くなり痛むのでここの業者さんは、鉄板をひいて作業してくれました。珍しい取り計らい、ありがたいですね~。

前回お話したとおり、ビートは製糖工場の収容能力にも関係あり、農家貯蔵というのがあります。
今回、本別町の精糖工場(北海道糖業㈱)に近いビートの山が運びだされることになりました。前日11日結構な雪が降ったため、ビートパイル(ビートの山のこと)のシートの片付けは雪の重さと凍結で難航しました。結構強い、ビニールシートも凍結には勝てません。たまに、引っ張り方とかを間違うと、凍りついた部分が破けてしまうほど。自然の力は凄いです。

ということで、子供達二人を連れて運搬現場にレッツゴーとなりました。
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”おどうさん、デッカイの見つけた~””うぉ~”と持ち上げる娘。
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”これ、たいちゃんのだってば~ダメ~!”となんだかようわからんチビ助。

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最後にこれなんでしょう?これは、”遊離土”といって、製糖会社で運搬車からビートといっしょにでてきた副産物です。といっても、土砂や石、ビートの切れ端や葉っぱなどです。土砂はビートに付着していたものも多く含まれるため、肥料養分の高いものになっています。最後はこの遊離土を畑にちりばめ、畑の一部と還るのです。

2009年03月07日

今年も始動!ビートポット!

2月28日から、ビート(砂糖ダイコン)のポットつくりがはじまりました。
そうです、今シーズンも開幕なんです。

ビートって何?という方に。ビート=お砂糖(グラニュウ糖)です。産地は北海道全域。日本の砂糖は沖縄のサトウキビと北海道のビートしか事実上ありません。

さて、まだ3月上旬。畑はまだ一面雪の大地なわけで・・・。ビートは主に2種類の撒き方があって、1つは移植すること、もう一つは直幡といって、種をそのまま畑にまくことです。もちろん、この時期、雪の上から種をまく直幡の方はいません。つまり、生育日数(50日程度)たって、ある程度大きくなった苗を植える作業が移植作業なんです。その工程をみてみますと・・・

1.ポット(苗床となる紙筒)に土(肥料入り)をいれます。
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2.種を播きます。土は蜂の巣上になっていて、およそ1cmの深さくらいのオオトツを作った中に種をまきます。穴があいたところに、種を落としていきます。
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種には、4~5品種くらいあって、私のいる管轄では白色と紺色の種をまけます。色の違いは精糖工場が違うんです。今年は、アゼンド、HT28、リッカーという3品種をまきました。それぞれ、根重のあるもの、糖分のあるもの、病気に強いものなど特性があります。
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3.覆土(土では種穴を埋め、温室ハウスに並べていきます)。
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一日、600~650冊くらい、6haぶんくらいはつくります。人がいないともしくは、機械的なラインがそろわないとできません。昔は全てマンパワー。土入れも、苗運びも移植も。途方にくれるような作業体系だったようです。

世の中の景気は全然、甘くないけど、農家のビートは甘いですよ!

