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小麦 アーカイブ

2008年02月02日

畑は真っ白!

トカチの畑はまっしろです。
昨年から3回の雪で、いっきに雪化粧中です。

といっても、雪は悪いことないんです。特に冬眠中の小麦たちには。
雪がふわっとのっているうちは、保温状態になるため、越冬しやすい環境です。

うちの町は十勝でも比較的雪が少なく、どちらかというと気温が寒いところ。
雪がなかなか降らない場合でも、11月上旬から大地がシバれはじめます。
11月下旬には完全に機会作業ができない状態に。逆にその大地のシバレ作用をりようして、
畑でのビートの積み込みや運送は、しやすくなります。

去年19年度産生産の小麦は、冬眠中の12月と1月に季節大ハズレの雨が2度ふり、
畑は一面、分厚いスケートリンク状態に。地表土が凍りついた場所は、小麦が呼吸で
きずに窒息死してしまう結果になったのです。まだ、春先ならまだしも、冬ですよ冬!
”雪でお願いします”と曇り空になると祈ってしまう平成20年度です。

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雪の下で、すやすやと夢をみてるんですかね~


2008年03月09日

お~い元気か、小麦たち!?

朝の気温は-9℃、日中は+4℃近くまでなるこの頃。

雪解けは日中一気にすすみ、小麦たちが顔を出し始めました。

まだ、凍っている状態で葉がちじこまっている状態。ちょっと雪解け早すぎ?と

感じているのか?雪の布団にもう少しかぶっていたい・・・そんな感じなのでしょうか。

写真1 家前のキタノカオリ 雪解けの水たまりが気になる~(注:水道は作ってあります)
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写真2 ハルヨコイの畑。どこ、麦は?と思いでしょうが、去年11月22日に土が半凍りの中、播きましたので土の中です。まだ発芽してない模様。”初冬まき技術”といって札幌周辺や道央中心の土の凍結があまりない地帯での技術です。なんと北海道の春まき小麦の約4割がこの初冬まき(H19年度9だそうです。家では初めての試み。うまくいくか検討ついてません。
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あまり雪のコタツでいつまでもいると、雪腐病なんかにかかってしまうので、他の豪雪地帯では

融雪材(黒色つきの炭酸カルシウム)などをまいて雪を溶かしたりしてます。

2008年03月10日

肉を削って骨を絶つ!土を削って水を絶つ!

ここ2,3日、暖かいのです。なんと10℃越え!

キタノカオリの圃場はひくみがあるため、雪解け水がたまります。

水が少しで動いているうちは、小麦は窒息死しないんです。

去年(平成19年)、史上初?となる12月と1月に雨という最悪な状況で畑がアイスリンク状態に。

案の定、多くの畑(うちの町周辺含め)の小麦が酸素不足で枯れてしまいました。

家の社長(父)が、緊急用水路をつくってます。きっと水の流れがあるから大丈夫でしょう!
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水路になった麦たちよ、すまん・・・。

少々の犠牲はやも得ない、自然界の掟はもっともっと過酷で厳しいです。


2008年03月19日

初雨

今年最初の雨、それは3月14日の夕暮れからやってきた。

しとしとと、やさしく。冷たい雨。

15日の昼には快晴となり、気温も10℃まであがった。

この雨、十勝では非常に重要なんです。土壌の凍結が30cmも40cmも深く刺さりこんでいるため、

晴天の日が続くだけでは、なかなか凍結が抜けない=麦の根も養分を吸いに動き出せない。

ゆっくりと、しとしと、ふる雨は正に天の恵み、春の呼び覚まし声みたいなものなんです。

従来の年よりも、2週間以上は”天気がはやい”感じがしていますが、土の寒さが和らぐ上では結構でしょう!
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山も春の訪れを感じてます!ネコヤナギの写真
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2008年03月29日

Back to snow

あ~あ、降ってしまった、雪、雪。

まだ、3月の下旬ということも考えれば、そんなに深刻な事態ではないのだけれども・・・。

大地はすっかり雪に覆われ、真っ白。十勝の農家はこの頃、”雪じゃなくて雨にして!”と

いつもどうり?! の勝手な神頼みをするのです。雨は畑に浸み込みで、凍結を溶かす理由と

水分があったほうが、地温が暖まってくるんです。
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お昼頃にはすっかり溶けましたよ~。

春小麦の品種 ”春よ恋” は今年いつ種まきできるのかな? 春よ来~い!!!

2008年04月04日

硝酸帯Nってなんだ?

突然ですが、硝酸帯N(窒素)を調べてるんです。
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取った土は、乾かして分析にかけて、数値をだします。

小麦の追肥(ツイヒ)といって肥料を分けてやることで、種まきと同時にあげる肥料のことを

基肥(キヒ・モトゴエ)といい、秋播き小麦(ホクシン・キタノカオリなど)は去年の9月下旬ごろにあげています。

今回は春先の補肥を小麦にあげるのに、果たしてどのくらい土に残存硝酸帯窒素量(小麦の収穫までに吸収できる窒素量)があるのかを調べて、目標収量を確保するのに必要な肥料量をだしてみようということで、JA青年部の仲間と勉強会。

農業改良普及所の方々、”農家の困った~?”という質問や疑問に答え、各種試験栽培を農家さんと共に行い、作況調査などを行っています。簡単な作況調査の仕方の説明を受けてます。
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また窒素ですが、植物の葉・茎の発育を促進する栄養素で、小麦には重要なタンパク源です。硝酸帯とは作物の根から吸収される窒素が変化した形のもの。農家の人は”どの種類の窒素肥料を、いつ、どのくらいやるのか”を畑を見ながら決めています。畑がある程度乾いたら、多くのトラクターがウナリ?をあげて肥料をまき始めます。

2008年04月05日

泥だらけの小麦調査

子供達と小麦を見に行った。
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3月下旬。雪は以前からないのだが、気温はそう簡単に上がらない。

畑も長靴じゃないとこのとうり!
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ぬかって、ぬかって息子のミッキーの長靴が脱げにぬげ、油断すると靴下で泥だらけになって歩いている!じゃないかよ~!”こらっ~”って最初からわかって連れて行っているようなものなんだけど。子供はよごすのが商売だから、いいか!

あっ何しにきたんだっけっと畑で思う。そうだ小麦、コムギ。う~ん、元気そう。

2008年04月18日

春よ恋、まきました!

春まき小麦”春よ恋”のは種作業がやっと始まった。

”やっと”といっても、平成19年が4月21日、22日にかけてだから例年より若干早い。

”やっと”の意味は例年よりも、雪解けが早かったものの、土壌の凍結により畑に入れない日々が続いたからで、”まだかな~”と指をくわえて畑を眺めていたからである。

秋播き小麦(ホクシン、キタノカオリなど)が昨年の9月下旬に種まきをして、8月上旬には収穫するのを考えれば、春まき小麦は4月上中旬に播種、収穫も8月お盆過ぎあたりなのを考えると、6ヶ月近くの生育日数の違いがある。

ホクシン・キタノカオリなどの秋まき小麦は冬季は、休眠しているのでそのまま6ヶ月の活動とはいえないが、やはり春小麦も生育日数の確保が絶対に必要。早期の種まきが重要なポイントなのです。

ということで、春小麦の播種工程ですが
1.肥料をまく。 畑一枚一枚に合わせて、土壌分析からえた必要な肥料をあげます。

2.土を暖める。大型の引っ掻き爪(深耕爪)で水はけ対策+空気を土中に入れるのを目的に施工します。
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深耕作業
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次の朝には、気温の上昇とともに、水蒸気が発生。土が息をしてます。

3.1 種の量のチェック。今年は自家採取の種と種子消毒(殺菌剤がついてます)された種を用意。
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自家採取の種
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種子消毒された種(一般のものと間違えないように色粉がわざとついています)

3.2整地し、種まきをする。今年は若干去年より少ない、播種量平均14kg/反で播いてみました。それでも全体で2800kgにもなるんですよ。機械は整地する(ハローといって土を攪拌します)+種まきがドッキングされたものを使ってます。
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昔は馬、今はトラクターと作業機械
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トラクターからはこんな感じの風景

4.鎮圧する。鉄車輪のついたもので、種を土に落ち着かせます。乾燥する年には特に重要です。


2008年04月21日

新品種 はるきらり 誕生!!!

春まき小麦”春よ恋”の後継者ではないのですが、新品種”はるきらり”をこの度播きました。

まず簡単な紹介なのですが、春小麦=春に種をまく小麦=タンパク含量が高い=製パン性が優れる
という感じです。ですが、今までの春小麦は、収穫時の雨天や曇天による、穂発芽(実が熟しているため穂から発芽してしまう。粉にできない、もしくは品質が著しく劣化する。)となります。

北海道の元祖春小麦”はるゆたか”はこの穂発芽が現場問題なんです。農家が作りづらい=病気や発芽しやすい。だから”幻”のように扱われるんです。今は初冬まき(雪の積もる直前にまく)技術が北海道の中央部ですすみ、ある程度はこれらの諸問題をカバーできるようになっています。

 はるゆたか⇒春よ恋⇒はるきらり と穂発芽に強く、日本独特の気候に対応したカビ汚染が少ない品種の改良が試験場で進められ、一般畑の試験栽培となりました。十勝では3戸の農家が栽培に挑戦。うち一戸がわが農場です。

 見た目は、春よ恋と比べると、若干大粒で丸みを帯びている感じ。試験場では少々茎丈が短いので播種量を気持ち多めにというアドバイスをもらったので、”春よ恋”14kg、”はるきらり”16kgで播いてみました。
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 ところが事件発生!去年の豆の収穫後のざんさ(茎と莢)とこれまた試験的に取り入れた機械の一部がミスマッチで、種のでるところが一部つまり、ムラになってしまった・・・。こりゃマズイということで、すぐに従来の機械の方式に部品を取り替えたのです。ふ~っ。

”はるきらり”、キラキラと輝く次世代のエースになることを願いつつ、多くの方に応援していただきたい品種です。誰がつけるんだろう?この名前?いいですよね!

2008年04月23日

麦は踏まれて強くなる!

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小麦をローラーで鎮圧している作業です。

トラクターで牽引された鉄の輪がいっぱいついたものを引っ張り、小麦をおさえています。これは冬場、凍結して盛り上がった土が、春先の地温の上昇とともに下がり、根が地表から浮いた状況になるため、おさえてやることによって、養分の吸収をしやすくする効果があります。

土地が乾燥している時しか基本的にできませんが、今年は雪の少なさと春先の少雨で土は乾燥ぎみ。次の雨があるまでに、しっかりと根を下ろせるようローラーを一部の畑に掛けてみました。

麦は踏まれて強くなる!昔の人も”麦踏み”といって太くて強い茎をつくるのに行ったそうです。

2008年04月28日

”ライコムギ”って知ってますか?

ライ小麦って何?って私が聞くものどうかと思いますが、実は今年初めて播いてみました。

国産ライ麦が稀少性があるのはわかりますが、それよりもなじみのないライ小麦はどうなのか?

ライ小麦とは・・・
ライ麦+小麦(属間雑種)=ライ小麦=ベタベタやん!

1998年の文献によると、世界のライコムギの栽培面積は約291万haで、主要国はポーランド、ロシア、ドイツ、フランス、アメリカなど。栄養価の高いことから青刈りで飼料作物として、食用としても、生産されている様子。

食用加工の特徴
1.グルテン含量が少ない。
2.ミネラル含量が高い。
3.アミラーゼ活性が高い。
4。独特の風味を持つ。

食べてみなければわからいですが、帯広市のあるパン屋さんでは最近まで、この粉を使ってライコムギパンを出していたそうです。オーナー様によると、ライムギでもない、コムギでもない、独特な甘い風味、香ばしさ、モチモチ感のあるパンができるそうで、ファンも多いようでした。

まづは栽培してみないと、どうにもならないと、早速ではないのですが種を手配。4月17日にまいてみました。秋播きなのか、春まきなのかもわからないまま・・・。防除や肥培管理は麦類に準じてやろうと思います。
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ピンクに色づけされているのは、種子消毒(殺菌剤)がほどこされてます。検疫上の問題と健全種子の確保のためと思われます。

種の見た目は”春よ恋”よりも粒が一回り大きく、両端がとがったもの。”う~ん、いけるかも”と種の見栄えで判断して、”青田褒めるな”ということわざがありますが、少々期待してます。

あとはどんな味がするのか楽しみです。どうなるのかワクワクっ!

2008年04月30日

”春よ恋” 発芽!

春まき小麦 春よ恋が発芽してきました!4月27日の写真。
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4月15日にまいた最初の圃場は、その後、良いお湿り(雨)をもらい、春の陽気と共にいっせいに発芽してきました。天空に向かってピィ~ンと背筋をのばしているような感じかな。言いすぎか・・・。しかし気持ち良さそう。

ちなみに、同日にとった違う畑。ホクシンと春よ恋がお隣どうしです。
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まだ春よ恋は発芽してきてませんが、もうあと数ミリのとこです。しかし、同じ小麦なのにこれだけの違いがあったも、収穫時期が2週間ほどしか変わらないというのは、作っていても不思議。春まき小麦は成長スピードが速いし(ただそう感じるだけなのか?)、急激にドンっと大きくなるからな~。

隣接しているので、今年はうまく観察できそうです。

2008年05月09日

♪ラ~イ・ラ~イ・ライコムギ!ラ・ラ・ラ・ライ!♪

5月7日、未知との遭遇”ライ小麦”が発芽です!しかも葉っぱ、1枚目から太!
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お隣の”春よ恋”が繊細な感じに見える。
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”ん~これは只ならぬヤツになるに違いない!”と確信はしてませんが、独り言、ブツブツっ。

種は過乾燥ぎみに感じていましたが、発芽率も良かったんじゃないかな。

あとはどうなるか?病気や品種特性は?お味は?”2008年未知との遭遇”を楽しみたい。

♪でっきるかな、でっきるかな?♪はてはてほほ~い!

エゾヤマザクラも応援してくれてます!!
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2008年05月21日

水もしたたる、エエ小麦

朝露にぬれた小麦、ホクシン。
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今年は雨がなんせ少ない。本州の露時期のような”今日も雨かよ?”ってことは滅多にありませんが、冬の雪不足から始まり、春にもまとまった雨は5月20日の雨のみ、ふっ~やっと降ったかという感じ。ビートも豆播きも土埃が舞い立つくらいの中の作業でした。

秋小麦は一部の圃場で、乾燥から根元に近い下の葉が黄色くなったり、マダラ状態もチラホラ。春小麦は生育は、播種直後から順調に推移している感じがしてます。収穫まで2ヶ月ちょっと。天気はあせらず、騒がずでいくしか方法ありません。

秋小麦は幼穂形成期といって、小麦の穂の赤ちゃんが、茎の中にできています。直系まだ4,5mmぐらいでしょうか。この時点で小麦の穂の形は決まり、後はどれだけ実を大きくしていくか、どれだけ整粒が穂の中にできるかにかかってます。

こちらは、”春よ恋”成長著しい感じはこの頃も感じられます。背丈はホクシンやキタノカオリよりも大きくなるんです。
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種明かし タネも仕掛けもあります?

平成20年度、前田農産の小麦の品種ラインナップでございます。
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上から
ホクシン:自社面積の約7割、北海道小麦の9割の主流品種、来年度より”キタホナミ”という品種へと徐々に代替わりしていく運命?にあります。

キタノカオリ:自社面積の約1割、秋播き小麦では現在のところ唯一の強力系(タンパク含量高い)。パンにすると黄色がかったものができる。登熟期の低温がアミロ値(粘性)を低下させるため、大量生産が難しい。しかも、2年前まで高い需要にもかかわらず、”粒の見た目”がごつごつして悪いという理由から、一等麦としての銘柄指定を受けていなかったため、栽培を敬遠する農家も多かった。現在は一等麦指定を受けています。

春よ恋:春播き小麦:幻の品種とささやかれている”ハルユタカ”の後継者。強力系でパンはふっくら、     モチモチ、5年前に十勝のパン屋さんにうちの春よ恋でひいたパンを食べて感動!美味しいの      で作ってます。キタノカオリ同様の栽培特性に加え、ハルユタカと同じ、穂発芽しやすいところ      がちょっといけてない?

はるきらり:”ハルユタカ⇒春よ恋⇒はるきらり”の流れ。上記、低アミロ、穂発芽、カビ(DON数値がありずらい)など、春小麦の集大成?と呼ばれる品種!今年、市場に実質デビュー。タンパクがやや低い(春よ恋比較)ということなので、栽培面でカバーできるか挑戦中。今年銘柄指定をうけ、実儒者の評価を待つ。”ハルキラリ、ほしい!!!!!”という実需の声がないと、農家は非常につくりづらくなり、”キラリ!”と輝かずになる運命も・・・。需要増=優良品種を産み=生産拡大=自給率の向上という構図。幻で終わらせてはならない品種です。応援よろしくお願いします!

スペルト小麦:通称、古代麦。小麦の原種とも言われ、普通小麦とは構造が違い、栄養上重要なふすまや胚芽が製粉工程の間で除去されることはないとのこと。鑑賞用にいただいたものを春まきか秋播きなのかもわからず庭に播いてあります。しかし、この皮半端でない、でかい、硬い、ぶ厚い。病気の進入も防げそう。でも皮から種を取るのはどうするんだろう?困ったな~。

ライ小麦:自社では栽培、品質、食味、価格?すべてが未知数。ライ麦*小麦を人工的に交雑させたもの。もちろん遺伝子組み換えのものじゃないです!文献によると、グルテン含量が少ない、ミネラル含量が高い、独特の甘い風味をもつということ。そうとうなモグリのかたでないと知らないと思うな。とにかく無事に収穫してみたい。種全部、撒いてしまってサンプルがありません。すみません。以下で確認してください。
http://www.food-sommelier.jp/prog/02/maeda/2008/04/post_25.html


    

2008年05月22日

♪グリーン、グリーン丘の上にはララ・小麦が萌え~る~♪

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♪グリーン、グリーン青空には、小麦がゆれ~る♪みたいな心地の良い日。

一週間ほど前の写真ですけど、”美瑛の丘”だけが丘じゃない。そこらじゅう、北海道にはきれいなところ、感じるところがあるんですよ。うちの畑だって、俺からみたら負けてない!傾斜角度は完全敗北だけど・・・。

”雨のち晴れ”って気分もすがすがしぃ~!小麦も”キタ~~~!!!”と光合成を喜んでます.

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こちらは裏庭のプルーンの木の花。甘すっぱ~い香りがなんともグ~なんですよ。こりゃ果樹園なんかいったら最高。においだけで、ジャムになった気分がするだろうな~っと。しかしながら、毎年、防除をしないせいか、虫の発生によりプルーン自体はほとんどたべていません。7年経つけど、一回しかまともなの食べてないな~。今年はどうかな?

2008年05月23日

スペルト小麦ってなんだ?!

妻がみつけてみた超レアもの小麦。スペルト小麦。って何ですか?