是非、こころ安らぐひと時に。ちなみに、本別町に工場がある北海道糖業からは、”ほのぼの印”が代表です。

2009年03月10日

♪シャワアを浴びて~うぉうぉうぉうぉ♪

前回のビートの続きから。

2月28日から3月3日にビートの種を育苗ポットに作ってハウスになれべたあと。
うちには、育苗ハウスが2棟あり管理しています。

まず、土と種が慣れ親しませるというか落ち着かせるというか3,4日あけた3月5日に1棟目ハウスのビート苗に散水を開始。およそ40~45kgくらい(1ポット)6Lくらいの若干暖かい水をかけてました。
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それから8日に2度目の散布。すると・・・10日には子葉がプチンってでてきて
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次の11日に再度かるく散水してあげると、表土が柔らかくなって皆いっせいに発芽してきました~!
”あぁ~良かった~”と一安心。でてくるまで心配しちゃいますし、ムラなく発芽しないと後の管理が大変になるので、初期は気がぬけません。立枯病の防除もしたり。
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今日は最高気温が8℃越え!ハウス中は30度はあり、常夏+梅雨(散水のため)のような湿気を楽しめました。しかし、ビートたちも気持ちエエわ~♪シャワアを浴びて~うぉうぉうぉうぉ♪とか歌っているようでしたよ。”もしかしたらこのビートたち、この世代でないかもしれから、しらんかな~この歌”と思いながら・・・。
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ちなみに、マイナスになる夜は暖房(サーモつきで初期は5~7度に設定)とお布団がわりにビニールシートをかぶせんるんです。暖房はお金かかりますね~。その分、太陽さんからの温室効果が必要になります。

今年3月上旬の天気は温かく、日中は平気でプラスの気温。4~6℃とか。でも朝晩はちゃんとマイナス6~8℃とかになります。

2009年05月13日

畑はスイートファクトリー ビート移植

甜菜糖って使ってくれてますよね?グラニュー糖とか?
よく横浜の東急バスとかにのったら、”お砂糖は太陽がくれた天然甘味料”とかのチラシとか北海道ではおなじみのラジオCMとか流れてます。
日本では2箇所がその生産地。沖縄のサトウキビに北海道は甜菜です。
そういえば、横浜って砂糖のふるさととか書いてある倉庫あったな~、どうしてだべか?どっかから舶来物の砂糖が伝わったのが横浜だったのかな?

あの3月上旬に種をまいたポット苗はやや50日も過ぎて移植されることとなりました。畑デビューです、パチパチ。作業は4月30日から5月9日までびっちりでした。天気良すぎじゃないか?と途中思いましたけど。
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ペーパーポットといって、紙のポットなのですが最後は溶けてというか、土に分解されてなくなります。ポットの下には苗の根がびっちりはえることとなり、こうして側面に土がついていたりすると余計に紙筒を突き破ってなんとか根が土につこうと頑張るのです。

畑に移植するといっても、種でまくわけでないので重労働作業となりますし。ただ移植すればよいわけでないのです。まずは整地から、今年は3タイプの機械を使って整地することになりました。パワーハロー・スプリングハロー・ロータリーです。理由?機械が途中壊れていったのです・・・トホホホ。
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パワハローは初日の整地でクラッチ盤をやってしまい、スプリングハローといってS字型の爪が何本もついたもので土を撹拌するように整地していきます。2回かけたり、時にひどいところは3回もかけたり。今年の畑はどこも石がスゴイ!
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二時間でこれだけたまって、その前の週だってアルバイトの学生といっしょに手拾いしたのに・・・。着実に取れば減る。とは思いつつも毎年恒例の作業です。

それから窒素肥料の約7割を前面に散布して、プランターという肥料を筋上にまくきかいで、畝の筋をつけていきます。大体の農家さんが4本づつ畝を機械でつけていきます。それから移植機が筋上に苗を一本一本うえていくのです。うちのは、ポット一冊をまるまる使うタイプで、その一冊を専用の爪のついた針ではがしながら機械のテーブルに並べていきます。
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上記写真は、この道25年のベテランの援農さんが順序よくポットを機械のテーブルにならべます。
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二人で4列ですから、ポットは途中で半分半分に振り分けられるんです。
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機械の構造はシンプルですが、実に良くできています。相手は紙筒にはいった土ですから、いたるところにスポンジやゴムの柔らかい素材がつかわれています。最後にうちでは鎮圧ローラーといって苗の浮きを押さえ込みます。特に春先の土が乾いた状態では、そのほうが根のつきが良い感じをうけるからです。鎮圧するのは苗の首が折れるなどで嫌う人もいるようですし、土壌水分が高いときは不向きです。

それからそれから、今年はすかさず深耕カルチを入れてみました。ほぼ移植と同時に終了。毎年移植後2週間くらいの間にやっていましたが、より空気や雨水がはいることでスタートダッシュが良くなればと試してみました。
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移植作業は苗とりや、補植といって人が歩いて、苗の抜けや元気のないものと交換移植する作業があり、うちは大人数あつめてヤンヤカンヤと作業です。休憩は世間話。
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さぁ、今年も甘くなりな!!ビートたちよ~。