私もよく知りませんが、こういう偶然ってあるんですね~。その小麦の存在をしってから数日たって、種をある方からいただいたので庭先で鑑賞用と自家消費にむけてまいてみました。
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この品種初めて見たときは、”すげぇ、何だこれ?”と言わせるような姿。どこの国のものかもわかりませんが、古代麦ってこんなに”ゴツイ”のかと思いました。穂の長さもさることながら、驚愕なのは、その種をつつむ皮。”硬いし、ぶ厚い”。まるで、”鎧をつけた麦”みたいなイメージ。
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通常、小麦は乾燥麦だと手でもんだだけで、種がこぼれますが、スペルトはそうじゃない。手でもんでも、穂が小穂に分かれるだけ。種は全くでてこず、指でほぐすように小穂の殻をとってあげないとでてこない。”コイツ、なにもんだ?””さすが小麦の親分、簡単には一肌脱がないんだな”と思わせる。しかも、粒も大きい。ライコムギも雄々しいかんじだったけど、こっちはthe king of wheatみたいに君臨するような感じ。
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なにせ、一粒づつやっていたら日が暮れてしまう。ということで、小穂のまま、播いてみた。少々強引だが、エン麦なんかは皮つきで播いたりするし・・・。もっとも、古代から自然にあったもの。地球の変化に対応するために、殻を硬くして雑菌の進入を防ぎ、自然の流れで、地上に落下しながら子孫をのこしてきたんだから、なんともないのかな?

どうなる、スペルト?

お味は?なんですが、ここはプロに聞いてみよう!ということで
石釜パン工房”野の花”さまのHPをご参照ください。美味しそうです!!!
http://www.ishigama.com/


2008年05月24日

今年の失敗 春まき小麦 初冬栽培

今年の失敗 ”春よ恋”の初冬栽培

初冬栽培って何?ですが
まず 普通栽培の仕方:
春まき小麦(ハルユタカ、春よ恋、ハルキラリ)は春に種をまくとされる。年が明けた春、4月上旬~中旬にかけて、種を播かれる。アメリカのハード・レッド・スプリングも文字通り硬質の赤色春小麦と言われ春先に播種される。ちなみに、ウインターがつけば、日本で言う秋播きのようだ。
一方、秋まき小麦(ホクシン・キタノカオリ)は収穫前年の9月中旬~10月上旬に播かれて越冬させたもの。北海道の9割は秋播き小麦である。

初冬栽培の仕方:
春まき小麦を秋播き小麦のように越冬させる。播く時期は雪のふる直前がよいとされる。なぜか?雪が布団かわりになり、種を零下で休眠させた状態にでき、春先の雪解けをまつ必要性がない。また、ハルユタカの最大の欠点でもあった、穂発芽やカビの問題を収穫時期、通常は10日から2週間程度収穫が早まることにより、8月中旬お盆あたりの収穫期に降る雨の被害を避けられることから、北海道でも雪深い札幌や旭川方面の道央地域で盛んな栽培方法。

初冬まきを十勝・本別でやったらどうなるか?適用できるのか、やってみた。
工程:
1.平成19年11月22日 会社横の圃場 7反 播種量19.5kg/反(通常1.5倍の播種量) 表土は少々凍結状態 パワーハローにて種が表土にでないよう、播種後に混和する。
2.同年11月28日ごろ、寝雪(雪が降って完全に大地を白く覆ってしまう雪のこと) 越冬開始

3.平成20年3月中旬 まだ種は発芽していない
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4.同年20年4月19日 発芽したがふぞろい。どうみても3割もでてきていない。
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同日の春小麦の断面:しかも発芽したやつも、表土3~4cmほどで、下の土からクラストが発生。下土と分離ているため、このままの成長が望めない状態。根が浮いている。
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ほとんどは、発芽した段階で凍害にあってしまい、硬い種子から春先の暖かさで発芽したところに、朝晩のマイナス気温が発生。芽がでたところに凍ってしまい。凍死状態になったと考察される。
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同日:やもなく廃耕にする、残念。播きなおし。

まとめ:
1.道央地帯のような寝雪と違い、十勝(特に本別町は雪が近年少ない)の寒さは越冬小麦には厳しい条件。特に春先の朝晩の凍結と日中の暖かさが、発芽した種子には厳しい条件下にある。よって、初冬栽培は不適と考える。
2.むしろ、雪が少ないことをメリットに、春先の早期は種に向けた圃場つくり(融雪散布、秋の排水対策など)を行い、生育日数の確保をしたほうが有利である。

試験場等では、品種格差もあるようだ。ハルユタカ>春よ恋で初冬まきに適するようだとの説明。しかし十勝の気候はいづれにしても寒すぎのようである。


2008年05月25日

♪shape of my wheat

幼穂ってあまり見たことないのでしょうか?

小麦の穂の赤ん坊のことですが、この例年、5月10日前後から幼穂の発生がみられます。
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写真は5月23日にとったキタノカオリの幼穂。この時、すでに小麦の形、穂の段数が決定します。
これは9段。あとはどのくらい実の肥大と、横に何条(2条、6条大麦とかっていうじゃないですか)できるかで、一穂の量が変化します。土の力と太陽と雨も、実の太りには重要です。”さぁ、自然界よ力をかしておくれ~”と魔女のように呪文をとなえたりして。
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ライターの先ぐらい、1cmぐらいに育った穂。最初は5月上旬、小粒のタケノコのような状態だったものがここまで大きくなりました。

一方、春よ恋はというと・・・背丈はこんな感じ。左:キタノカオリ 右:春よ恋
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幼穂はできとるかな?と解剖してみると・・・あった?肉眼では確認できるような、できないようなそれらしき(タケノコ状のような穂)ものが見える。けど、まだはっきりしないな。
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ぐびぐび大きくなれよ~!
♪sha~pe~,shape of my whe~at♪ スティングの”shape of my heart"にのせてお送りします。ご自分で歌ってください。


2008年06月01日

で・で・出た~!スペルト小麦!

うちの庭先のスペルト君、出てきました。
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あんな鎧のような籾の中からも、立派に発芽してきました。"そりゃそうだよな、子孫残すのに殻が固すぎて出てこないなんてありえないよな”と一安心。

しかし、やっぱり作条にまいたほうが、発芽率は良いようで、ばら撒き(種が表土にでているようなもの)のほうは、発芽が難。特にもみのついたまんまだから余計、そのリスクはあると考察する。
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古代ムギといわれるだけあり、もしかしたら何世紀はいいすぎかもしれないけど、小麦を人類が食べ始めた原型に近いものだとすれば、相当な価値がある。気がするのは私だけだろうか。

何千年の時を繋ぎ、ついにスペルト小麦が、家の庭先で目覚め?たのです。

まづはパチパチ。

2008年06月04日

ライコ&ハルコ

拝啓、ライ小麦さま、お元気ですか?お隣さんの”春よ恋”も大きくなってきたでしょうか。
ライコムギの写真
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ライコちゃん、はっきりいって、ごっついっす!種の大きさでガタいがきまるわけではないけれど、勢いの良い芝麦(雑草)のように、張り切って葉っぱを横に広げてますね~。オモロイじゃないですか。

文献によると、なになに。小麦よりも穂が最上部の葉(止め葉)から穂がでてくる(通常、出穂期)のが、約6日ほど早いとか。しかし、私のもつ文献は、きっと秋播きのライ小麦に違いない。春まきにまいたとなると、いつだべ?”春よ恋”よりもチョイ前・後?それとも全然、違う時期になったりして。

写真は左がライコムギで、右が”春よ恋”ですね。春よ恋はまだまだ線が細い。一粒の種から3本の茎に分けつしています。ライコも分けつはあまり変わらないみただいけど、何せ葉、いでたち、逞しく勇ましい感じ。どんな穂をつけるか楽しみだの~。
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ハルコも元気にしとります。
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予告:秋播き小麦のホクシン・キタノカオリはもうすぐ、穂が顔をだしますよ~。

2008年06月10日

ハルキラリ+春よ恋+ライ小麦=?

ハルキラリ+春よ恋+ライ小麦=一圃場に植えてあるムギ家族です。

北海道の有望品種、ハルキラリ、存在感をましてきましたよ~。”春よ恋”とくらべても、葉っぱが横に広く、茎も少々太い感じ。”春よ恋”が細く淡い恋だとすると(どういう意味だろう)、ハルキラリは少々の失恋では動じない?図太さを感じてます。個人の主観ですので、実物を見に来てください。

写真は左、”春よ恋” 右”ハルキラリ”すでに幼穂形成ステージに入っています。
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それで、ハルキラリのお隣が春よ恋で、そのまた”春よ恋”のお隣に育つ?というより繁殖しているライ小麦ですが、ん~太い。葉から茎から、自然交配ではなく、人口的に交配されたものみたいだけど、人造人間キカイダー(知ってる?)みたいな感じだけど、楽しみ。やっぱ農業はこうでなくちゃ。どんな穂になるのか”へ~んしん!”と言うのはいつでしょう。
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幼穂は入ったみたい、よしよし。(6月8日)見てくださいよ、私の手相!じゃなくて、ライ小麦の幼穂。ダメだピンボケしとるわ。
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2008年06月14日

♪穂・穂・穂の穂~♪ホクシン

6月13日ぐらいから、うちの圃場ではホクシンの穂が止葉(トメバ:最上段であり最終葉)の上に穂がでてきました。朝と夕方で穂ができってしまうぐらい、”あれっ、いつの間にこんなにでてきて~?!”と独り言いってしまうほど。写真は秋まきのホクシン(薄力系)の圃場。
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出穂(しゅっすい)してくると、小麦は早速子孫つくりにはいります。小麦は自家受粉の習性があり、温度によって受粉時間はことなるようですが、およそ30分~2時間程度。暑いほど短時間です。やっぱり燃えるよう恋?は短時間なのかな~と余計な心配をしてしまいますが、なんせほんのわずかな時間ですよ。
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ここで天敵となるのが、カビですよ。籾が開き雄シベが伸びて、受粉後、籾が閉じてオシベの花だけが取り残される。この雄しべが伸びて籾が開くときにとくに、外部の感受性がつよくなり赤カビ病の危険性が高まる。赤カビの危険性を回避するため、殺菌剤を使用するんです。ちなみに赤カビ病が発生すると商品として流通できません!だからこの一瞬のできごとを逃さないようにしたい。
花の咲きは、小さな黄色いつぶ(葯)が頴の外側にでているかどうかでわかります。
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無事に受粉がおわれば、あとは乳熟期、登熟期となり収穫です。

2008年06月15日

チビチビ・コムギ大レース

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”お~い、Mたん、まっでぇ~”

”T~こっちだよ~、メイロだメイロだ~”

と子供達を野放しにすると、コムギ畑をズンズン駈けずりまわる。

ここまでは良い。子と粉(になる麦)の成長がよくわかる。

問題もある。コムギの葉っぱで肌も切れたりする。息子はとくに敏感。

チクチクコムギの中、大レースが始まった。”こっちだよ!””ふ~っはぁっ~まっでぇ~”
”痒いのとんでけ~”とあんじながら、だけど楽しそうなんだな~これが。

キタノカオリは丁度、息子Tが隠れるくらい。85cmぐらいかな~。時期は出穂直前です。写真は6月11日
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”春よ恋”はじわじわと、しかし急速に感じるくらいの勢いで伸びてきている。倒れないか心配。下ハルヨコイ、だいたい50cmぐらいにはなったかな?
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収穫時には、メイロなんてやってられない。畑で遊ばせてたら機械も入ってくるし、滅多ない危険が一杯です。
でも子供達にしてみたら、目の前が麦ジャングル。川口ひろし探検隊(古い?)、隊長の気分だな。
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6月15日頃には、穂が争うように茎からできま~す。大レースは続くよ。

2008年06月16日

ファッロ(スペルト小麦)の怪

庭先のファッロ、異常です。というようり、異常なのか普通なのかもわかりませんけど・・・。

小麦の形というよりは、なにか宿根草系の観葉植物の感じ。6月11日の写真
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6月16日の写真。
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ン~まだ幼穂形成にも入っていない感じ出し、とてもあのイカツイ穂ができるような茎の形をしていない。
根本的に秋まき(越冬型)の品種なのか、はしゅ日が遅すぎたのか?もともとこういう品種で、あとから大化けするのか?ん~なんとも不思議。

しかも分けつ(茎がわかれること)がスゴイ。肥料もたいしたやってないのに、ニラのようにヒュイヒュイでてきて、どうなってんの?と作ってるひとに聞きたいくらい。

隣のナスの苗木も、”お前ら、もっとシャンとしろよ!”と垂れ垂れの細い葉っぱに激をとばしているのではないだろうか?というより俺が言いたいだけなのか?・・・

”ジャパン”には根づかないのか?頑張れ!ファッロ!


2008年06月17日

春小麦のヒゲダンス

6月16日小雨曜日 ハルキラリ+春よ恋+ライコムギ観察
春小麦の形に代表されるヒゲ(ノゲとかとも言う)。やはりこの止め葉時期に、すでに立派に形成されています。裸麦とかにもある、よくある小麦の代表的な絵にもつかわれるようなこのヒゲ?いったい何のためにあるのでしょうか?ライコムギにもあることがわかりました(春まき系だからかな?)!!!
ライコムギ:止め葉 草丈45cm 穂段数10段 茎はハルキラリより太い
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春よ恋:止め葉 草丈50cm 穂段数9段 ハルキラリよりも細い 有効分けつ3本、無効2本
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ハルキラリ:止め葉 草丈53cm 穂段数9段 茎は春よ恋より太い 有効分けつ3本
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地域普及員N氏のお話では、”籾がヒゲ状になっていることで、家畜や鳥、人間に着きやすく、子孫をより遠くに運ぶのに好都合なのではないかとか、のちほど出穂してこえばわかりますが、このヒゲ状の穂も光合成の1%ぐらいはしているのではとの、補完的機能性の役目ではとのことも考えられるそうです。

あと、これは実際の話ですが、鹿の被害にあわないことを考えると、他の動物に食べられないように、トゲをのこしたのではないかと自己防衛しているのではないだろうかとも考えられます。

たしかに、この殻(籾)は粘り気を感じます。納豆のような糸をひくような感じではなく、なんともマジックテープのような、ホクシン(秋小麦)にはないネチっコさがあります.。籾の粘り気を感じることからも、タンパク%が高い強力粉のイメージをもたせます。私的な感想ですけど。

ホントはなんでしょうね?ハルコよおせえて?

収穫のときも、このヒゲが折れて空気中に飛び出し、皮膚にあたったりしてかゆみやくしゃみを感じたりもします。これは効きますよ~。数千、数万の穂の一本一本が積もって、脱穀をしている機械の網の部分にびっちり張るような形ですから。取り除くのは人力しか方法がなく、”どうにか良い対策を”機械に改良したいところです。

2008年06月19日

キタノカオリの花が咲く

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強力粉系”キタノカオリ”の花が咲きはじめました。

前回ホクシンのところで、小麦は自家受粉するとお話しました。あれです。以下を参照してください。
http://www.food-sommelier.jp/prog/02/maeda/2008/06/post_49.html

去年のキタノカオリは少々不本意なところもあります。収穫前の登熟期に曇天がつづいたせいか、アミロ粘度値がひくかったこと。あとで、パン屋さんに聞いたら、”作業性の問題はあるかもしれないけど、天然酵母で長時間醗酵の場合なら別に問題ないよ!”と言われ一安心。

ちょっと偏った概念があったせいか、アミロ値の低いものは製品にならないのかとずっと思っていましたので、実需の人の声を聞くことの大切さを感じた一面です。

実際、多摩市にある有名な天然酵母で試作していただいたパン。パン職人のオーナーいわく、良い粉、良い酵母、良い釜がパンつくりにはかかせない、その中でも、パンはやっぱり粉が主人公なんだよ!と言われ、自分の仕事は主役にもなれるようなスゴイことなんだなと痛感したわけです。

釜伸びやクラストも外麦と十分はれる、申し分なかったようで、”これだ!求めてたコメント、うれしい”と家族で喜んだものです。実際、美味しい。キタノカオリ特有の、やさしい香ばしいかおり。春よ恋はより甘味の強い感じがしました。
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ここの天然酵母自体もスゴイんだと思いますけど、多くの方に喜んでもらえる、それには多くのパンを愛する方達と粉ラボ(コラボ)が必要ですね。

そこのあなた様、よろしくお願いしますね。

2008年06月20日

その人たちは”ピーターパン”

千葉にあるパン屋さん、”ピーターパン”より当農場に使者がきました、研修生として。
小麦工房ピーターパンはこちら⇒ http://www.peaterpan.com/
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皆で”ハルキラリ”VS”春よ恋”の穂の位置や形を観察しています。

たった半日でしたが、4人の女性は真剣そのもの。パンを作る、販売するという仕事から、小麦粉になるその大元の畑を見に来ることの重要性と興味深さがあるようです。”現地現物”どこで、だれが、どん

なふうに、どんな想いで農産物をつくっているのか?食料に対する不安・解消も確認できますし、農家としても畑をみてもらって現状を知ってもらうこと。小麦-粉-パン・パスタ・ケーキ-食べる人まで繋がるのは結局のところ人なんですね。人的交流もっともっと深めていきたいところです。

 しかも、今日の北海道FM局のインタビューを上京する際に、千歳空港で受けたところをみると、あの4
人組み”モってるな~!”と、防除機で作業しながら、昼間のラジオを聴いてました。楽しそうな声が充

実感に感じましたよ!お互いに、食べる人が笑顔になる食材創りに頑張りましょう!
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しっかり、畑の草取りもしてもらいました!お疲れ様でした。

2008年06月21日

NEW COMER”きたほなみ”&"北海261号”

北海道の小麦の最先端。十勝農業試験所を十勝・小麦の生産者団体が圃場視察・新品種の導入を兼ねて視察研修しました。
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今年度より薄力粉ならびに、北海道の9割で作られている”ホクシン”は”きたほなみ”という品種に順次
代替されていく予定です。特徴として、ホクシンよりも1割ぐらい増収傾向、灰分が低めで製麺性にすぐ
れる。うどん用の面にはつやがあるとのこと。写真下。食料確保が世界で困難を極める状況がせまるなか、こうした品種は絶対に必要ですよね!
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実際、道立農業試験所の試験圃を見てまわりました。おもしろそうな品種がそこらじゅうにうわさってま
す。基本的には従来ある品種との生育の違いや収量性、耐病性、肥培管理方法などを検討しているよ
うです。
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それと製パン性の優れる”北海261号”ですよ!まだ奨励品種にもなっていませんので、名前がありませんけど、キタノカオリの後継者に予定され、超強力粉タイプの品種。冷夏・多雨年に特に起こりやすい”低アミロ”になりづらいところが、最大の特徴。ホクシンやきたほなみと混ぜて使用することも、十分可能なようです。

日本は全体的に温暖湿潤気候で、外国のように収穫期に乾燥する日がつづくということはあまり、ここ北海道といえどもありません。本来小麦には適さない地域で栽培しているのかもしれませんが、品種育成は世界一ともいえるのではないでしょうか。安定的な品質で高収量、それぞれの用途にあった品種改良が何十年もの間、継続されやっとここ数年、日の目をみることになってきました。絶対、世界に誇れる品種になってきていると思います!

この超強力系”北海261号”も、楽しみな品種です!デビューはいつかな?
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2008年06月23日

”春よ恋”の穂ばらみ期

6月21日に春小麦”春よ恋”に追肥をしてました。
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この時期は一番最後にでてくる、最上部の”止め葉”が形成され、茎の中には穂が茎からとびでようとスタバっている状態。最後の葉がすっきり伸びきり、茎がまるみをおびる時期を穂ばらみ期といっています。

まさにそのときなんですが、追肥といって、肥料を分けてやる技術のことですがやってみました。春小麦は茎が細く倒れやすいため、注意してやらなければなりませんが、”キタノカオリ”同様にパン用ということで、タンパクの数値は高くなければなりません。
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そのタンパクの栄養素が窒素肥料分なのです。それに実の充実を図るためにもやってみました。パンパンに大きく実が肥大し、高タンパクな小麦ができれば、生地も夢も膨らむ粉ができると思います。あとは、成熟期までの天気が勝負です。

2008年06月30日

ライコムギの全貌、明らかに!

ライ麦×小麦=ライ小麦 ですが、ついにその全貌を露わにしたのです。じゃじゃ~ん。
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お~、なんか良く小麦の写真やお菓子にのりそうな形のやん。みたいな綺麗な巣立ちの良い感じ。

しかしながら、肥料が足りないのか、穂の厚みは感じられません。これから乳熟期、登熟期を迎えるのでそこで、更なる厚みを感じさせるのか?なと思うわけで。

しかし、予定外だったのは、春小麦(春よ恋)より、先に出穂したこと。同日にまいたわりには、早く穂がでたし、このままだったら大抵の場合、”春よ恋”より収穫も早くなりそう。左:ライコムギ 右:春よ恋
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隣の”春よ恋”はこんな感じ。出穂初め。
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こりゃ、コンバインの準備忙しいなと、今後の作業も不安になったりするのです。

でも楽しみだの~。ビスケット、クッキーなんかにも合うとか。

2008年07月02日

N43°

北緯43度に位置する北海道、札幌市。この地で、パン職人やフリーキーなパン愛好家たちの集まりがあり、勉強会に参加させていただいた。その名も”ベーカリークラブN43°”。その中のメンバー、パン講師の森本先生にご紹介いただきました。森本先生の教室についてはこちら。http://www.cafetablier.com/

今回は”ライ麦パンの世界”と題して、パンと人、文化のフィールドワークをしながら文献研究をされている舟田詠子氏を講師に、あるアルプスの小さな村でのライ麦と人々の密接な世界をお話いただいた。
舟田先生についてはこちら http://homepage.mac.com/diedonau/

山岳地帯の日照条件、酸性土、寒さも厳しいところは、やはりライ麦が適しているというより、保存性のよいライ麦や放牧での生活しかないのだろう。種まき、草取り、収穫、脱穀、保存、製粉、釜作り、パン作りまで、すべて人力作業。半年が深く寒い雪の季節なら、残り半年で一年を家族で生活するための食料を自ら確保する。

自給自足とはいっても、”パン(食料)だけは本当に大切”皆でわけ合うこと。皆で助け合って生活すること、作物に感謝し祈りをささげること。収量の良し悪しは、1年生命を維持できるかどうかにも繋がることに直結している事実。写真でみるかぎりは、美瑛の丘よりも傾斜がきつく、はっきりいって、トラクターも転げ落ちるくらいのところ。実際はマンパワーのみのようだけど、日本の棚田や区画の悪い、中産間地域と言われることろだってたいした変わらない。

問題なのは、文明の進化とともに文化が失われていくことなのかなと思った。地元にも”馬頭祭”という農事祭りがあるけど、昔は全て牛や馬がトラクター代わり。大木を引っ張り、畑を耕し、干草や農産物を運んだり。作物にも、動物にももっと感謝しなきゃならんと舟田先生のお話を聞いて思った。

ちなみに、ライ麦パンの試食も行なった。ライ麦の独特の酸味、食事パンとして定着は私的にはむづかしいかもしれない。食物繊維やカロリーは低い様子。写真はN43のメンバーや舟田先生の知り合いのパン屋さんがつくられたもの。
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技術的なことや、パンの種類は全くわからないけど、なかにアーモンドみたいなものが入ったもの。
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しかし、私の大好きなライ麦パンは後にも先にも、アメリカのアイオワ州でお世話になった農家の親父さんの特性ライ麦パンだ。人口70人程度の片田舎の農家兼民宿みたいなところに約一ヶ月バイトさせてもらった農家。ご馳走はといえば、唯一、親父さんデービーットのライ麦パンだった。なんとも、甘くてほんのり酸っぱい、出来立てのライ麦パン。ライ麦の比率は今思えば、少なかったのかもしれないけど、一生忘れられないライ麦パンだ。きっと、ドイツ系移民の家系だから、お母さんにライ麦パンを習ったにちがいないと、今日の講話を聞いて思いだした。

うちのライコムギはどうなのかな?いづれにせよ、パン自体も文化として根付くこと。それは農耕民族の歴史に違いない。

2008年07月04日

春よ恋vsはるきらり

在来種でありパン人気種”春よ恋” VS 新品種、次世代期待のエース”はるきらり”

隣あわせで、バチバチとライバル意識と仲間意識を持ち合いながら、同じ畑にうわさってます。
7月初めに受粉時期を迎えました。播種日も同日の4月17日。肥料も農薬管理も全く一緒にやっています。この時期、春よ恋には必ずといっていいほど、ある異変が起きるんです。それは、トップリーフ(止め葉)が、黄色くなる現象。
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はっきり言って見た目は悪いです。農業試験場によると葉が黄色くなるのは、春よ恋の生理現象の一つで未だに謎の部分でもあるとのこと。しかし、黄色になるんだから、葉緑素が抜けてしまうことになり、光合成の働きが悪くなるように思われる・・・。
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初めて作った、6年前は何の薬害なのか、肥料の欠乏なのかと冷や汗をかきまくったことでした。見解は生理現象。ですが何か”春よ恋”のなかで急激に変化が起きているのは確か。受粉(恋愛)が成就して全ての力を子孫を残すほうに使おうとしているのか、それともただの登熟までの老化現象の一つなのか。

一方、40cmとなりの春まき小麦の新ホープ、”はるきらり”は平然と緑をキープしてるじゃないです!”すげぇ、このDNAはエエぞ~、タフだぞ~”と防除しながら思っていたわけです。全く、黄化現象がみられません。
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しかも、穂の段数も春よ恋が7~8段に対して、はるきらりは8~9段ある。登熟がどうすうむかわからいけど、単純に収量性は一歩リードしてるし、耐病・耐穂発芽性があるDNAだとすれば、すばらしいじゃないですか。あとは味てき、加工適正がどうかと思うけど、その辺は農家の腕もあるでしょう、きっと。
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基本的には、どちらも素晴らしい品種ですよ、もちろん。良い品種=安定生産=安定供給=安定価格=安定需要となるはずなんです。

PS:そういえば、此間のN43°の勉強会で、”はるきらり”の名付け親にお会いできました。これもちょっとした運命の一つなのでしょう。

2008年07月05日

ライ小麦の花

ライコムギにも、受粉の季節がやってまいりました~。といっても、春よ恋、はるきらりとほぼ同日スタートといっていいでしょう。写真は穂の真ん中のほうから、今にも葯がでてきそうなふくらみを感じさせます。
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初年度なのではっきりはわかりませんが、特徴らしきものといえば、出穂は春まき小麦よりも、3日ほどはやくそろう。遅れ穂もほとんどなかった。それから、穂が伸びた状態で開花が始まるようだ。出穂完了がほぼ9割以上終わってからでないと、受粉スタートしないのかな。
CIMG1708.JPGちょっと皆よりも、フライイング気味にスタートした花。写真は中央のぼやけた点みたいなのが葯。
出穂が始まって、晴れの日で5日ぐらいたったに、花がついていなかったので、まさか受粉しないわけじゃいだろうな?と初めてつくる小麦とライ麦の相(愛)の子に疑問符をもった。大丈夫だべか?7月4日から曇り小雨模様だぞ、早く受粉しちゃえよ、HOTな気候のうちにと、勝手にせかしたりして思った。

どんな実をつけるのでしょう、楽しみですの~。

2008年07月22日

小麦の実のある生活

小麦たちはついに、実をつけました。

家のラインナップはご存知でしょうけど、こんなん作ってみましたよ。7月9日時点のホクシン、キタノカオリ、春よ恋、ハルキラリ、ライ小麦、どれがどれだかわかります?
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ホクシンですが、この時点での実はこんな感じ。ひと穂かでてきたもです。7月17日の写真で、まだ水分は40%ぐらいはあると思われます。ぷっくり実はできてますが、まだ青く、指でつぶすと容易につぶれます。
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下は”春よ恋”。まだ乳熟期で穂の下は形成されてますけど、上のほうは小さくこれから膨らむ感じ。
”小麦色の肌”っていいますけど、飴色のような感じになるのは、しいて言えば”春よ恋”かな~。
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それから、ライ小麦。春よ恋と比べると、特徴は出穂は5~7日ほど早い。しかし、受粉期は5日ほど遅いので、実の入りも遅い。なんだかんだ、ライ麦のように長身である。出穂以降の伸びがすっすっすごい。すでに150~160cmぐらいある。伸びすぎでしょ、アンタラ!!
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実はまだまだって感じ。受粉はしたから、ちゃんとなると思うんだけど・・・
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ふぅ~収穫まで、あともうちょっと。22日23日の雨でどのくらい、小麦が倒れるか心配です。雨にも負けず、風にも負けず、冬の寒さを耐えしのぎ、けっぱれ(がんばれ)麦たち!!!


2008年07月25日

蝦夷梅雨?

23日の早朝から強くなった雨。この時期、十勝では熟期にはいったホクシンやキタノカオリはだんだんと色づきはじめ、穂から水分が抜け、青い穂先や茎が白くなり、水分が20%も近くなると、穂が稲穂のようにカールし始めるのです。それが収穫のサインでもあります。

今年の十勝の収穫前の天気は、雨が続いています。しかも蒸し暑い。いつもの抜けるようなピーカンの天気が続かない。確かに毎年、晴れたかなと思うと、どここらともなく突然入道雲が発生して、”大雨、雷、洪水警報”なんてことは、何回かはあるけれ曇天模様が多いのは事実です。
しかも、バケツをひっくり返したような雨のあとが晴れないのも、気になるところ。いつもなら、虹がでるくらいすがすがしい暑さとギラギラ太陽がでてくるのに~と思うが出てこない。

日本一の晴れ地帯、十勝にも暗雲?がたちこみ、梅雨を感じさせるムシムシする天気が続いてます。家の横の”春よ恋”もここ何日かの雷雨で一気に倒伏してしまいました。
7月17日の風景。まだ、倒れといっても許せる範囲。見た目は”波乗りムギ~”
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それから、7月24日。強い雨で、将棋倒しのようになり、通称”青畳”の状態に・・・。
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全ての畑ではありませんけど、小麦の倒伏は肥料、ムギの密度、雨、風の量、林や建物の近くなどの要因があります。倒れると、収穫の作業性は通常の3倍以上かかることになりますし、品質にも倒伏時期により影響がでたりします。

あと”春よ恋”は収穫まで2週間以上あり、”これ以上、雨はいらないですよ!”と神頼み。できれば、暖かな風がビュ~ビュ~吹いちゃったりして、畑での乾燥がいっそうすすめば最高なんです!とさらにお願いを申し上げました。明日、26日から1週間ほどは天気が持ちそうです。でも、暑くならんな~今年。


2008年07月27日

Are we ready to harvest wheat?

いよいよ、小麦を収穫する日がまじかです。どんなものが取れるかは、収穫してみなきゃわかりません。

といっても、機械は大型化され収穫能力はスコブルあるんですが、問題なのは作業が途中で止まること。機械は必ず、動いている時にしか壊れないという父の口癖。”そりゃそうだ”ってことですが、準備をおこたらないことが、作業をよりスムーズに、より安全にできることにつながるのも確か。
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収穫する機械や、畑の周辺の路面状況、運搬に使うダンプ、収穫した小麦を乾燥させる乾燥施設、一次貯蔵するためのコンテナ。”カイゼン”なんていう日本のビジネス英語があるほど、”こうしたら楽だな、もっと安全だな、もっと早くできるな”とか毎年あるわけで、壊してはつくるみたいなことをここ一週間、倉庫の中でやっています。今年は原油高騰対策、地球温暖化ならぬ乾燥工場温暖化リサイクル試験を行なう準備をしました。どれだけ効果がでるか、ワクワクしてます。
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”あせらず、騒がず、安全に”収穫できる準備、OK農場!

Are you ready to cook flour of co-mugi?

小麦粉の限定販売をすることになりました!!!パチパチ。

なぜこの時期なのか?今年の収穫も始まってしまうこの時期に・・・。今回、フードソムリエ様で販売していただく限定各200袋は平成19年度(去年)、収穫したホクシン、キタノカオリ、春よ恋の3種です。
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今年(平成20年度)も今までの取り組みの中で、上記3種+ハルキラリ、ライ小麦、スペルト(観賞用)を作っていますが、多くの方に味や風味の違いや、パン、パスタ、お菓子、ケーキなど多くの料理に年度によってどんな違いがあるのかを聞いてみたいと思い、収穫時期となりました。

農家のプロだったら、毎年同じ品質のものを作らなければならない。それは生産者として基本なんだと思っていますが、土も違う、つくり方も違う、気候や風土も違う。もしかしたら、一粒一粒の麦に個性があっても不思議じゃないのではと思っています。”美味しくできれば最高!ですが、料理する人、食べる人が楽しみなら、ワクワクどきどきしながら、小麦粉で繋がっていけたらよりいいなと思っています。

まだまだ、至らない点、改善の余地もいっぱいあるはず。皆様のご感想お待ちしてます。

2008年08月01日

ホクシン 収穫開始!

7月29日、曇りのち晴れ曜日、午後からホクシンの収穫開始しました。
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子実水分は19%前後。穂もカールを描けば描くほど、水分は少ない傾向にあります。うちの町、本別のJAも28日の午後から収穫を開始しました。十勝管内の何箇所かで、27日に収穫を開始した模様です。
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コンバイン(収穫機械)の前についたヘッド(刈り取り部分)にギザギザの三角形のナイフが列に並んでおり、それがもの凄い勢いで横振動することで、茎の株元を刈り取ります。脱穀部分は大きなドラムとそれに沿うようにしたコーンケーブと呼ばれる格子状の鉄柵があり、そこで9割がたの小麦粒は脱穀されます。また内部では再脱穀するための装置と必要のない茎や殻を後部へ排出する装置や扇風機の装置がついているんです。
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コンバインの後部からは、風で送られた籾がらや茎、細麦とよばれるクズ麦や雑草の種など軽いものが排出されます。
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脱穀された小麦は、運転席の後ろのタンクに蓄積され、一杯になるとダンプに排出する。これが収穫の一連の作業です。
本州はうだるような暑さが連日だそうですが、十勝は避暑中どころかサブい!”キタ~~~!”というぐらいの夏はいつくるんでしょうか?なんだ秋風かと感じることも、どうした温暖化?まだ二三日にぐづついたのちに、本格的なホットな短い夏を感じたいと思うのです。まだ半分。頑張らねば。

2008年08月03日

小麦の乾燥と選別作業

日本はアジアモンスーン気候というか、温暖湿潤気候なのは皆さん感じるところだと思います。
アメリカ、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパ、世界各地で主食とされ栽培されている小麦。
世界で共通する小麦とはいっても、栽培される産地はほとんどが乾燥地帯に近いところだと思います。
なぜか?収穫の時に雨が多いところでは、品質が劣化しやすいからです。穂発芽とか、カビの問題だとかに繋がるんです。

いくら梅雨のない北海道といえども、条件は日本の中。ここに小麦の高コスト生産の一因があります。防除の回数の多さに加えて、収穫時に乾燥状態の良い環境で適期に収穫できないジレンマ。ヨーロッパでさえ、貯蔵するタンクはあっても、乾燥施設を多大にもつということはないんです。アメリカなんか産地によっては野積み状態。”え~大丈夫なのか?”と思いますが、天気がよいんでしょうね。

前置きが長くなりましたけど、収穫した小麦ですよ。製品水分は12.5%以下と決められているため、乾燥機で脱水作業をするんです。なぜこの水分なのか?ようは貯蔵期間がながくなるため、このぐらいの水分状態でないと保存状態に影響があるからなようです。
作業工程ですが、
1.ダンプで運ばれてきた小麦をホッパー(投入受け)に流します。
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2.粗選機で、軽いごみや雑草の種、細麦などその名の通り、粗いものを篩い分けします。ゴミ部分が多いと乾燥効率も悪い。
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3.乾燥機にて、乾燥を開始します。うちのは循環式乾燥機といって、外気を吸い込み、バーナーで燃やした暖気が乾燥層になった部分を通りぬけ、後ろに排出するやりかたで乾燥します。大抵はこのやり方だと思います。畑からの小麦が水分が一定の時は良いのですが、水分にムラが生じる場合は、”調湿”といって、蒸れない水分の16%ぐらいで一度保温を続けます。大体5時間ぐらいおいておくと、内部で水分のない雑穀が、水分のより多く持つ雑穀の水分を吸収することで同じ水分にするということです。
時間はかかりますが、一定の水分で製品ができるメリットと、品質向上につながるということで行なっています。
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4、12.5%以下になった小麦は、貯蔵用のコンテナ2tとかパック500kg~1000kgパックに詰め替えられ出荷となります。
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ほとんど全てが機械による選別作業ですが、次々と小麦を乾燥しなければならないため、最盛期になると小麦の投入もしなきゃなんないし、排出作業も同時にやらなきゃならないなど、現場はとてもあわただしさを増すのです。

でもコストかかりすぎですよ!選別作業はありでも、良質麦をとるために、乾燥作業は一大作業で経費も莫大。外国のように圃場乾燥ができるならそれが一番いいにきまってる。日本の気候にマッチした雨や病気につお~く、さらに需要者のニーズにマッチした品種のデビューが待ち遠しい。行政改革でも農業改革でも何でもいい。とにかく、優秀な品種”ハルキラリ”とか”きたほなみ”とか”北海261号”とかを早く市場に投入してほしい。燃料高、CO2の排出、環境保全からも、”いまそこにある危機”を”いまそこにある新麦”で乗り越えたい、そう思うのであります。

2008年08月05日

こりゃオモロイ、ライ小麦(トリケテール)

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8月1日の写真。
”ゲ・ゲ・ゲ・ゲっ”あっという間にでかくなったライ小麦。初めてつくってみたけど、”これは凄い!、素晴らしく逞しいDNAをお持ちじゃありませんか!穂だってゴツイ!
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”ライ麦の生産の安定性がないところの一つには、長身であり倒れやすいということですが、”短菅”といううたい文句にひかれて栽培してみたライ小麦。結局、胸元150cm以上にはなってしまいました。

しかし、ここからがこのライ小麦の真骨頂なのか、茎が全般的にしっかりしている。葉っぱも下葉までしっかりと緑色をつけ、葉緑体が残っている感じ。"ホホ~オモロイじゃないですか!”これは収穫までいかなきゃいけないでしょ!と思ったわけです。

ライ麦とは一味違うことはわかってきました。多くの方に愛される味であってほしいなと思うばかり。やっぱりこういうのは、全粒粉にしてパンに混ぜたり、ビスケット系もいいんじゃないかと期待してます。ご要望ある方、連絡お待ちしてますよ!
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妻もこれはドライフラワーにいいんじゃない?!とちょっと手狩りしました。実も入りだしているしその水分も高いことから重量感ありましたね~。

2008年08月09日

畑のロールケーキ  エピソード1

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畑に突如、でっかいロールケーキが現れました!!!

というか、麦稈(麦わら)、通称バッカンロールです。収穫した小麦跡に残るワラを一度、機械で広げて天日干しをします。この頃、30度の天気が何日か続いていますので、一日とかで十分乾いてしまうようです。それから広げたワラを今度は、一列に集草します。これも機械でやります。
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一列に並んだ、乾いた麦わらの列を今度は、ロールベーラーと呼ばれる機械で、丸めて集めていきます。ただ丸め圧縮しただけでは、バラバラになりかねませんので、トワインと呼ばれるプラスチックでできた網とか紐状のものを外周に縛りつけて完成です。
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全長、1.6mにもなります。ものすごいコンパクトに圧縮されているんです。
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畑のあちこちにゴロゴロと横たわった、ロールを最後はトラックに積み込み作業です。2本の鋭いホークのついたタイヤショベルとかトラクターを利用して積み込み、各酪農家さんまで運ばれます。
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この時期、小麦の収穫が終わると牛やさんが同時に忙しくなります。搾乳の間の限られた時間を使ってフル回転で麦ロールをつくり、集めます。

ことろで、麦ロールどうするの?ということですが次回のお話です。


畑のロールケーキ エピソード1.5

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”うんとこっしょ!、どっこいしょ!”チビたちはコロポックルになったかのように、ケーキを回そうと力だめし。オリンピックもはじまったし、頑張れニッポン!