2009年05月30日

ビートの春風ビュービュー被害

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4月9日から移植したビート、その後順調に育ってます!
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ほらこんなに元気です!
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あれ、元気ないどころか枯れてる!!!しかも最近になっての感じ。5月27日の写真。
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ポットを抜いてみてみると、根っこは残ってました。根きり虫?立ち枯れ病?なんだ?霜?はきてなかったし。はてな?なんだべ?
今年2009年春先を代表する天気は風。近年、干ばつ気味で春は推移していますが、それどころか風が強く、しかも毎日のように早朝から平気で吹くというのが今年の特徴なんです。
5月7日はあまりの風に、移植作業をSTOPしたほど。前も見えなきゃ、後ろも見えない。苗はぶっ飛ぶ、そのコンテナもとぶ。それから、さらに20日間。雨が降っても、もともと乾いたところに風がふくもんだから、一日で畑は乾いてしまっています。
 上記の苗は、5月25日には低気圧の影響で猛烈な風が吹き荒れ、苗が巻かれてポットから苗の首だけがスクリューのように巻かれてちょん切られたと考えられます。この日の十勝はすごい。どこもかしも、土埃だらけ。もちろんそのほとんどが、畑の表土が飛ばされたもので、町が見えないくらいの凄さでした。過去最高でないかな。
 結構なビートの畑が影響をうけたようで、直幡(種をそのまま畑にまくこと)のものは、干ばつなのと同時に、根こそぎ風にもっていかれたり、風でとんできた土にたたかれ枯死したりと、種の播き直しがあったほどです。

 今年は土壌処理(除草剤で土表面に層をつくること)も難しい選択になりそう。4時に畑でてもあさからビュービューいってますから。せっかく早起きしてるのに~という理由は今度話します。

2009年10月27日

美人(ビート)の収穫

勝手に当て字を作ってしまいましたが、ビートは美人(ビート)のごとく甘いのです。
どのくらいかというと17%以上。
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今年もそのビートの収穫が始まりました。
まず、収穫前に各市町村を担当する製糖会社から運搬日時とダンプの大数の確認表が前段で回ってきます。本別町のビートは、本町にある”北海道糖業株式会社”が管轄。うちも今回は5回に分けて畑からビートを運んでもらいます。
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一面緑にそまったビート畑ですが、収穫するのは葉っぱじゃなくて地株の大根のほう。
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うちでは二度手間になるのですが、一度リーフチョッパーと呼ばれる機械で、葉っぱの上部をチョップして畑に散らかします。理由は二つ。一つはそのあとの機械の作業の効率化。もう一つは葉っぱの分解の促進です。
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それからビートハーベスタという専用の収穫期が、ビートを一列ごとに収穫、尚且つタッピングといって、ビートの残りの上部の葉っぱを切っていきます。切ったところを収穫するのです。
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切られたビートの列はこんな感じ。
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ビートの中心部のほうが糖度があり、蜜状のものが見えたりします。
血糖値が低ければ、畑で対応できるかも?
余談ですが、畑の淵などのビートはよくネズミにかじられていて、絶対糖尿病か虫歯が彼らの中で大流行してるんじゃないかと思うわけです。
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中には腐れているビートもあります。今年は例年にない大雨の影響で、根が伸びず葉が黄化したものが多く、たいていそういう場所のビートはチョイ腐れが入っていました。畑全体を良くするってほんとに難しいなって感じたとしです。全作物にいえますが・・・
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10月中旬にもなると、夕日は4時過ぎくらいには沈み5時には真っ暗。日中も太陽が低いため、影の伸びが夏より大きく感じます。

今年の収穫ももうちょっと。ですが、来年に向けた畑を準備しなくては。今年の大雨、来年にも響きそうです。


2009年12月02日

ここだからできる本物ビート糖

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ビートは収穫したあとどうなるのか?砂糖になるんです、ハイ。
では、どうやってできるのか?はてな~?そういややったことないな~ということで、砂糖をとってみようとJA本別の青年部(本別支部)のメンバーで、つくってみました。ある目的もあって。