家の前のキタノカオリの麦わらも、牛やさんに巻かれ巨大なロールケーキに変身。ちょっと朝晩はひんやり、すがすがしい風を受けてます。

巻かれたロールは迅速に牛やさんの施設にて、保管されます。屋根のある方はそのまま、外に置いとく方はラッピングといってビニールを外周にぐるぐる巻きにして外に保存します。乾燥麦稈は火災の原因にもなることがあります。水分状態やちょっとしたことで、くすぶり火災を起こすそうです。

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麦はしまった状態ですが、やっぱり柔らかく、良い気持ち。高みの見物でうれしいかと思いきや、下の息子は”ごわい~、たかい~!!”と喜ぶ余裕はないようです。

2008年08月10日

キタノカオリ、獲ったどぉ~~~!!!

8月6日、キタノカオリを収穫、秋小麦は無事収穫の全日程を終了しました~パチパチ。

登熟がホクシンよりも、5日ほど遅いのがこの品種の特徴でもあり、8月2.3の雨害も心配されましたが、その時点ではちょうど赤く色づく間際だったせいもあり問題なく収穫できました。

この日は、本別町に短期滞在されている、大手電化製品メーカーM下電気にお勤めのご一家が小麦の収穫体験に来ました。これは総務省から”テレワーク事業”といって、パソコン一つで田舎からでも仕事をじゃんじゃんこなして、時間にとらわれず田舎暮らしをエンジョイしながら働く事業の一環です。ゆとりを持って、精度の高い仕事をしつづけましょうみたいな感じなんでしょうか。本別町でのテレワークに関しては役場HP http://www.town.honbetsu.hokkaido.jp/home/news/telework.html参照してください。

ご一家には、キタノカオリの圃場にて、コンバインに乗って収穫体験していただきました。
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ご主人は会社では環境対策部署みたいなところで、CO2の削減やグループ会社全体で環境対策とともに、コスト低減できないかを分析したりするそうです。そこでうちの乾燥施設のエコ対策についてお話したり、奥様はパンつくりが大好きだそうで、業務用を買い込むほど小麦粉消費の激しい一家だということ。二人の子供さん達も元気そうでしたが、奥様は小麦を目の前に興奮ぎみでした。
うちのキタノカオリの粉も気に入っていただけたようで、ありがたいです。

キタノカオリは特徴として、短管(茎が短い)で倒れにくい、穂が太い、実の見た目が良くない、低アミロの影響を受けやすい、縞萎縮病という病気に弱いなどの良いとこ、悪いとこ、いろいろありの品種です。
今年のキタノカオリは超エコ麦です!なんでかって?畑で天日干しされて、12.5%以下の12.2%平均で収穫できました!たまたま日照りが続いた結果ですが、いつもこうなら、国際競争力だって少しはつくのにっと考えてしまう。

日本は見た目社会?外見判断?が農産物にも適用されているのは、スーパーで花々しく揃って、ならぶ農産物を見ればお分かりだと思います。あの裏に製品にならずに、加工されたり、廃棄される多大な農産物の裏サイトがあるのです。

”小麦は挽いて何ぼ”の製品ですが、やっぱり見た目も重要???ということで、検査をうけますと、通常2等級がついてしまいます。この品種にかぎっては。問題はそのゴツゴツとした肌の感じ。ホクシンのようにツヤっとしてません。粉はクリーム色っぽく、独特の風味が特徴で、パン用強力粉なんかに良く合います。”人間、顔じゃないよ!”=”小麦、肌じゃないよ中身だよ!”というのが農家の言い分。数年前からやっとその主張が認められ、今は1等麦として流通しています。

2008年08月15日

Come on! Spring Love!!!

”春よ恋” 無事、今年も収穫し終わりました~パチパチ。
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今年は例年よりも5日ほど早い、8月10日からの収穫となりました。例年、お盆あたりの15日から20日にかけてですので播種日がいつもと変わらないとすると、収穫が早まった感じがします。
なぜか?ということですが、7月下旬と8月上旬の雨で、十分に水分をもらったあと急激な温度上昇、30度以上が4日ほど続いたため、穂水分だけが乾燥されるという現象が起きました。下の写真の中の、実が青いものは穂の下部にある実。7~8段くらいついていましたが、上部から急激に乾燥してきているのがわかります。
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もちろん、良く晴れた日は水分が3~4%は楽に落ちるので、もっと日にちをおいて、茎水分が抜けてから収穫したかったのですが、8月14.15日と雨予報がでたため、収穫開始となりました。
種子水分は、平均20~24%ほど。”う~ん、まだ待ちたい、でも実は乾燥しだしてるし、何日か後には雨が・・・・”と思いながらも、コンバインを走らせました。
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しかも、倒伏している小麦を刈りとるというのは、けっこう根気のいる作業で、土水分や茎水分があると刈りづらく土をコンバインの中にいれていまうため、細心の注意をしていないと作業性も悪いのです。コンバインの歩腹前進?というか牛歩戦術?というか・・・。連日連戦のコンバインも作業者も泥んこ状態。

去年(H19)はピーカン天気が続き、収穫時の水分は13%と乾燥機がほぼ要らない状態。”お天気商売”とは正にこのことで、作物の適期に作業を終了させることの難しさが毎年、違うんです。

しかし、登熟前の水分も十分にあったことと、花時期の天気も良かったせいか、粒ぞろいの良いものがとれて、ホッとしています。実際、15日には”にわか雨”もあり、冷や汗をかきながら待つよりは、良い判断だったかなと思ってます。あとは、成分。見た目じゃないところが、農産物、小麦にもいえるところ。

いっぱい、いっぱい食卓に笑顔がこぼれるような、パンやお菓子たちに変身してほしいものです。

2008年08月21日

”はるきらり”&”ライ小麦”の祭典

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ついに収穫の日となりました。ライコムギと春まき小麦の次世代エース”ハルキラリ”。

8月18日、十勝晴れ。今日が今年最後の夏日かな?って感じの中での収穫。

19日に雨予報がでてしまっため、GOサインを出しました。

まづは、ハルキラリから。最終的にここまで倒れてしまいましたが、8月2.3の連続の雨、16日の夕立雨により約5割の倒伏状態。”春よ恋”よりは倒伏は強いことは感じていますが、絶対はやはりないことも事実。夏場の雷雨には、やっぱり降参することもあるようです。水分は18%前後。見た目は”春よ恋”とは似ても似つかない感じ。粒のそろいは良い感じでした。
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7月29日の写真。左:春よ恋 右:ハルキラリのツーショット。まだ二人ともぴんぴんしてます。
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8月10日。8月1.2.3の連打の影響で、”春よ恋”から徐々に倒れ、同じくらいの幅で倒れています。追肥の仕方が悪かったのかもしれないし、林に近いことで風の影響を受けやすかったのも原因の一つだと思います。14日には、一足早く、”春よ恋”を収穫。
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8月18日、隣では14日に収穫された春よ恋の麦稈が、牛やさんに丸められています。

そして、午後からライコムギの収穫。茎の感じと穂の垂れ具合から収穫してみましたが、まだ水分は30%以上ありました。長身によるコンバインの刈りつらさはなかったものの、もう少しまっても良かったかもしれません。どうしてか?ということですが、40度以下の熱風でゆっくり気を使いながら乾燥したものの、見た目は良くない。シワがよってみたり、色が白っぽくなったり。通常、ホクシンではありえないような感じ。雨がなければ、あと2日ぐらい待ちたい感じでした。

でも、このライコムギ、素敵です!!!トップの写真がそれ。
穂の揺れる感じ、シルバーに輝くいでたち。コンバインにのっていても、感動的な光景でした。
未知なる可能性を含め、美味しくなれなれライコムギ!

嫁もブログを久々に更新しました!!チェックお願いしま~す。
http://ameblo.jp/akico-mugi

2008年10月04日

aki maki co-mugi

9月21日から秋播き小麦たちをまきはじめました~パチパチ。

今年は3品種まきましたよ~。前回畑を起こし、整地しました。
そこに、肥料を散布します。小麦は越冬しますので、冬を乗り越えられるだけの肥料をあげます。窒素肥料を4kg土に散布しました。
ブロードキャスタと呼ばれる機械です
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散布している感じは・・・文字どうり”撒き散らし”てます。24m分飛びますが、散布ムラを考慮して12mづつにしています。白いが肥料。
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まづ先頭打者は”キタノカオリ”です。青いのは種子消毒済みだという塗料がついています。
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キタノカオリはその品種特性から、ホクシンと比べて熟期が遅いので、同日近くであれば大抵の場合、収穫時期も遅れます。一番最初にまきましたが、秋播き小麦のなかでは一番遅くに収穫することになる予定です。

二番バッターは”ホクシン”です。
北海道小麦の定番、9割はこの品種です。9月22日から30日にかけて反あたり6~9kgの間で播種していきました。
作業機械ですが、麦類は”ドリルシーダー”という機械を使います。うちのは肥料のタンクがない分、”パワーハロー”という整地する機械+種を播く機械がドッキングしたかたちのものになっています。
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種がでてくるところは、
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円盤の中に筒があって横の大きな鉄車輪が土にふれて駆動輪となり、種のタンクのなかに撹拌する棒をまわすことにより種がポロポロとでている仕組みになっています。一番後ろの鉄の棒は土をならして、種に土をかぶせる”覆土”の役目をしています。種の深さはだいたい、2~3cmとなっています。

3番手は新品種”キタホナミ”デビューです。
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ホクシンに代わる次世代エース。農業試験場では、開発用途はうどんにしたときの製麺性のよさ、くすみがないころ、農家にとっても1~2割増収可能という”ホントかよ~?!”と言われてしまいそうな楽しみな品種。今年から解禁となり、今後3年間で徐々にホクシンにかわっていく予定だときいています。
”ASWに匹敵する”いってるけど、もともと”うどん”だって日本の食文化なんだから、”匹敵”とかじゃなくて”日本独自のうどんの味のする小麦”と紹介してほしい。国産小麦自給率14%ですけど、”うどんの食文化度ってせっかく100%なんだから。それに、”うどん”だけじゃないですよ、ホクシンだって、このキタホナミだって。
美味しいシフォンケーキやクッキーだって活けてますから。道産小麦にも十分活躍して、パンにだって変化してますよ。

種を播いたら、仕上げにローラーで鎮圧をしてあげます。鉄車輪がいっぱいついたローラーで播種床を落ち着かせ、土をおさえることによって発芽に必要な水分の吸着率をあげようとする作業です。
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現場では”品種を変えること”=”掃除をすること”です。
が、多くの方にいろんな小麦を提案し知っていただきたい。それぞれの品種のその年の素晴らしさを感じて欲しい。そういう気持ちで作付けしてます。

平成21年8月の収穫までのお楽しみ、始まりです。


2008年12月14日

根雪

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12月11日の午後、ついに根雪(雪解けの時期までとけずに残る雪)となりました~。

12月3日からこの日まで、関西方面にいっていたのでその間、雨が降ったとかは聞いていましたが名古屋空港にて、”到着地、十勝帯広空港の天気は雪のため、千歳空港か名古屋空港に引き返すことも考えられます!”だって。ついてないな~と思っていましたが、3時の飛行機が到着したほぼその瞬間より雪の強さがましたのです。

ということで、これより冬らしい雪化粧と畑はあいなりました。といってもそんなに降ってないですね。きっと8cmくらい積もったのでしょうか。
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雪の下のホクシン。12月12日
秋播き小麦のホクシン、キタノカオリ、新品種キタホナミはこれより越冬するんです。”ハードニング”といって、気温が5℃以下の日が続くと、葉が厚く短くなり、葉色が濃くなり耐寒性がますそうです。たしかにマイナス20度とかでもいきながらえるんですから、”スゲェ”の一言ですよ。そこで掛け布団代わりになる雪が重要なんです。多からず少なからず、”フワっ”と小麦を覆うようなかんじであればよいのですが・・・。朝晩マイナス10度くらいですが、暖冬な感じはあります。万が一雨でもふったらと心配もあります。
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11月1日の”シバれるね~ブルっ!!”と言っている?キタノカオリ

この冬はどう越します?

2008年12月22日

麦チェン!!??

”麦チェン”という聞きなれない言葉知ってますか?
今日平成20年12月22日の十勝毎日新聞(ローカル紙)に”道が麦チェン”PR という話題がありました。

この麦チェン運動(=チェンジの略)ですが、北海道の知事が議会で推進を進める(特に春よ恋といった強力粉)と発言。十勝の小麦は全道の4割(薄~中力)を生産する主産地で、今年からホクシンかわる新品種キタホナミの栽培もはじまり、平成21年産より順次作付けされていきます。収量性、製めん適正が優れるようです。
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”きたほなみ”の発芽。穂発に強い=吸水しにくいのかな?ちょっと乾燥年には発芽ががどうなの?でも楽しみですね~。打倒ASW!(オーストラリア・スタンダード・ホワイト=日本のうどんはこれが主流)

 一方、主にパン用の強力粉である ”春よ恋”⇒”はるきらり”にとって変わることはちょっとない情勢かもしれませんけど、新品種へと代変わりしてきています。ちなみに平成24年くらいには、また新しい春まき小麦がでてくるそうです。楽しみ楽しみ。
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上写真、パン用強力粉、新品種”はるきらり” キラリって光り輝く品種になれるかな?
ハルキラリの小麦粉ありますよ!(1kg袋のみ)限定商品です。

 国では、10年後(平成30年?)に国内自給率(現在41%)のものを約10%もアップして50%にするようで、工程表では小麦を180万トン(現在90万トン)にすんですって!え~E~E~E~eeってホントにかい?一応本州の米収穫後の田んぼ後を麦にする(通称、裏作)で確保するとか。

 現場の農家からすると不思議な観点がいっぱい。
1.現在でも裏作を行なっている地域や県が少ないのでは?
理由:そもそも田んぼ=粘土地(水をはるため)=排水性良くない=麦・大豆(乾燥好む)=本州では収穫時期(雨季時期にあたる)=収量・品質の低下(穂発芽・カビの問題)

2.そもそも誰がやる?
理由:本州とくに都市近郊では兼業農家が主。田んぼは管理の面から、土日農家でも可能になっている。そこに、手間のかかる小麦(防除面)、大豆(草取り)などを播いてしまうと、兼業をやってられなくなる可能性が大いにある。農業従事者の高齢化は北海道でも同じ問題。本州はより深刻なのでは?

3.麦の品種改良の進捗度は?
理由:小麦は本来外来種で乾燥地帯を好む作物。北海道やここ十勝でも良質麦がとれるようになったのは、試験場等での血なまぐさい品種改良のおかげだと思う。特にこれからの品種”キタホナミ””ハルキラリ””北海261号”なんかは、品質を低下させる収穫期の雨に強い。きっと、世界No.1の雨に強くて、品質の良いハイブリット種が北海道にはあるんだと思う。本州でも強力粉の開発が叫ばれているようだけど、予算を真剣に割り振って自給率1%(強力粉分)を2%くらいにあげられたら・・・

結論:日本は稲穂の国。豊富な水資源あり米文化があるからこそ、国民が飢えてないんだと思う。”餅は餅屋”じゃないけど、稲作農家には美味い米を作ってもらう必要がある。一回、稲作から畑作へ土層改良してしまったら最後。”そうだ、稲作に戻そう!”なんて能天気なこと言ってたら、ホントの土葬になりかねない。牛の飼料麦にあてるとか、バイオエタノールとして裏作を位置づけるとかのほうが現実性があるのではと今日は勝手に推測してみた。

で、なんだったけ?あっ、そう”麦チェン!”ですよ。
俺も畑で、仮面ライダーのように”ムギ~チェン!、トウっ!”ってやって、子供達の失笑をかおう。
現実味の帯びない政治色の強い農業政策のように・・・・

でも、ムギチェンジしていくのはホントです。応援よろしくお願いします!負けないよ~外麦なんかに!

2009年01月24日

雨降って、地凍る。

”雨だぁー、何で北海道の1月中に雨なんだ?”

しかも降りました、ほぼ日中一杯。1月23日、十勝というより全道的に雨なったようです。日中も4月上旬の暖かさですって。完全にクレージーな天気だわ。

札幌では雪祭りの雪が思うようにあつまらず、帯広でも冬祭りの銅像なんかが解けて崩壊したというニュースもありました。

畑にも良くない。2年前にも12月に雨が降って、さらに1月にもふり、畑がスケートリンクみたいになったことがあります。そのとき、小麦が分厚い氷の下敷きになってしまい、凍結とうより呼吸困難が続いたための窒息枯れのような状態になりました。水のたまる畑の低みなどは、特にひどく被害が大きかったのです。

思い出すあの恐怖。畑も縞模様というかスポット状にに枯れるため、後の管理が大変。欠株が多くなり収量が減るのはもちろん、そこからの雑草の繁茂、追肥肥料や農薬の無駄。畑の乾きの早い、遅いなどいろんなことが考えられます。

天気商売ですね~雨も1月だってわかってふってきるんだべか?温暖化とよびたくなる北海道らしからぬ現況があるのも最近の天気なのです。

24日の道路なんて、このとおり。スケートリンクです。今日もどこかで誰かが転び、誰かが路面転落とかしてるのかもしれません。明日はマイナス15度ですよ。どうなってるんだ。
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2009年02月06日

お知らせ!エコール・キュリエール大阪にて

皆様にお知らせです。

この度、弊社、前田農産の小麦粉4種が大きなチャンスをいただきました!

時は2009年2月7日、なんと明日なんです。
主催は日本穀物科学研究会の第137回の総会+例会。
場所は大阪あべの エコール辻大阪です。

内容は「穀類の製粉技術および製パン技術における最近の動向」というお題。
うちの小麦子たちは「製パンにおける国内産小麦の機能性の追求」
(国内産小麦によるパン混捏・焼成のデモンストレーション)というなんだか、すごい企画のなかにねりこんでいただく予定です。

エントリ-No1:ホクシン
エントリーNo2:キタノカオリ
エントリーNo3:春よ恋
エントリ-No4:ハルキラリ(春よ恋の後継品種、超Newです!)
いづれも、去年2008年産もの。

エコール辻、製パンマスターコース校長先生である、吉野精一先生の支援をいただき現実となりました。偶然にもパンつくりを何年か前に始めた妻の指導書が吉野先生の著書”パン「こつ」の科学”でした。もしかして、この本の人に会うの?と妻にいわれ、共に東京でお会いしたしだい。
何度かお会いさせていただき、最初にいわれた”アカデミック(学術的)にもやってみなさい”とのことば。
生産者の思いだけでなく、実質的なデータをとって傾向をつかんでおくこと。非常に重要な要素なんだと感じました。
実は平成19年産のホクシン、キタノカオリ、春よ恋も同校で試作していただいております。
写真は去年12月に試作していただいたパンたち。
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バゲット、カンパーニュ、食パン、菓子パンといろいろ。可能性を真に感じるパンでした。

デモと試食のあとには、カネカ食品、日清製粉の技術担当者さまのお話もあるとのこと。
すごいところに入れてもらえたな~と人との繋がりに感謝です。
アメリカのMiki姉、サンキューベリーベリーベリーマッチです。

しかし、浮かれてる場合じゃありませんよ。逆に今後のプレッシャーにも、モチベーションにもなります。
多くの消費者に届けたい貴重な国産小麦(自給率1%未満、吹けば飛んじゃいます)。
まづはパン職人のかたに国産小麦のより多くの利用をお願いしたい次第です。

私も参加してきま~す!ドキドキワクワクですよ~。

2009年02月10日

日本穀物科学研究会でのお披露目

前回お話したおり、2月7日大阪、エコール辻にて第137回日本穀物科学研修会の例会・総会がありました。

 その中で製パンにおける国内産小麦の機能性の追求と題して、エコール辻の教授である吉野精一先生にデモンストレーションを取り入れた講義を行いました。136回の研究会では、今度デビューする超強力小麦”北海261号”の講習を引き継ぎ”じゃ、現状の小麦じゃどうなる、どうする?”といったところみたいでした。
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 パンの理屈とかにはまったく無知の私。ただただドキドキしながら”どうなるんだべか?”と思いながら様子を伺っていました。今回、作っていただいたのは一般的な中種法の角食パンと菓子パン(アンパン・金時パン)でした。
 菓子パンは中種(春よ恋)80%+本生地(ホクシン)20%のもの。フロアタイムというのを若干長め(40分)でとっていました。ミキシングは業界でも新しいやりかたのスタンピングミキサーというものを使用。この機械の特徴は日本古来の餅つき機を改良したものだそうです。国産小麦の場合、グルテンが壊れやすく水も入りにくいという性質があるみたいですが、この機械は従来のミキサーよりも空気、水がよく入る、グルテンを壊しづらい、短時間で生地ができる。ということでなんでも新しいやり方で会場でも興味深々とミキサーの周りに人だかりができていました。
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 角食パンは中種に春よ恋50%+キタノカオリ20%+本生地にキタノカオリを30%を加えて作ってもらいました。キタノカオリはその名のとおり独特の香りの強さがあり、粉もクリーム色のようなところがあるのが特徴。下は生地を整形する吉野先生。
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”アカデミックやりなさい!”とのアドバイスからも、粉の数値をしらなければ感覚だけで、経験がないとどうなるかわかりません。製粉会社からいただいた数値をもとに、現状をつかんでおくことも重要なこと。
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講習最後に、私も教壇に立たせていただき、品種、年次、風土、肥培管理、収穫時期によっても小麦は変わりますと説明。国産小麦の更なる使用が、農家自体の増産意欲をそそり、ゆくゆくは自給率の向上にも繋がるのではとお話させていただきました。農家がこの会に出席するというのは極めてまれなようで、実際、会場の多くの方が粉を扱う業体でしたが、小麦のまんまというお話はなかなか知らないことが多いと興味深かっかったようでした。

 前田農産の粉を使っていただき美味しいパンを試作していただいたことはもとより、多くの日本の小麦粉業態を引っ張っているリーディングカンパニーの皆様に出会えたのはなにより貴重なことだと思いました。大阪や関西にも、ごっつぅ力入れて北海道小麦を愛用してもらっているパン屋さんも沢山いることがわかり、まだまだ小麦ワールドの可能性をかんじましたね~。
吉野先生、エコール辻の皆様、感謝申し上げます!これからが日本小麦の見せ所です!

 実際、最後にわかったのは究極のところ、小麦も粉挽きもパンも最後はやっぱり人の手で違うということ。作り方やこだわりで相当違うと思いました。美味しいさ際立ちますね、プロの腕にかかると!

2009年03月05日

"ヴァイツェン” 小麦ビールできました!

早いもので3月に入ってしまいましたね。
今年も畑仕事開始となりました。ビートの播種作業は後日として、コラボ企画始まりです。

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十勝ビールのその名も”こむぎ”ビアー。デビューです。今年、十勝は大雪。ですが、雪の中から♪シュワシュワっ♪と小麦ビールがひんやり、冷えてます。

”小麦でビールを作ろう!”ということで、十勝で唯一の地ビールメーカー”十勝ビール”社とともに、小麦のビールを作りました~パチパチ。小麦の付加価値創造を目指して、また新たな一歩です!

3月3日の北海道新聞にも掲載されました!記事はこちら↓
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ビールといえば、大麦なんですけど、小麦でもビールはできちゃうんですね~これが。
ドイツ南部でよく飲まれているそうなんですけど、その名は”ヴァイツェン”というそうです。
キャップに”Weizenヴァイツェン”の文字が目印。
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弊社の”春よ恋”を使ってもらい、1月後半から加工開始。まず、麦芽をつくることから。これが結構な手間と気遣いのいる作業なんですって。9日間、手作業で麦芽をつくり、半分くらい大麦と混ぜ合わせてできたのが今回のもの。ちなみに、小麦だけでは、加工作業上ビールはできないんだとか。麦の蛋白の含量とたんぱく質が糖分に変わる性質上、醸造加工がうまくいかないんだとか。へ~っと思ってしまった。

まづ、色ですけど、若干濃いめのオレンジともゴールドともいえる濃厚さを感じさせる。”白ビール”
なんても言われているみたい。
味は・・・”んっ、なんだこのバナナみたいなフルーティな味わいは?!”というのが第一印象。飲んだ後に、ビールの香りがフワっとくるが、飲み始めは”フルーティバナナテイスト”でカクテル系なのかなと錯覚してしまう。

十勝ビールの工場長、塚本さんも”従来のヴァイツェンと比べても、より香りとマイルドさがでましたよ”と話してくれた。従来のビールの”コクとキレ”とは一線をきしているビールのジャンル。

ほろ酔いどころか、”春よ恋”のビールに恋してしまい、酔ってしまった。

お求めは”十勝ビール”へ連絡を。

もうすぐ、春本番。春よ恋でつくった”こむぎ”ビールで良いスタートを”かんぱ~~い!”

2009年03月16日

溶かせ~ゆき~!

3月11日晴れ曜日。雪を溶かそうとしています。
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使うのは、肥料なんですけど”炭酸カルシウム(通称:タンカル)”チョークだとか、運動会のライン引きにつかわれる石灰石を砕いたもので、そのままだと真っ白なので、炭(墨)で黒く色づけしてあるのです。広く畑一面にまくとこで、日照量がより多くなり、雪解けが早くなるため今年のように雪が多いとしや春先の作業を早めたいときなどに有効です。豪雪地帯では、2~3回も分けて作業することもあるとのこと。あまりに雪解けが遅いと秋播き小麦なんかは、雪腐れ病や追肥作業の遅れにもなるし、逆に早すぎて雪がないと、凍害にあたる可能性もあるし・・・。丁度よいってどのくらいの雪なんでしょうね。
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トラクターにさらにタイヤをダブルに履かせての作業。接地面積を広げて、自重を分散するのが目的。通常、もっと雪の多い地域ではクローラタイヤといって、ブルトーザーとかショベルがはいているような、面長なゴムタイヤでやるのが一般的です。10m四方に約20~30kg(場所によって違う)ほど散布しました。大体黒くなっていれば良しとするくらいです。ただし、タイヤなので日中になると雪がザクザクして走りつらく、土をかいてしまうことがあるので、朝早くできるだけ雪が凍ってしまっているうちにやりたい作業です。
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散布して15分もしてくると、炭が雪で溶け出して黒い半濁模様が浮き上がってきます。これでOK。あとは御天と様に”晴れてね!”とお願いして作業は終わり。
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うちでは今年、春まき小麦(春よ恋・ハルキラリ)の作付けに対して主に融雪作業を進めました。春小麦は特に生育日数の確保が収量にも繋がると思っていますので、早く畑に入れることが条件になります。
今年はあまり、土壌の凍結も少ないような気がしますが・・・

とかいって、次の日に雪降ってきちゃったりして。”ありゃ、せっかくの作業が・・・”といっても、この時期は雪も早く溶けてきます。今年は”春よ恋・はるきらり”4月上旬には、播けるといいな~と思いながらの作業です。

2009年03月21日

新品種”はるきらり”学校給食デビュ~!!

春小麦の新品種”はるきらり”学校給食としてデビュ~しました~!パチパチ。
十勝支庁が旗振り役となり、十勝産のパン用小麦の普及をもっとという取り組みとまずは、できたものを地元で食べてみようという運動から、”春まき小麦プロジェクト”通称?”春小プロ”が去年より発足しました。参加しているのは、音更町の農家と本別町からは私が参加しています。
今回は両町の間で、小中学生の学校給食として子供たちに提供されました。”はるきらり100%”で作ったコッペパン。子供たちにも喜んでくれたようです。
新聞でもとりあげていただきました。
北海道新聞  ”新種小麦のパン好評”
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十勝毎日新聞 ”児童ら笑顔でパクリ”
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新品種”はるきらり”の特徴なんですけど以下の点です。
1.パンが美味しい
2.小麦の品質低下につながる収穫時期の雨による、穂発芽が少ない。
3.タンパクは”春よ恋”とくらべると若干少なめの傾向がある。

私が”はるきらり”をつくりたい理由と感想。
1.新しいもの好き。なんでもやってみないとわからんですよ、良さも悪さも!
2.穂発芽しづらいとなると、品質や収量の安定化がはかれる。今年は春よ恋もよかったので差異なし。
3.パンの膨らみに影響はありませんでしたが、同じ肥培管理でもタンパクは若干下がる。”春よ恋”よりもしっとり、なめらか、ちょっと素直すぎる感じもする。美味しいですよ!

ここでちょっと、はるきらり物語について
”はるきらり”は”春よ恋”にとって変わるわけではないのですが、パン用小麦の美味しさはそのままに、収穫時期の雨による品質劣化を防ぐために投入されてきたのです。幻の小麦”ハルユタカ”はブランドとして有名ですが、考えてみてください。なぜ幻なのか?それは農家がつくりづらい=収量・品質が安定しないのです。うちの父も10数年前、ハルユタカを3年作って、2年は穂発芽させてしまい結果は1勝2敗。農業は天気商売といえ、消費者に農産物を届けられなければ、農家としての使命を果たせてないのです。
”ハルユタカ”を現在もつくっている方たちには相当な苦労や情熱があるんだと思っています。
ハルユタカ⇒春よ恋⇒はるきらり⇒新品種と味、香り、収量、品質と風土に合わせながら安定性をだしていく、そういった物語があるようで、はるきらりの家系図は
はるのあけぼの:市場にデビューしたが短命で終わった品種。実質農家の作付けほぼなし?

カナダの品種:名前はわかんないけど、やっぱり北米・カナダ産の小麦はパン用に向くのかしら

C****:北海道中央農業試験場の品種で病気耐性が強い
この三種を10年かけて、交配させて厳しい選抜試験と適正試験を重ねて出てきたのです。親の基をたどれば更に10年と、試験場の研究員のひとたちも人生かけて、北海道の小麦を北海道の気候や風土に合わせて良くしていこう!と意気ごんで地道な作業を繰り返してるんだと思うと、どの種も大切な種です。

長くなりましたけど、”つくるとこから、たべるとこまで”今まで分業で生産性ばかりおっていた(自給率を考えると追わないとダメなのも事実です!)、農業をどっかで見直すよい機会だったと思います。
まだまだ、点の動きですが、これが線の動きになれば、消費者も加工業者も農家もハッピーなはず、と夢みる今日この頃。

”はるきらり”の研究者の皆様、どうもありがとうございます!そして、春小プロのみなさま、どこまでやれるかわかりませんが、良い方向だけはむいている感触。今年も”キラリッ!”って光らせましょう!

あなたのキッチンからも”はるきらり”を光らせてください!
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2009年04月05日

祝・日経MJ掲載 ”こむぎ”ビール

な・な・なんと、愛読紙?ほどではないですが、趣味でとってる日経MJに”春よ恋”ビールの”ヴァイテェン”が掲載されました~パチパチ。というより、商品案内欄ですので、きっと十勝ビールのほうで掲載をお願いしたに違いないなと思いますが、それでも全国紙に載せてもらえるとはなんともうれしいじゃないですか。直接ではないですが、”春よ恋”の供給もととしても名誉なことであります。
記事はこちら。
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”シュワ~っ”と桜の木の下で、十勝の風土を感じながら飲んでいただきたいと思います。
小麦”春よ恋”使用なんて、なんだかドキドキしちゃいますね。私だけ?

2009年04月06日

江別製粉視察しました~。

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4月3日に農協青年部15名にて、江別市の江別製粉株式会社を訪問しました。
当農場の小麦もここで挽かれております。”はるゆたか”産地のお膝元であり、北海道産小麦の火付け役というか、今の道産小麦のブームとも言われる状態をつくりだしたのも、この会社なきには語れません。企業としても生き残りをかけて、北海道の小麦の普及に努めていく姿勢。幻の小麦(農家が作りづらい小麦はるゆたか)を地道に地道に守りつづけ、応援してきたのもここの製粉会社あってのことだと思います。

さて、毎年行なわれるJA青年部の事業の一つに管外研修(十勝から外)があります。いつも終着(執着?)地は”ススキノ!?”という恒例の1泊2日事業ですが、今回は部員から小麦事情についてということで、小麦の製粉工程はもちろん、”どうなる?これからの北海道小麦”ということで、激変する外国小麦の価格や安定的な生産にむけた産地の課題は?と題して江別製粉の佐久間様に講演をいただきました。
要は十勝の99%がうどん用やお菓子ようにむけたホクシン・きたほなみという品種。なら残り1%もない、パン用の強力小麦栽培はどうですか?とのお話。絶対必要だ。産地上げてと思う。だって1%ですよ。これだけ、毎日パン食べる人がいるなか、そりゃないでしょってくらいの寂しい数字。いろいろ問題点(政策的・作業体系的・品種的に)ありますけど、はじめないといつまでたっても一般に認知されないで終わってしまいそう。
だから、当農場も香味麦選シリーズなんですよ。いろんな小麦の顔(強力粉は3種)に、いろんな用途が考えられますから!
日本の小麦の自給率14%のうち、1%も満たない強力小麦。”ハンマーチャンス!”ってこのことでないかい?国の自給率50%を目指し、小麦生産量倍増計画が農林水産省で準備されてますけど、まづ何でもかんでも増やせばよいという考え方は危ない。
消費者の方からももっと、国産小麦でパンとかパスタとか食べた~イといってもらえるともっと良いですよ。

 それから、工場内の視察に。装置産業の製粉会社は大体同じ仕組みらしく、原料小麦を16%近くまで調湿したあと、ビルの最上階にあげてから落下式に、挽き割りながら製粉して、シフターやピュリファイアと呼ばれる機械で分類・統合されその製粉会社独自のブレンドやお客さん必要とする配合をしているのだそうです。機械たち。ブルブルとそりゃ凄い勢いで仕事をしてました。
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一粒から約60種類ぐらいに粉は分類されたあと、また2,3ラインにて集められて、ふすま(外皮)部分は牛さんの重要な栄養源となります。少量製粉ミルfshipも見学できました。こういう粉もんとかの工場みるといつも思う。”機械に粉とかつまったら最悪だな”って。乾燥機や調整ラインも作物の形状、水分などで角度がいろいろあります。最後は手作業になりますから。いかに機械を止めないで作業できるかがポイントなんでしょうね。
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 それから次の日は、札幌近辺ではよく目にする”北欧”というリテールベーカリーを視察。パン屋になりたい青年部員はいないんだけど、これまた小麦関連でとのことで視察。150種類もあるパンを4交代しながら管理。パン屋さんってすごいハードな仕事だと思います。ミキシング・醗酵・整型・焼成と工程も少なくとも3時間半くらいはかかるし。天然酵母のツナギともなるとなかなか眠れない日だってあるんじゃないかなと思う。こちらのパン屋さんは不況知らずで、売り上げも伸びているとのこと。確かに10時には人がごった返して、レジ前には長蛇のれつが・・・、いろんなパンがお手ごろな価格で提供されてます。
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道産小麦もキタノカオリをベースとしたパンがあり、もっと使いたいとのことですが粉の安定性、価格等がやっぱり導入の大きなネックとのこと。でも、10年前とは格段に大きなロットで扱えるパン適正は十分との感想をいただきましました。
ちなみにこちらには、パンの歴史館(入場料必要)があります。パンの歴史をしるのであれば勉強になりますよ。こうやってヨーロッパの昔の人たちはやってたんですね。日本は米ですけど。
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今回の研修の反省点はビール各社と食べ放題とジンギスカンを2日間、はしごしたこと?ですかね。死ぬほどジンギスカンとビールをいただいたのでした。

2009年04月23日

Go はるきらり Go!

4月13日に新品種(試験2年目)”はるきらり”播きました~。
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今年も十勝支庁で主催している”春まき小麦プロジェクト”に参加してみてます。
このプロジェクト何?ということですが、
1.パン用小麦(春まき小麦)の十勝での普及
2.それによる栽培の確立と商工業との連携を図る(先日給食にしてもらったようなかたちで)。

それで地元新聞社2社も来ました。上は愛称”かちまい”こと十勝毎日新聞。
それから、北海道新聞(掲載は十勝版です)に取り上げられました。
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十勝では帯広と音更の農家さんと本別と3箇所で実証実験をしている段階。でも、この品種が”春よ恋”の有事の時にはキラメキを放つはずです!”有事”とはあってはいけませんけど、収穫期の長雨や曇天によるアミロ値(パンの生地がべちゃつく原因)による被害の軽減ができると思います。
タンパクは若干、春よ恋よりひくいみたいですけど、ストレートに食べやすい品種じゃないでしょうか。

昨年は17日に播種、13kg近くで最終的にたおれてしまったので、今年は2kgダイエットの11kgぐらいでまいてみました。どうでるでしょうね。理由は実の大きさにもあります。実がぷっくり(ぽっちゃり?)タイプなので、子実一個を大きくするためにも、種の量は減らしました。
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”土煙をもうもうと上げながら~”という勝毎の記事どうり、今年の3,4月は乾きました。雪も平年よりもありましたけど、4月中旬は暖かかい日が続きました。困ったのは”自分のトラクターからでる土煙で、前が、前が見えましぇん・・・”
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2009年04月25日

”はるよこい”と”こいのぼり”の濃い関係?