最初に、ビートをよく洗います。
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それから皮むき器で、表面の皮をむいてから、ミキサーにかけられるくたらいの形にきります。
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ミキサーで粉砕して、お湯の中にいれます。ここで重要なのは、お湯をはりすぎないこと。あとで蒸発させてビート糖をとりだすので、成分の濃縮度を高めるためにも、お湯は若干すくなめのほうがベター。
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それから70度くらいで、1時間近く煮出して、糖分を抽出します。
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ビートをさらしにさらって、糖成分のたまったお湯をさらに沸騰させて、水分を蒸発させていきます。この時に、最初の水の量が多い糖蜜を取り出すまでにかなりの時間がかかります。また、さらしに越すときは、なるべくしぼらないほうが、良いようで苦み成分が余計にでてしまうみたいです。たしかに、二回やりましたが、一回目は思いっきりしぼったので、苦味がつよかった気がします。
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沸騰させながら、こまめに灰汁取り作業。2.5時間かかってようやく糖蜜がとれたのです。
この作業、商業ベースじゃなきゃいけない気がしました。
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お味のほうはというと・・・見た目も、ミネラル(不純物を含む)がたっぷりはいっているので、黒蜜のようなかんじ。もちろん、それはもう、甘~いのですが、ほんのり雑味のあるビターなかんじの大人の砂糖といった感じ。
”我々農家の汗と糖の結晶”がここにできあがりました!パチパチ。
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初めてつくってみましたが、作業は簡単、時間は結構かかります(特に蒸発作業)。少量づつやるのがお勧めです。
原料のあるここでしかできない、贅沢なお砂糖の原型のできあがりでした。

2010年03月10日

12105人分のお砂糖の種まき

すみません。すごくご無沙汰してしまいました。
2月上旬にPCが壊れて、ブログのIDをそのまま紛失。
どうしていいのやらと時ばかりすぎて、2,3月と仕事準備や会議でいっぱい、いっぱい。
してました~。気を改めてやってきます。

 今年もこの時期があっという間に来てしまいました。そうです、ビートの種まき期です。
うちは十勝でもは種はトップバッターの部類だと思いますが、2月27日から3月2日までの4日間。
22haくらいのビート畑の苗を準備しました~ぱちぱち。

 工程をおさらいしましょうか?
1.”土いれ”一昨年より買土を使っています。これには肥料やpHのあらかじめととのったものを使用。ここまでは昔から自前でもやっていましたが、バーク(針葉樹のチップを利用した)堆肥といったものが混ざっています。これにより、土中に空気も含まれやすく、土オンリーよりもポットが軽くなります。1tパックで仕入れて秋口からハウス内で保管します。注:凍らすと大変な騒ぎになります。
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2.その土を篩でふるってあげて、土の粒度を整えます。
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3.土を紙ポットにいれます。うちには、もう30年以上も前につかっていたモーター(しかも100w)で2機の土つめ機(通称:ドン突き)でポットに土を入れます。目詰まりしやすいので、ドンっ!ドンっ!て突くようなかたちで土を筒にいれていくんです。注:このときの土水分は重要で、濡れ過ぎず乾き過ぎず。
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4.紙ポットはどうなってるのか?これが面白いことに、アコーディオンのようにびよ~んと伸びるんです。伸ばすとそこには、蜂の巣状(ハニカム構造)になった1400個もの穴が誕生し、突起板といって同じ数1400個だけの突起(高さ1cmくらい)の板に紙つつをはめ込みます。
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最初はこんなに平べったい。
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”びよ~ん”とのばして
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突起板にセット完了