♪ラリラ~リラ~リラ、こいのぼ~り~♪
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”鯉のぼり”を揚げる心地のよい春めいた4月。”春よ恋”の播種シーズンとなりました~パチパチ。
孫のためにジイジ&バアバが揚げたなぁ~と感じているのもつかの間。春まき小麦(春よ恋・はるきらり)の準備です。
4月9日から13日にかけて種まき開始です。実質、乾いた畑に入って作業をする時期となったのです。
今年は天気が、例年よりも一週間~10日くらい早い感じ。雪解けが早いというか凍結もほとんどないというか。
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まだ山際の畑の淵には、”名残雪”が・・・さびしい・・・なんて思わないのです。早く溶けてくれ~と一枚の畑の枕(農家用語で機械の回る外周のこと)だけを残し、次の畑に行かねばならない。強引に播いても大抵湿害にあって、発芽不良とか起きるんです。確かに3~4日置いたところで凄い差はこの時期の温度では感じませんが、少しでも良い状態で種まきすることが重要なんです。
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湿害対策というか、水はけを良くしようとダブルソイラという機械をひっぱったりして。
それから、肥料をまいて
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トラクターが唸りを上げるのです。この時期、部落では”馬頭祭”という儀式?お祭りがあります。これはその昔は農耕馬が主な原動トラクターの役割を果たしたので、今までの歴史というか畑を守ってきたそのお馬さま達に感謝申し上げ、今年一年の安全祈願を願う行事もあります。
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今年は種をまく時期が例年よりも1週間ほどはやかったので、10.5kgくらいでまいてみました。見えますかね、3粒くらい”春よ恋”がまかれているのが。

♪は~るよ恋、は~やく来い♪とデレデレ(既婚者・三つこぶラクダです)と同時に、土ぼこりで鼻をデレデレしながらの作業なのでした。


2009年04月29日

春小麦”はるきらり”の産声

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4月13日にまいた春小麦の”はるきらり”が発芽してきました!パチパチ。
”あ~良かった~でたよ~”と思う反面、ここから更に気合を入れていこうと思うしだい。
まずは子葉が”ピンっ”と青空に向かってでてきました。小麦は最初みなこんな感じです。
この時点では、どの品種かってわかる人は早々いないんじゃないかな。
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土をほじくってみると、3cmくらいしたに種があって、種からアンカーを打つように何本かの根が張っています。すごいですね~、この自然の力。勝手にそうするんですね。これには外皮を柔らかくするための、水分が必要で、近年”オーストラリアや中国の干ばつで、小麦が減産になってる”っていうニュースがありますけど、もともと種が発芽できる部分の水分さえ有さない乾ききった土になっているということなんです。生育途中で何ヶ月もふらないこともあるそうですけど、基本的には水分不足で発芽しなかったなんてことは今までないです。もし、温暖化でそんな状態になったら・・・ん~そのときはどうしましょ?定期的に雨がふる水資源の豊富な日本。この国の良さは一にも二にも水に恵まれていることだと思う。だから米もおいしいんじゃないかな。
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話はずれちゃいましたけど、なにやら同じ畑に怪しげな立て札の集落が!これは十勝農業試験場というとで、現地試験として同じ”はるきらり”の試験圃場としてつかってもらっています。肥料のやり方や種の量を変えたりして、どのやり方が平均してよいやり方なのか。収量性はもちろん、パン用強力粉として重要なタンパクの変化などを調べるそうです。しかも種は”シーダーテープ”に入っていました。これは、土の中で分解する特殊な網のなかに種を均等にいれてあるもの。なかなか人力のみで、種の播き方を均等にするのは困難なのです。試験ですから正確差は重要です。
管理は私。”きらり”どころか、”ずしり”とプレッシャーもかかります。

2009年05月01日

秋小麦”ホクシン”のWhat a green day!

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9月下旬に播かれ、越冬したホクシン。現在(4月29日)、”起生期”という冬眠というか、休眠からさめて根ったちが土のなかで栄養を吸い出しています。太陽さんの光を一杯浴びようと、葉っぱを立てて広げてるんです。
もっとまえですが、今年は3月から4月の下旬まで畑は乾いていました。農家の人は、”麦踏み”といってとても拾い畑を足ではやれないので、鉄車輪で凍立ちした根をおさえます。今年は比較的、この地域では雪が多かったせいと、春先の気温がたかかったせいか、根の浮きはいつもよりないような感じでした。
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”根が浮く”って何?ということですが、越冬する際には十勝では、気温がマイナス10~20度は軽くいきます。つまり凍るんです。土には水分ありますから、凍る際に表面の土を持ち上げてしまいます。別にここまではいいのですが、暖かくなって土のシバレが溶けてくると、土が下がりその際、根っこがオイテケボリになってしまうことがあるんです。3月や4月はまだまだ寒い朝晩や風が冷たいので、根が痛みやすくなる。そのため、一度麦踏をすることで根を抑えてやろうとするんです。ひと手間ですが、後の成長を考えると必要かなと思います。今年は畑によって、凍立ちの多い畑のみローラーがけしました。
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これから、どんどん新緑の美しい季節。農家にとっては忙しくなる季節です。
今年の桜はいつだべか?5月7日くらいかな?

2009年05月27日

ガブリっ ”はるきらり”

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うちの子供たち。”はるきらり”100%のバゲェット、ガブリです。”ぎゃたい(かたい)よ~とか言ってもぐもぐ。

このパンの小麦粉は5月25日に帯広市の北海道ホテルで行なわれた帯広市食産業振興協議会という農商工連携で地産地消の推進を図る一環で行なわれた試食会のおみあげ。

この会では、十勝産小麦を使って地元の食品会社が食品産業振興課と組みながら産まれた商品や試食品を提供しました。ピザがあったり・・・
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焼き餃子や水餃子
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生パスタだったり・・
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”はるきらり”のバゲットだったり・・・
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今回は4品目を提供。どれも美味しかったですね~。ただバゲットはそのままだと食べずらい。味の違いをみるなら、他品種とも比べると良いかもと思いました。

十勝・春小麦プロジェクトに一緒に参加している音更の農家さんも一緒にだったり、やっとこういう会に生産者が入り込んでいる機会ができるようになった感じがしました。通常は流通関係か加工関係が主。農家も知ってどうするじゃなくて、こんな味なんだなというのは知るべきだと思う。いかんせん、行政主導のイベントだから、助成があるうちはいいんだけど・・・。火をつけて弱火でいいから沸々と燃やし続けるのが本当の地産地消なんでしょうね。

あっ、まだ食べとる・・・
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2009年05月28日

十勝産小麦粉Lovers

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美味しそうなランチ。いいでしょ~。
春春イングリッシュマフィンは、弊社・前田農産の”春よ恋”*”はるきらり”のハーフで作ったもの。
その上には、これまた十勝産のコーングリッツがパラリのっていて、食感がすごくGOOD。
これに、レタス、ハム、チーズをお好みではさんで、かぶりつくのでした。

それから、妻が作ってみた”はるきらり”+”ホクシン”のモチサクっとしたベーグル。これも程よい歯ごたえに、粉自体というか、品種の特性なのか甘味があるパンになってました。

いったい何事なの?というランチタイムなのですが、うちに地元十勝でパン教室をやっている先生のクラスが移動教室のような感じでやってきました~。講師1名、生徒さん7名のでゲリラ(アポはもらってます)ではないのですが、突撃移動教室です。
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 ここの講師の早川先生は十勝出身で、現在東京と帯広で地元十勝の小麦を多くの人に知って欲しいと奮闘している熱き女性。縁があって、弊社・前田農産の小麦粉をつかっていただいています。今回は本別町まで出張授業です。早川先生の教室はこちらhttp://www.yb-h.com/takaeblog/?p=2235
 ここの生徒さんたち、かなりのソルジャーたちのようで、手馴れた感じで今日の課題を作っていました。マフィンはすでにこしらえてきたようで、わずか30分くらいの間にデザートを作っていました。
今回は”長いものブラマンジェ”というムースプリンのようなお菓子。
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プリンのキャラメルが器の下のほうにあるように、長いものサクサクが下のほうにあり、これが不思議な食感。”生クリーム+とろろ”の意外な関係なんだけど、長いもくささは全くなく、シャキシャキ感とスイーツの感じにはない長いも粘りを感じました。
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皆さんと一緒に腹ごしらえをしたあと、畑で実際そだっている今年の各品種の状況説明したり、地元の人だからなおさら知ってほしい小麦情勢をお話したり、小麦の乾燥施設を見てもらったりしました。

う~ん、なんか新しい感覚が農業にできつつあるなと実感したわけです。
十勝の小麦粉Loversの皆様、お立ち寄りありがとうございました~。

また穂が出た頃に会いましょう!


2009年06月22日

性のかおり こむぎ

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こむぎ(ホクシン)の開花の写真。
小麦はたいていの場合、中段下くらいから開花がはじまります。それから上下段に移行します。
小麦は自家受粉をするので、ミツバチや虫などの手を必要としません。
開花といってももちろん華麗な花びらがつくでもないのです。

昨年同様(H19のブログはこちら、ポチっ)、6月11日ころから”ちらほら”と、受粉開始です。
この”ちらほら”というニュアンス。6月は上旬から今日22日までほぼ曇りか雨。
去年や一昨年と同様の天気ではないのです。どこいった”十勝晴れ”?!と農家のひとならだれもが思っていることでしょう。この大事な受粉時期に曇天、雨ではしっかりとした受粉を得られない可能性があります。低温と小雨がつづき、なんだかダラダラというか、温度があがらないため、一斉にパッと開花しない感じ。小麦の受粉時間の関係についての文献を見つけました。こちら

ポチ

この受粉時期に殺菌剤を散布します。なんでかって?小麦にとってこの生理現象はもろに肌を大気中にさらけだすことになります。”籾が開き雄シベが伸びて、受粉後、籾が閉じてオシベの花だけが取り残される。この雄しべが伸びて籾が開くときにとくに、外部の感受性がつよくなりカビ病の危険性が高まる。
赤カビの危険性を回避するため、殺菌剤を使用するんです。ちなみに赤カビ病が発生すると商品として流通できません!だからこの一瞬のできごとを逃さないようにしたい。”と去年のブログにも書きましたが、特に今年は要注意!だって土中にも空気中にも雨でたっぷり水分が含まれている。まだ、天気が低いことだけが幸いなのか、不幸なのか?
梅雨いりすると、ムンムンして家にもどこにでもカビが発生しやすい環境になるわけです。
花の咲きは、小さな黄色いつぶ(葯)が頴の外側にでているかどうかでわかります。
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機械には、いっぱい黄色い葯がついてきます。

小麦の畑からは、この時期、なんともいえない”性のかおり”がします。この”香り”こそが子孫を残すための”生”なんでしょうね~。
予報では、24日から晴れ間が続くとのこと。乳熟期・成熟期にむけてこれから頼みます、御天と様。
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2009年06月24日

新品種”はるきらり”のアラカルト

6月某日、春小麦の”はるきらり”パーティーが帯広市でありました。
パーティーといっても、出席者は十勝農業試験場の小麦の研究員と生産者数名。
内覧試食会のようなものです。

が、”はるきらり”ずくしのフルコースは素晴らしいものでした。
今回、腕をふるってくれたのが、十勝の地粉にこだわったうどん屋”小麦の木”さんです。
お店の口コミ情報はこちら→小麦の木

1品目:はるきらりの生パスタ リンゴソース
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リンゴの器に、コシのある冷せん生パスタ。海老のソースがまた良しでした。

2品目:はるきらりの蒸餃子
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ここのお店の売りでもある餃子。もっちもちの生地。

3品目:はるきらりの海老入り焼饅頭
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エビジル、ジュワ~。

4品目:はるきらりのチップス カラフルポテトと百合根のせ
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マンゴーやドラゴンフルーツか?とも思われましたが、十勝でつくられているレナなカラフルポテト4品種くらいがのっかてました。彩も鮮やか。

5品目:真鯛のはるきらりの薄皮包み
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薄皮映っていませんけど、はるきらりの薄皮をまいていただきました。生地自体に甘味をかんじるので、ホットケーキとかクレープでもいけると思いました。

6品目:無かん水ラーメン つけ麺
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かん水がはいっていないと、ラーメンって呼べないんですって。
中華そばといった感じ。

7品目:カステラ ビーツソース
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製粉の粗さもあるのか、ちょっとパウンドの粗めになっていましたが、ビーツの赤ピンクがかった不思議なソースはばっちり。

どれも美味しくいただきましたし、毎日人生をかけて基礎研究を積み上げていく研究員の方々やはるきらり生産者さんと楽しい時間、ご馳走様でした。

2009年06月26日

”春よ恋”ってどんな花?

ついに、パン用品種の”春よ恋”の穂がその姿を現しました~!パチパチ。
そして、受粉も穂の真ん中のほうからポチっとはじまっています。
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秋まき小麦のホクシン・キタホナミ・キタノカオリと比べてもわずか10~14日くらいしか出穂(しゅっすい)時期が変わらないところは、春系の小麦の不思議。越冬もせずに成長が早い。秋まき小麦も冬は冬眠中だから動いてはないのだけど、それでも早く感じてしましいます。
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見てのとうり、畑一面に一斉に穂がそろうと、管理の面も収穫の面もそして、品質の面でもそんなに違いはないと思うのですが、土質や道路に近い(日照温度が変わる)ところや、石の多い場所は地温が上昇しやすく、スポット状に成長が変わってきます。
あと、2,3日すれば畑一面、ピンピンした毛のある麦畑で受粉が始まります。

2009年07月02日

ガチン粉対決 春よ恋vsはるきらり 予告篇

突然ですが、7月7日に畑にて”ガチン粉”対決します!
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パン用小麦人気No1! ディフェンディングチャンピオ~ン,春よ~こ~い!
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一般栽培、2年目のNew comer!期待の新人 はる~き~ら~り~~~!!!キラリっ~
 
畑の決闘ですよ!バッキュ~ン!って背中を向けて撃ちあうのは、ご存じ春小麦の”春よ恋”対”はるきらり”。今年、二品種の生育の違いをみたいと、たまたま隣どうしでまいた畑があり、ここを舞台ににらみ合いというより、試食会を畑でやってしまおう!と地元のパン屋さんの協力のもと行います。

しかも、参加してもらうのは日本最高峰のパン技術をもつブーランジェの面々と道内外のパン通なツアー参加者総勢45名ほど。なんで当農場かって?変わり者?なのはもちろん、十勝でも進んで春まき小麦をまく方は少数派です。帯広市の主催する”十勝産小麦を使ったベーカリーキャンプ2009”のツアーの一環で来畑していただくことになりました。注:ツアーは早々に満員御礼となったもようです。

小麦畑の中で、春よ恋・はるきらりのパンを食べてもらい、その感動を持ち帰ってもらおう!というのがコンセプト。この時期は前回のブログでもあるように、ちょうど出穂して、受粉が終盤になる時期。当日は帯広市のパン屋さん”はるこまベーカリー”の栗原オーナーに昨年獲れた小麦粉を使用して、バケットや食パンをつくってもらい、ツアー参加者の皆様に試食、評価をもらう予定です。

”畑の小麦→小麦粉→パン”という当たり前の工程。ですが、ほぼ忘れられているのは”畑の小麦”ではないかと思います。”小麦を見ずに粉は語れない”というのが通常であってほしい。品種も違えば、毎年の気候風土も違う。作物に農家が合わせるように、その時獲れた小麦にブーランジェが合わせられればオリジナリティ120%じゃないですか!

農家の強みは唯一、田畑があって牛や動物がいること。多くの人にしってもらうことが今後重要だと思って皆様を案内したいところです。

春春対決。決して優勝劣敗つけるわけでなく、畑のなかで素材そのまんまを味わってもらう。
きっと楽しいじゃないかなと思います。

”春よ恋”と”はるきらり”、あなたならどっち??

2009年07月09日

ガチン粉対決 春よ恋vsはるきらり 本編

平成21年7月7日 灼熱の十勝晴れ曜日。その決闘は行われたのです、ハイ。
予告篇でもあったとうり、帯広市食品産業振興協議会が主催となって行われた”ベーカリーキャンプin十勝”の一番最初の工程に、春よ恋とはるきらりの食べ比べと畑視察を当農場にて行ってもらいました~。いや~熱かった~天気も人も!!

 参加者は総勢で60名を超える大所帯。どうなる事やらと、事前準備に紛争していつもどうり(?!)のドタバタ劇のなか、あっという間の2時間でした。
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今回の畑巡りは、パン用品種の春よ恋とはるきらりの食べ比べをその小麦の畑の中で食べてもらおう!と帯広市のパン屋”はるこまベーカリー”の栗原さんと企画。なんだか夜なべをして、今回のパン、ランチのサンドイッチ、お土産のハーフバケットを用意してもらいました。
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十勝のあっちっち~の青空のもと、畑での試食用のバケットたち。もちろん、春よ恋、はるきらり100%!
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試食後の感想を、参加者に聞きました~。結果は後日、楽しみですね~。
 パン愛好家(マニア)達が集った会でしたので、うちからのプレゼントは、生麦。7月上旬に受粉時期を迎えていたばかりの穂をドライフラワーとして持ってかえってもらおうと準備させてもらいました。
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BCキャンプの講師のお二人、シニフェアン・シノフェイエのオーナーシェフの志賀さん(写真右)とラ・テールアルティザン・テラのシェフを兼任している栄徳さん(左)。それから十勝の小麦の伝道師ともいえる、パン教室夢工房y.b.Hの早川さん(中央)。二人の講師はどちらも、めちゃくちゃ気さく。楽しい十勝での出会いとなりました。
畑見学のあと、収穫機械(コンバイン)や乾燥・調整ラインの説明をさせていただき、日本の小麦の高コストがここにあること同時に、うちの秘密兵器である手作り感120%の農機具を見ていただきました。
この日はなんと当農場の倉庫の中でランチ。私も経験のない体験でしたが、参加者の方々皆、和気あいあい楽しんでくれている感じがしてホッとしましたよ。
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この日の粉ラボランチメニューは・・・
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はるこまベーカリーさんの春よ恋サンドイッチたち。卵、海老マヨ、ジューシーなローストビーフ、生ハムとスモークサーモンの入った手の込んだバラエティ豊かなもの。二口サイズで食べやすく、オイジィ~~!
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それからザ・本別のトマト!各務さん家の納涼冷甘トマト。後で聞くと、特別に甘いのを厳選してもらったようです。完売御礼!
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それから、うちのビックママーの作った一週間辛しつけキュウリ。これがまた、バカウケ。皆さんパンに挟んだりして、御代り続出でした~。田舎料理はここがいいですよね~。
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それから、”2009年未知との遭遇”自家製粉のライ小麦と当農場のホクシンで作った”ライ小麦スコーン”と”ライ小麦ブレッド”(すみません、写真とれてない)。私の妻の手作り。よ~く頑張りましたよハイ。

初めての試みにしては、最高に雰囲気が良かった~というか、暑い中楽しんでいただいた気がしています。参加された皆様、ありがとうございました。またのお越しを、そして前田農産の小麦粉たちもよろしくお願いします。
最後は参加者全員で、コンバインの前でハイポーズ!キラリっと皆さん笑顔光ってます!
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2009年07月11日

ガチン粉対決 春よ恋vsはるきらり 結果発表~!

7月7日に行われたBCキャンプin十勝。畑の中で食べ比べをした”春よ恋”と””はるきらり”の参加者の結果がついにでました~パチパチ。
注:今回の試作での結果ですので、あくまで傾向であり、評価は絶対値ではございません。

評価パン: 春よ恋・はるきらり100%のフランスパン(小麦粉:前田農産・作:はるこまベーカリー様)
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評価場所: 春よ恋とはるきらりの畑の中orその目の前。
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評価対象: BCキャンプ参加者約70人 (うち46%の男女回答)
評価方法: 5段階評価、男性:青シール 女性:赤シール 
評価項目: I 外皮部分(硬さ・香ばしさ・おいしさ) 
       II 内部部分(口溶け・弾力・うまみ・甘み) 
       III 総合評価(食感・おいしさ・フランスパンとしての評価)

まず、I外皮部分から
春よ恋:男女同じようにバラツキのない点が分布。安定した香ばしさがある。
はるきらり:男女別で評価は分かれる。好きとふつうという評価は男性ほど高い。外皮のパリッと感は男性のほうに人気。
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II 内相部分
春よ恋:女性にはダントツ人気。やっぱりモチモチ感がいいのかな~。女性票を捕まえたNo.1人気小麦らしい評価。男性も6割くらいは好きな人が多い。
はるきらり:女性には、ちょいあっさりしすげているのかな?男性は二分化しているけど、ハマれば好きな人多しの予感。
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III 総合評価
春よ恋:女性・男性ともに安定した人気がある。食感・おいしさ109.5pt:フランスパンとして117pt
はるきらり:評価くっきり、好きと普通と別れる。ハマる人にはガツッンくる小麦。どちらかいうと男性人気。(父の日なんかに焼いてあげよう!)食感・おいしさ119.5pt:フランスパンとして111pt
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今回初めての試みでしたが、大変楽しい!!!という印象を受けました。心を込めてパンを焼いてくれた"はるこまベーカーリー"の栗原さんとスタッフの皆さん、暑い中、参加していただいたBCキャンプの皆様大変ありがとうございました。これを機会にまたまた、北海道、十勝、前田農産の小麦をよろしくお願いします。

最後にBCキャンプの新聞記事について掲載しま~す。
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2009年07月20日

濡れ小麦ラインアップ

畑の作物が濡れています。6月、7月は雨で、雨で、雨なわけで・・・。
こんなにも、曇天・雨模様が続くのはいつぶりなんでしょうか?
”どうした?!”というほど雨が降り続いているんです。
困りました。これから低温、雨続きとなると実から発芽してしまう、”穂発芽のリスクが・・・”。
一年やってきたことが、水の泡になる可能性を含んでいるのが、日本の小麦なんですね。
7月下旬には、収穫開始。頑張れ麦たちよ~。というより晴れ神様お願いします!!