5.それに3の工程の土を上からいれ、筒に満タンの土がはいったら別な鉄板をポットにのせ、機械で転地返しにします。逆さになった突起板を取り外すと1cmくらいの深さの穴があいているしくみ。
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鉄板をのせて、反転機に移すところ
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6.種おとし作業は、専用のプラスチック種板をつかって熟練のおばさんがいれていきます。一回に半冊分の700個の種をいれます。注:この作業をとちると大変な作業量になり、どうしても慣れた人にやってもらいたくなるのです。
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7.種が一個づつ入っているかを要チェック!ピンセットで2個はいった種とか、ないところとかに種を入れていきます。”どう、ちゃんと卵(たねのこと)入ってる???”
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8.覆土(ふくど)といって、種のふたとなる土(殺菌剤を混ぜたもの)で種床を覆います。
 農大のおにいさん、おねえさんも手伝いにきてくれて、うちの子供たちも応援(じゃま)にきてます。
 ”どろんこ遊びっておもしろいよね~~~”とかいって。
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9.完成したビートポットを運搬機でハウスの中に並べていきます。この際も散水機が十分にあたるように左右均等にならべます。それから通称”パオパオ”と意味不明な?被覆シートを全体にひいて完了です。
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娘はすっかり理屈がわかってきて、保温+ラインとりの役目の発砲スチロール並べに参戦

10.最初の水浴びまで、3,4日間、土になじませるためにおいておきます。
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昨年(平成21年度)は、1290t(原料)のビートが出荷されました。糖分17.8%で粗糖量がおおよそ230t生産できました。現在の日本人の砂糖一人あたりの消費量は19kg(昭和50当初は25kg近くだったようです)。だとすると、12105人分のお砂糖(粗糖計算だから厳密じゃないけど)を供給できたと思うと、うちってスゲェと思うか、まだ1万人弱しか砂糖を供給できないとかんがえるか?

砂糖も関税作物でいろんな制度にさらされ、守られてるなかの作付けとなりました。
今年も甘くて大きいビートになれよ~~~!

2010年03月11日

ヤバ霜と発芽

前回の続きですが、ビートを3,4日土に落ち着かせたら、発芽してもらわないと困ります。

そんな時は散水するのみです。糖業会社の指導もありますが、10L/ポットの量の水をかけます。うちはひとつのハウスに600冊近くポットがならんでいるので、600冊*10L=6,000Lの水が必要になります。
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自動散水機といって、ハウスエンドまでいくと、センサーを反応させて往復させます。

水は3000Lのタンクしかないので、2日に分けてやります。こちらのほうが、一気に水をすえないので1~2日あけたほうが水の浸透性は良い感じです。
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それから、青いポールはプラスチックの棒で弾力性にとんていて
下の写真の保温シートをかけ、トンネルをつくります。ハウス全体に暖房のダクトを這わして暖かい空気の循環とトンネルをつくることにより、より均一な発芽にします。
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あとは、極端な高温、低温に気をつけて発芽をまちます。
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すると、3日後くらいには”ニュっ”と、第一陣目の発芽がみられます。
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その日に夕方には、チラホラと発芽が見えてきます。
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しかし、ここで大事件?発生!!それは8日の夜のこと暖房機具のコンセントをつけ間違え、零下18度のなかに・・・・。しかも9日早朝に限って、寒いのなんのって。朝、”おはようござま~す!”とハウスに入った瞬間そのピーンと張り詰めた朝の冷気に冷や汗がはしります。ヤバイ・・・。
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保温シートを恐る恐るめくると、発芽したてのビートが一部褐色している、ガビーン!やっちまったと思いましたが、この時点では判断つかず、とにかく急激な温度変化だけはさけようと温風器の風とちょこっとだけシートのすそを空けて空気循環させました。
上の写真は、霜害(軽微)のもの。保温シート1枚あったのが助かりました。それとまだ寒さの入りやすい外周のポットは芽がでていなかったのも良かったです。”注意を怠るな!!”との神からのイエローカードをもらったんだと思います。
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一番冷気がはいってくるところは、氷がはっていました。霜を超えて凍ってますので、発芽してたらアウトは間違いなかったと思います。今年の反省、早くも1。
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11日には95%生えそろいました。霜害からの枯れもなく一安心。
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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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