濡れ”春よ恋”
人気No1のパン用品種。現在乳熟期(実の部分に水分や栄養を蓄えている最中)。
雨には弱く、倒れやすい品種。でもなぜか、タンパクは高くて”ふっくらもちもちパン”ができたりするんですよね~。以外にスコーンとかの利用もありです。
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濡れ”はるきらり”
春よ恋同様の、パン用小麦。まだまだ、名の知れぬ小麦かもしれませんけど、”春よ恋”より、穂発芽やカビのリスク少ない。たんぱくは若干低めだけど、しっとり甘い小麦粉です。
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濡れ”キタノカオリ”
現在、登熟期(水分が抜けて実がかたくなっていく)のステージに。秋まき(当農場では去年の9月21日には種)小麦では、現在唯一のパン用小麦。おいしさ、色味はハマると大変。大人気の小麦粉です。が、この品種も登熟期に低温だと、低アミロといって、パンのグルテン組織が出にくくなり、生地だれとかになっちゃいます。しかし、手ごねや長時間発酵の技術でそれはそれでカバーできるとのこと。年によって、産地によってはいろいろある品種です。
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濡れ”ホクシン”
北海道の9割以上を占める小麦”大きく言えば、うどん用ということですが、お菓子にも十分使えるスゴイやつ。当農場でも秋まき小麦の90%はこの品種。安定した栽培ができるというのがメリットなのですが、去年の収穫期の雨でその伝説というか、イメージがぶっ壊されました。あと、2年後には、”きたほなみ”に世代交代していく運命。期間限定の貴重な品種になりつつあります。是非エールを!
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濡れ”きたほなみ”上記ホクシンの後継小麦。日本のうどんは、オーストラリア産のASWという総称の小麦がメインで、”白くツルっと、シコシコしている”というなんだかいかにも美味しそうなうたい文句の小麦が広く使われていますが、それにも勝るんじゃないのか!(というよりオーストラリアの小麦と張り合うほうが可笑しい)という優れもの。ホクシンよりも多収で、低たんぱくになりやすいことからも、お菓子用にもさらに、拍車がかかると思われます。当農場でも栽培中。どうでるかドキドキわくわくです。
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小麦は基本的に乾燥を好む作物。今年の天気がどうでるか?どう品質に影響するのか、気がかりです。他の作物も”びちゃびちゃ”という安易な言葉でいいつくせない、厳しさが今年の天気。
天気予報を見て”またかよ~!””よ~しいいぞ~、いいぞ~そのまま、そのまま~”といっているのは、私だけじゃないはず!隣の農家さんもきっと・・・。

2009年07月26日

野の花工房からのパン便り

雨で雨で雨にたたられている今年。
手のつかない畑や、元気のないところにサプライズ便りが届きました~。

福井県の”野の花工房”さまからの”野の花便り”パンのセット詰め合わせです。お手紙もいただき、”小麦のお里帰りです。”と大変ありがとうございました。

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これが、うわさの春よ恋一本で作った”春恋キューブ”なんだな~とカワイイ角食パンに夫婦で関心。あの石窯で焼かれてきたのかーと福井の工房を思いだしました。”パンの耳まで美味しい”と好評をいただいているそうですが、確かにムフフっ!そのままんま、プレーン食パンでも美味しさ満点です!

それから、”ひとひねり”のロールパン。これも、”春よ恋”+”キタノカオリ”のブレンドでできたパン。柔らかで、香りよいパン。キタノカオリって生産者的にはちょっと難がある品種ですが、食べてみるとまた作付けしてみようと思う小麦なんですよね~。あの香りと特徴的な色味。生産者は絶対食べるべき!

そして、小豆入りのべーグル”キタノカオリ”(強力)+”春よ恋”(強力)+”ホクシン”(中力)の夢の共演。”ホクシン”はベーグルにもサックリ感をだすのに欠かせないとのこと。ブレンド配合は野の花工房さんのオリジナル。ブレンドするところからのこだわり。一番美味しくできるためにどうしたらよいのか?きっといろりろ試行錯誤してくださっていると感謝です。

それから、これまたサプライズ。
古代小麦(スペルト小麦)でつくったカレンズノアという大型のバケット。
小麦、パン酵母、スペルト小麦、ライ麦、カレンズ、胡桃。自然素材にこだわった作り方で、薄くスライスしてオーブンで焼いて食べてみました。

石窯の力ってすごい!と思います。遠赤外線があるからなのか、中まで深みのある味と香りがひろがっています。”食べてみればわかる!”というのは、こういうパンですね。
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なによりも、一番のサプライズはパンたちと一緒に入っていた黄色の和紙でつくられた特製”テルテル坊主”。これには感動しました。”ありがたい、応援してもらうというか、遠くても気をつかっていただいている”顔の見えるところの良さはここだと思います。パンやお菓子を焼いてくれる人や食べてくれる人のために作り続けるという”農産物の本当の当たりまえ”を認識できること。

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願掛けのため、てるてる坊主くんを小麦の畑につれていきました。わかった、27日まで雨降ってもしょうがない。だけどその後は降らんといてくれ。

”あ~したも、あさっても、しあさっても天気になぁ~れ!!”


2009年08月05日

What a wheat days! ホクシン収穫!

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7月29日から8月3日までのたった6日間ですが、秋まき小麦の収穫となりました。
そして無事、終了したのでした~パチパチ。
お菓子やパン職人の方々、流通、製粉にかかわる方々皆様より、激励やご心配のメール、電話等いただきこの6日間を、あっつい想いで収穫させていただきました。
”うちだけの農産物じゃない、このあとがある。だから今やるべきことをやる!”
怒号の麦畑レポート送ります。

皆さんお気づきのとおり、今年はメモリアルな年になってます。
雨、雨、雨、曇り、たま~に晴れ。
積もり積もった降水量は土の中に蓄積されていました。
それでも、収穫の時期はきます。小麦が乾燥してきたのです。
しかも雨の予報がでる、でる。

”晴れ神様どこじゃ~い!””この時期くらい晴れとくれ~”とコンバインの中から叫んでいたのは私だけじゃないはず。
まずは、当農場の”香味麦選”(こうみばくせん)シリーズのトップバッターは
ホクシン(Hokushin)からです。
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晴れの日は、6日間の収穫日のうち7月31日と8月1日だけ。
この一瞬とばかりに、コンバインを走らせたわけです。疾走するといっても5~6km/hrぐらい。
倒れてるところは、1~2km/hrくらいなので作業効率はおちます。
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コンバイン(収穫機)の前にはヘッダー(刈り取り部分)がついていて、バリカンが横に並んでいます。
そのバリカンで茎を切ります。同時に、リール(細い針金のついた観覧車みたいなイメージ)で、小麦をコンバインの中に描き込みます。速さ調整はもちろん、倒れた麦でも上手に描き上げてくれるすぐれものです。

それから、コンバインの中に大きな太鼓(ドラム)があって、この部分で約9割近くは脱穀されて、タンクの中に押し上げられます。下はタンクにはいった麦たち(ホクシン)。
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それでも、落ちない小麦は、穂とか茎ごと再脱穀される装置に入り、実と茎や穂、もみなどと分別されて外に出てきます。非常にうまくできています。豆やほかの雑穀も同じような仕組みで脱穀できます。

それから、ダンプに受けて乾燥工場まで運びます。
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乾燥工場まで運ばれたあとは、小麦の実の水分を12.5%以下まで下げます。何で12.5%?っていうと、政府の検査を受ける際の基準であり、通常この水分だと長期間の保存に耐えうるそうです。確かに、噛んでみてもカリとしてます。

あと、2年もすると”ホクシン”は”キタホナミ”に品種交代されます。ありがとう、ホクシン!よく頑張った!でも、刈りはじめは若干、穂発芽もありました。来年最後の年。終り良ければ全てよし!また輝いてねっ、というかドキドキさせないで。
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2009年08月06日

人鎌(ロウマイカ) 

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何してると思います?麦刈です。
ロクロク(コンバインの愛称)どうした?って?
土が雨で軟弱状態になり、ロクロクが埋まってしまうんです。
今年はこのような圃場が多発。ロクロクで行けないところなんて通常ないですが・・・。
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土にめっこり刺った、タイヤの跡。
舗装道路しか走ったことのことのない方にはわからないかもしれませんが、考えてみてください。
車から半分でているタイヤのこと。その半分のタイヤが埋まったらどうなります?
土に動体着陸しちゃって身動き取れないですよね。
7月29日の深夜、23:40分頃。ぬかるんでいるところまで、進んではバックして、進んではバックしてとやっていましたが、ついにハマってしまいました。
ここから、一時間半、激闘が始まります。

大型のトラクターにワイヤーをつけて、うんとこしょって引っ張りますがびくともせず。
次にタンクに入っていた半分近くの小麦をダンプに排出して、身を軽くして・・・・。
ダンプももちろんぬかるんでいるので、道路までトラクターでけん引して。
それから、再度挑戦。それでも駄目で、今度はトラクターやロクロクのタイヤに敷き詰めるだけの麦殻(茎や穂の殻のこと)を敷いて、ゆっ~くり引きあげたのです。麦殻の力はすごいんですよ。ちゃんとタイヤのグリップの力になるんです。

地元のJAでも苦戦をしいられていたようで、ダンプとかトラクターでは刃がたたないということで、重機のショベルカーを準備。何度も何度もハマった畑があるそうです。わかる。自分のうちの畑でさえ、どこで埋まるかわからないのに、他人の畑だったら余計、検討つきませんよね。

この夜の教訓から、次の日、別のトラクターにダブルタイヤをはかして、麦稈も運べるようにローダー(ショベルのついたやつ)を準備。最悪の状態に臨戦態勢を整えたのでした~。
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それでも、ロクロクの入れないとこは、手刈り。こんなこと今までやったことありません!
長靴ではまるくらいトポトポなんですよ、畑が!
約2反分(20m×20m)くらいでしょうか。最初の写真のように刈っては、ロクロクで脱穀しての繰り返し。

でも、立ったままの小麦畑を残しちゃおけない。せっかく一年育ってきたんですから。

2009年08月07日

指令 ”キタノカオリ”を救出せよ!

8月2日(雨時々くもり)曜日。
この日の早朝、AM9:00の雨予報から6:00に飛び起きて、残りのホクシンを収穫しました~。

”フっ~”って息つく暇はなく、倉庫に帰ってコンバイン(”ロクロク”という愛称)と乾燥機のラインの掃除。予報は雨ですが、曇りの天気を眺めながら、”あきらめんな、今ならまだいける!”と言い聞かせ準備をしました。

そうです。当農場の香味麦選(こうみばくせん)
”キタノカオリ”(Kitanokaori)の収穫の番です。この品種、今年も去年同様、全道的に大きな被害を感じます。なぜかというと、穂発芽しやすい品種だからです。もう限界、一撃必殺という言葉があるとすれば、一雨麦殺という待ったなしの状態。予想されることはわかってます。でもやらないきゃ助からない。
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午後2時、曇り時々雷雨という最悪のコンディションで戦いに行きました。

本人  ”気合い入れろ~ロクロク!”

ロクロク  ”グェン、グェン、ピーーーーー”

コンバインがの水分でのどつまりを起こして、エラーの音が聞こえてきます。何度も何度も。
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”雨よ降るなー降るなーあと3時間で俺に猶予を与えてくれ~”といっても、無常にも雨は降り。茎も穂もべちゃべちゃ。こうなったら、コンバインというのは適正な機能を果たせません。世界中どこ探したって、雨の日に収穫する農家っていないんです。想定外というか論外。

それでも、キタノカオリは穂発芽しやすく、さらにパンを作る際に必要なタンパク質が壊れて生地がつながりにくくなる低アミロという状態になりやすいのです。水分はまだ28%近くありました。ですが、待てない。
雨の中、指をくわえて見す見すキタノカオリの品質が落ちるくらいなら、ロス覚悟の上やるしかない。きっと、この日収穫していたのは、十勝でも数えるくらいか当農場くらいしかないと思う。通常ならやらない。

救出したとしても、うまく脱穀できず畑に残された麦たちも多数います。
なんのために、一年大きくなってきたのか?こんな収穫のされかたじゃ、納得いかないともいわれかねません。

全員は助けられない。でも8割でも救えるのなら、あなたならどうします?
次の日にはさらに5割くらいしかのこらないとしたら。未脱穀やシーブのつまりにより、畑にはまだ元気な麦たちが見える。作業に矛盾を感じながら、苦しい選択をしました。

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250mくらいの畑を、片道走ってはエンジンコンプレッサーという高圧の風でベトついた茎や葉を、シーブといって実が落ち抜けるところに毎回のように掃除。そのシーブといって、通常は実が落ちる感覚しか開けないもの通常5~7mmくらい。だけど、前回に開いてなるべく再脱穀されるようにとか、実が落ちるようにできる限りの対策はしました。

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8月6日に現場にいってみると、やっぱり・・・。ちゃんと穂から実が取れてない。特に一番下の実が未脱穀のまま穂にのこってました。穂発芽はしてなかったけど、土にこぼれた実は発芽していました。

悔やんでも悩んでもしょうがない。

無事収穫したカオリちゃんたちよ。畑に残された麦たちの分も、美味いパンに変身しておくれ。頼む!

皆さん、今年のキタノカオリはいつも以上に貴重です。よろしくお願いします。

2009年08月08日

新麦”きたほなみ” 獲ったり~!!

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新麦”きたほなみ”の収穫は、8月3日今日もくもり。
昨日のキタノカオリの激闘で、コンバイン”ロクロク”の体内は悲鳴をあげていました。
半日掃除に費やし、きれいな体になっていざ出陣です。

北海道の9割以上を占める、”ホクシン”に変わりこれから、この”きたほなみ”薄~中力粉として活躍していきます。なんだか、日本のうどんによくつかわれているオーストラリア産の小麦(ASW)と比べても、遜色ないシコシコ感のある歯ごたえ、白く艶艶肌で、製粉性もよろしい、しかもホクシンよりも増収が期待できると、”食べて良し、挽いて良し、作って良し”と三拍子そろった優れ品種。
”ホクシン”だって、以前の”チホク小麦”と比べたらものすごい進化系麦だと現場では言われていたそうです。
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圃場ですが、前評判の倒伏に強いとされていましたが倒れました。ですが、実はそれほど細麦になっておらず、しかも穂発芽に強いというところは評判どうりの感覚。
まだ、25%近くあったのでホクシンよりは若干晩生になる感覚があります。
穂は、ホクシンの良いの比べてもそんなに凄さを感じるものはないのですが、粒の大きさは若干大きく感じました。

どんな味になってくのでしょうね。
試験場では、低たんぱくにでやすいこともあるし、製粉性も良いということから想像して、お菓子にも十分いけそうな予感。

乞うご期待です!

2009年08月19日

来たぁ~~!!”春よ恋”収穫

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来たぁ~~~”春よ恋”収穫完了です!当農場の香味麦選シリーズの人気No.1でもある”春よ恋”です。今年も適期に収穫できましたぁ。
今年は第一クールが8月12日。第二クールが8月15日。第三クールが8月17日と約3回に分けて収穫完了しました~。パチパチ。ここでも、3回目は天気予報にない雨に見舞われ苦戦を強いることに・・・。どうして天気続かないのでしょうかね。エルニーニョ恐怖症です。

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8月12日は曇り時々晴れ曜日。水分も18~19%くらいで今年も楽に収穫できるかなと思いきや、16日に雨予報となり、慌てて15日に結構。二日ともに夜中までの作業になりました。

春小麦というか、ヒゲ(ノゲ)のある品種は皆そうだと思うんですが、収穫中のコンバインの中で悪さをします。それは、一本一本の毛が機械の中でむしれ、茎を排出するストローウォーカーとか、プレシーブ(小麦の実が落ちる通しの部分)に目詰まりを起こすんです。それでうちの対応としては、原則2回ダンプに小麦を排出したら、エンジンコンプレッサーの超強力な風でその一本一本のヒゲの塊を取り除く作業を毎回やります。一回につき、きっと20分~30分程度の作業ロスになりますが、それが塊になってびっしり張り付くと、小麦が2番の通しに入らないで茎と一緒に排出され、大きなロスや機械の負担による故障になりかねないからです。
やり方が悪いのか、機械の能力の問題なのか?
毎回、飛び散ったノゲに首回りや体中刺され、カユイカユイ。
だれかいい方法おしえてくれませんか?
特に、傾斜の下りでは、茎が早く(平地よりも)でないため、多く詰まりやすく感じます。
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北海道新聞の全道盤にも、季節の便りとして掲載いただきました。ありがとうございます。

雨の日も、曇りの日も、晴れの日もコンバイン、ロクロクよ、よく頑張った!
あとは”はるきらり”のみ。もうひと踏ん張りやろうぜ!

2009年08月20日

新品種”はるきらり” お待たせしました!

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春に種をまいた小麦、”はるきらり”収穫の日を迎えました~パチパチ。

これで全小麦の日程は無事終了です。パチパチパチ~、ようやったわ。

8月19日曇り小雨模様の中、がんばりました。ヒゲだらけに小雨だらけで。
この時期の天気予報は当てにならないとはいわないけれど、”天気の急変にはご注意ください。”という一言が象徴するように、晴れよりも雨の確立は当たる!18日の予報では、19,20,21日と三日間雨予報。”神様、午前中だけでも曇っててください!!!!!!”と祈りをささげながらの収穫となりました。

水分はまだ28~30%近くありました。3日間雨のあとにすぐに畑に入れない可能性が高し、はるきらりも色んできているということで、収穫開始!
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今はまだ乾燥機の中で待機中ですが、今年も待望の春小麦”はるきらり”が、当農場の香味麦選に加わります!まだまだ北海道でも珍しい、稀少品種です。これからの作付の増産にもアピールしていこうと思います。

皆さまのキッチンにお届けするには、まだ若干の時間(検査、製粉、エージング(熟成))とかかりますが、早々に売れ切れてしまった”はるきらり”。

あなたのキッチンでも、”キラリっ”輝くパンになってほしい!
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8月7日、登熟に向かう”はるきらり”

2009年09月13日

パンを愛する匠たちとともに

9月2日、素晴らしい奇跡に参加しました。
それは、パンをこよなく愛する匠たちとの出会い。

小麦ってすごい!畑って素晴らしい!人との出会いの膨らみかた。パン以上のものを感じています。
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皆さんこの本ご存じでしょうか?”BREAD”その名のとうり、製パン技術の本。パンを作るうえでの技術本です。その著者である、ジェフリーハメルマン氏に会えるチャンスをいただいたのです。

話はちょっとさかのぼります。8月下旬、東京の”パン技術研究所”で行われたジュフリーハメルマン氏の来日講演に当農場の小麦粉を使っていただきました。ご紹介いただいたのは、札幌のパン講師の森本さん
ジェフリー氏が地元のバーモントの粉と北海道の粉とを比較したいということで、三種の粉”ホクシン””キタノカオリ””春よ恋”のいづれも全粒粉を送らせてもらいました。
実際、挽き方に関して素人であるから、現地では一度ふすまを取り除いていただいたようだ。その時の様子は、森本さんのブログから・・・こちらポチっ
森本さんの関連ブログは、ドキドキするようなドキュメンタリーです。是非チェックしてください。

 このような光栄に恵まれるとは思っていなかったが、まさか北海道で会えるとは!
朝、車を飛ばして小樽に向かった。久々の北海道晴れで、空は青く、海もすきとおってきれいだ。
場所は小樽は忍路 にあるパン屋さん”AiguesVives・エグビブ”。
ここに、パンをやく匠たちが集結していたのです。
ジェフリーさんの本”BREAD”を勧めてくれたのは、日本の匠であるベッカライ・ブロートハイムの明石さんとドンクの二瓶さん。それに北海道のパン職人たちが集うN43のメンバーの方々。今日のこの姿をみて、北海道にも情熱あふれ、勉強熱心なパン職人たちがいっぱいいるんだなと思った。
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仕込みの量を確認するハメルマンさんとドンクの二瓶さん。そして”BREAD”翻訳者、パンの作り方のデッサンをした金子さん。素人でも凄くわかりやすく書いてあります。
到着すると、すでに職人たちがパンの仕込みにはいっていた。パンを作ることに関してはまったくの素人。でもこの雰囲気。いい、いい、いい!皆真剣にパンに向き合っていて、楽しんでつくっている。
明石さんや二瓶さん、そしてもちろんハメルマンさんの手つきに注目し、それぞれの仕事をこなしていく。
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窯入れの前のクープ入れも、なにか神聖な儀式のようだ。窯の中にはいったら後は人の手は加えられない。”どんなパンができるのかいつもワクワクするんだよ”と明石さん。職人という言葉の定義ってしらべたことないけれど、”とことんやることに楽しみをもち、とことんそれを追求すること”になるんだろうか。
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エグビブさんの石窯でやかれるパンたち。”美味しそう”なんてつきなみな言葉でしかないけど、焼かれているパンをみると本当に美しいものに見えました。
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今回も石臼で挽きたての小麦粉を持参。それぞれのパンに混ぜていただいたりしました。今回は前回の反省を踏まえて、ふすまの配分を少なくしてみました。
窯からでてきたパンの音って凄いんですね!生き物のようにパリっパリっ、ピシっピシって豊潤な香りと音に感動しました。
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ランチはこれまた素敵な石つくりのテラスにていただきました。

最高のパン職人たちの出会いがあるとこ、畑の小麦たちに感謝・感謝です!

2009年09月15日

ジェフリーハメルマン夫妻との宴

前回の”パンを愛する匠達とともに”の後編。

今回のこの時間は夢のような時間でした。
小麦粉の違いを感じたり、写真はバーモントと当農場のキタノカオリ(全粒粉)を東京で試作してもらったもの。
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粉の粒度の違いもパン作りには重要な要素と教えていただきました。
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上記写真の上のパンは粒度が荒く、パンの目が詰まっている。グルテンが切られているもよう。
同じ小麦でも、挽き方もまた重要。

パンつくりは全くわからないことだらけでしたが、ジェフリーさん夫妻が住むアメリカ・バーモント州の農業にはアメリカらしからぬ食文化が根づき始めているようでした。
というのも、州のほとんどの町が何千人という小規模な集落をなし、アメリカ農業=遺伝子組み換え作物的な栽培もなく、農家の規模の30~40haと十勝畑作農業の規模とそれほど変わりがありませんでした。

農業経営体も、有機農業や緑肥や家畜のたい肥や糞尿をつかったりした循環型農業をおこなっていること。
規模では他の大きな州に勝てるわけもなく、それよりも”地産地消”の地域づくりがすすんでいると感じました。
新鮮な農産物を求め、地域の人たちが農家を支え、農家もジャムやチーズなどの加工品を販売したり、立地的にもニューヨークやワシントンDCに3時間程度とそれほど遠くないということもあり、消費者目線の農業経営で、いわゆるアメリカ的大規模な農業のそれとは違うようでした。

”Green Manure"(緑肥)について聞かれた時は、本当に驚きました。パン職人が、農家の畑の作り方にも精通しているとは。”知ろうとする”という言葉よりは、より身近に農業を感じる風土が現地にあるんだなと推測しています。いつか、日本のパン職人の方たちも、小麦畑にたって、今年はこんな感じかな?なんて思ってくれると、農家にとってもうれしいはずです。

こうなると”地産地消”という言葉も、生産者も加工者もともに”地を産みつづける存在”になるかもしれません。

さぁ、今晩は宴です。
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準備は、エグビブの奥様、子どもたちを中心に、真狩のJINさんの手料理がならび
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日本のパンの巨匠たち、明石さん、二瓶さんが神聖な儀式のようにパンをきりわけ
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パンプレートの上に、今日焼いたたくさんのパンたちが用意されます。あんな大きなカンパーニュやリュスティックがドンドン皆さんの体に吸収されていきました。
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最後にジェフリーさんからも”ここに集まった人たちは明日、それぞれのところに離れてしまうけれども、この日であったことや素晴らしい経験を他の人たちとも共有し、またつくっていってほしい”と一言。
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とっても気さくでジョーク好きのジェフリーさんとともに。本にはサインもいただき、励ましのお言葉もいただきました。
Daer Mr.Jeffrey
It was nice to talk to you here in Hokkaido, Japan.
I had great oppotunity to spend precious time with you and decent bread artisans of Japan.
I think everybody got there won't forget moment we shared.
Thank you very much for words of cheer.
Please taka it easy and can't wait to see you again!

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翌日早朝のエグビブさんから眺める、眺望は素晴らしく、まさに”Rising Sun!"です。
またまた気合い入りました。

お世話になりました、エグビブの家族の皆様、明石さん、二瓶さん、森本さん、N43の会の皆様、大変貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

2009年09月27日

”北海道小麦を考える会”の種まきon畑

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7月29日、十勝晴れ曜日。
なんだか、いい大人たちがなにやらやってます。

そうです、当農場の畑にて小麦の種をまいているんです。
来日していただいたのは、東京からわざわざ種を撒きにきていただいた”北海道小麦を考える会”のメンバー10名。
代表の石田さんとは、数年前からのお付き合い。
以前電話で
”小麦の種まきたいんですけど・・・”
と切り出され、
”いいですよ、是非~!”
と言ってしまいました。

いろんな業態(基本的にはパンに携わる)の方たちが、東京で、”北海道の小麦”のこととかを中心に、情報交換しているようです。気軽に参加できるのがいいところのようです。

畑にて私のなが~い前説(もちろん小麦や畑のことが中心)を清聴していただいたあと、畑に入って小麦をつかんでパラリパラリと撒いてもらったのです。その後、無事整地されました。あとは、発芽をまつのみ。

品種は今年の収穫苦労度”No1”の”きたのかおり”。
播いた種は、来年苦戦しないように祈るほかありません。
この日は同じ畑で、機械による種まき作業もあじまりました。ので、機械でのデモも見ていただき、一連の作業を実物をみながら”一つの現実の北海道小麦”を実感していただきました。

ランチはいつもお世話になっている”帯広市の”はるこまベーカリー”の栗原さんに、特製サンドイッチを作ってもらいました。ランチ風景一枚もとりませんでしたが、楽しいひと時となりました。ショップでも、9月毎週土曜日は、限定で”春よ恋”はるきらり”のパンの試食会も開催されていましたよ。結果はどうだったんでしょうね?
もちろん、オーナーの栗原さんにも種まきに参加してもらいました。
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一部に”はるきらり”を使ってもらったり、そば粉が混じったオリジナルテイストのパンも。
秋晴れの中、外で食べるのもなかなかでしたね。
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東京に行くのが、さらに楽しみになった出会いでした!

”キタノカオリ”がここ十勝本別の畑からプ~ン、プ~ンと東京に香りますように。

ご来畑ありがとうございました。

2009年10月03日

KITANOKAORI SEEDING

早いもので、畑ではもう来年の始まりです。
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秋まき小麦の種まき時期となったのです。
秋まき小麦(USAではWINTER WHEAT)の北海道の種まきシーズンは、9月中旬からはじまり、下旬にピーク。10月でもこの辺(十勝中部なら10日前後位までが、種まき時期になります。

要は、小麦が越冬してくれればそれでokなわけですが、時期が遅れると越冬に必要な葉っぱの枚数(5枚を確保というのが基準)だとか、体つくりができないので気象条件によっては、枯れてしまったりします。

9月上旬も雨が多く、なかなか畑に入れない日が続き、中旬からの準備となりました。
小麦を連作する際は、畑起こしといって、土を天地返しにする機械(プラウ)を使用してから、ディスクやパワーハローといった機械で整地をして、肥料を撒いてから種まきになります。すべて、別々の機械でやります。ここも、農業の非効率なところ。状況に合わせた機械や、機械の調整を行います。

秋まき小麦のトップバッターは
香味麦選”キタノカオリ”: 今年の収穫で最も手がかかった小麦です。

昨年(平成19年)は、9月21日に種まき。今年(平成20年)は9月27日。畑の準備はちょいと遅れ気味でしので、種は13KGと去年(10KG)よりも、3KG多く種まきしました。
キタノカオリは分けつがホクシンと比べるとしない感じ。あと、播いた畑は土のゴロが多かったので、発芽不良もあり得ると思いこの量に決定。

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種をまいた後は、鎮圧作業。種を落ち着かせる作業です。また、この畑の場合は、表面の土のゴロをちょっと砕いてあげるのも、目的です。

こんな感じで,10cm以上のゴロが、5.6cmくらいにおさまってます。あんまり土が細かすぎても、雨降って表面パンパンになる可能性もあるし。
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秋の長雨が続きませんようにと祈りを込めながらの種まき作業の始まりです。

ちなみに、キタノカオリはいつもの倍以上の面積を撒きました。
理由はまた今度。


2009年10月04日

The Power Of Dreams "ゆめちから”デビュ~!!!

”ゆめちから”っていう小麦きいたことあります?
まだ試験段階(農家の畑での)ですが、ついに世界の小麦に対抗しうる?超強力の小麦がでてきました~パチパチ。

はて、”超強力”?って何?何がそんなにつおいのか?
それは、タンパク質が多く、パン生地にしたときのしっかりとした強い生地ができることが特徴で、この品種だけでは逆に強すぎて、使いづらい。そこで、”ホクシン”や”きたほなみ”とまぜまぜすると、これまで難しかった加工や製品への安定性がでるんですって、へーーー。

詳しくは”ゆめちから”を育種開発してきた北海道農業研究センターのプレスリリースはこちら→ポチっ
父親は”キタノカオリ”なんですね~。でも、あのキタノカオリのようなクリーミーな色味はないそうです。
でも、秋まき小麦では珍しいヒゲつき小麦ですね~。これは、収穫時に農家を悩ませるひとつになるんじゃないですか?チクチクしちゃって。

ちなみに、作物の品種の名前が決まる前に、系統番号というのが付いています。
”ゆめちから”の場合は、”北海261号”だったようで、昨年十勝の農業試験場で見てきたものです。
そんときの模様はこちら→ポチ

育種の人ってすごいですよね。品種の掛け合わせを生涯かけてやるわけです。親つくるのに何年もかかって、それから病気や収量性、品質、いまなら食味にまでこだわっての開発。頭下がりますね。
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見た目は確かに、キタノカオリが片親なせいか、ゴツゴツ系の楕円タイプ。

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播種日は9月28日。8.4KG/反くらいでまいてみました。
またドキドキわくわくする北海道の小麦の誕生です!!

夢も希望もパンもふくらむ”ゆめちから”。
これを食べなきゃ年越せなくなるかも?

"The Power Of Dream"日本が誇る自動車会社のキャッチーでもあるけど、いい名前ですね~。
楽しみです。


2009年10月05日

”きたほなみ”にバトンタッチ!!

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秋と春は特に、朝晩と日中との気温差が激しいため、このように畑から水蒸気が生き物の息のようにでてきます。とてもきれいな早朝の景色です。
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トラクターに乗れば、視界はとても良いとはいえませんが、大きく深呼吸したくなるような空気がそこにあります。またこれは、日中の温度が上がる=晴れるサインでもあり、こういう日は大抵晴れます。それもあってか、次の日は放射冷却現象だとかで、朝晩の温度は低くなるのです。

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北海道の次世代小麦”きたほなみ”。段階的に導入され、来年からはホクシンからバトンタッチされ多くの地域で作られることになるでしょう。確かに、今年の悪天候でもホクシンよりは優れるところ多く見られましたから、きっと今年のような悪天候がまたあるのであれば(やめてほしいけど)、救世主になるに違いないです。

今年は少し、面積を拡大させて、9月30日から10月1までで7.5~8KGぐらいでまいてみました。
結構春先の分けつがあると感じましたから。

”きたほなみ”は多収であることから、自給率に貢献できるし製粉性も良いということで、製粉会社もよろこぶんじゃないかな?自給率14%からプラスなんぼにするのか。日本全国で、こういう品種の開発は急ぐべき。

2009年10月06日

最後の雄姿だホクシン!

ウ、ウ、ウ、ウ~(泣き)。これが最後の一年だなんて寂しい気がします。
そうです。北海道代表麦”ホクシン”は来年収穫分でほぼ長い歴史に幕を閉じるようです。
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うどん用(讃岐うどんにも使用されている)として、チホク小麦から弟変わりし、農家にも抜群の安定性で北海道の小麦を引っ張ってきた立役者。
世代交代の時期に差し掛かっているんですね~。

もちろん、”ホクシン”は開発用途はうどんということですが、お菓子にも抜群合います!シフォンケーキ、クッキーにもつかえますし、生地はわりとしっかりしていて、それでいてしっとりとした口どけがあります。

私もいろんな方に作ってもらったりして、食べているのですが”何でもっともっと早くから、お菓子にも行けます!!!”って宣伝しなかったんでしょうね。そうすれば、もっと多くの人に北海道産の小麦をしってもらうきっかけにもなったと思います。

去年(平成19年)と今年(平成20年)と、穂発芽してしまったりと珍しく後味が悪い二年間に。
三度目の正直?優秀の美?終り良ければ全て良し?
あと一年、最後までよろしくお願いしますね。

今年は10月2日に大部分を撒いて、10月4日に残りをまいていきます。種量は8KG~10KGに調整です。
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2009年10月07日

十勝エピ

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先日、十勝の小麦粉伝道師である、早川さんのパン教室をお招きいただいた。東京と十勝を繋ぐパン講師&情報通なかたである。

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この日も、何名かの生徒さん(うちの妻も参加)と十勝産小麦でのエピをつくろうということだ。
トップは並んだ美味しそうな十勝エピたち。

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左、春よ恋グラハムエピ(ブルーチーズ入り) 右春よ恋(ノーマル)エピ(ベーコン入り)。
ちょっとしたひと工夫をいれるだけで、ものすごい甘味とうまみを感じるパンに変身していた。
手間をかけるのも、重要なんだなと思う。
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エピを分割した”ア・ピース・オブ・エピ”
3社(当農場含め)の食べ比べ。どれもうま~い!

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”春よ恋”を利用した手作りホワイトソース。強力粉を使う場合はその特権と注意点があるみたい。
チーズとカラフルポテトいり。

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デザートは”ホクシン”のロールケーキ。できすぎです!このしっとり感と弾力感たまりません。
ホクシンよ~あと一年でほんとに姿をけしてしまうのか~い?

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お土産に、”春よ恋”100%の角食パンと十勝産ブレンド粉のカラフルポテト+チーズのパン。

これだけ、十勝の小麦にこだわって教室されてる方いないかも。
しかも、このクラスはい過去2年のクラス(月1)いまだに雨だったことがないことが判明。
”十勝晴れ神パン教室”だということがわかり、これは畑に連れてきたいと思いました。

ごちそうさまでした~!

2009年10月29日

”春小プロ”が専門誌に掲載!

農業者向けの雑誌なのですが、”農家の友”と”ニューカントリー”に春小麦プロジェクトの記事が掲載されました~パチパチ。

”農家の友”10月号には、十勝で進めている”春まき小麦プロジェクト”での取り組みを紹介。
その中で生産者の声や、小麦の選別作業でお世話になっている本別町農協の取り組み、実需のパンやさんの声、学校給食にもなった子供たちの声などが13ページにもわたり掲載さています。
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”ニューカントリー”では、経営者のネクストステージで取組を紹介してもらいました。
生産者は生産、加工は加工、流通は流通、消費者は消費という分業?体制から、生産者から消費者までの距離をちじめ、ニーズにあう農産物をつくってみたいと意気込んでいるというお話をさせていただきました。
原料をもっているにもかかわらず、国の補助をうけながらやるというのは、農業生産だけでは確かに
必要で分業するべきではないのかもしれませんが、土から作っている農家の強みは唯一その畑でとれた生産物しかないと思っています。
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こういう雑誌、確かに営農技術だとかが載っているので農家向けは間違いないと思いますが、各地のレアな取り組みや一品やそこにかける生産者の想いなんかも詰まってておもしろいかもしれません。

2009年11月22日

東京農業大学 ”麦” フォーラム

11月21日、素敵な勉強会に参加しました。
我が母校、東京農業大学(オホーツク網走キャンパス)での”麦”を題材にした研究発表会に呼んでいただきました。といっても、私は世田谷キャンパスのほうで、実は初めて網走キャンパスにいったのですが・・・。

 以前にオホーツクキャンパスの教授から電話をいただき、4年生徒たちの”麦”に関する発表会があるのできてもらえないかとオファーをもらいました。行ってみると、これまたオホーツク海を眺望できる丘の上にたつ立派なキャンパスがあるじゃないですか!北の農大スピリッツはここでも育っているですね。

オホーツク(網走、北見を含む)地域は、小麦、馬鈴薯、甜菜(ビート)の生産の盛んなところで、積算気温や収量性の関係などで、豆の作付は増えていないようです。小麦も秋まきと春まき小麦が分散されて作付してある感じ。輪作体系からも、春小麦を導入している経緯があるようでした。

 さて、生徒たちは教職課程の面々で、将来は先生の卵になっていく様子。それぞれ、3~5人くらいのチームに分かれてテーマ別に発表をしていました。以下発表テーマ
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根本的なことですけど、麦はイネ科です。だから、ヒエなんかのイネ科雑草には、生育初期の除草剤しか効かせられません。発表では、小麦と大麦の違いを説明、小麦は寒さに強く(北海道向け)、粘りがある。大麦は厚さにつよい(本州向け)、水吸収率が高いとのことでした。
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このチームは、小麦の栽培について。播き方の違いや収穫期の子実水分の状況や熟期の違いを中心に、貯蔵段階での小麦の薫蒸作業があることも説明。これが、収穫後の貯蔵や輸送の病害中を防ぐ”ポストハーベスト”(収穫後に散布される農薬:作業は尋常なない風景)。しかしながら、9割を輸入にたよる日本の食糧安保には必要な工程なんでしょう。
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次のチームは、大麦について。知らなかったけど佐賀県もがんばってるんですね。押し麦とかにつかうんだろうか?網走は北海道の78%の生産量があってだんとつ。ほぼ春まきの二条大麦のみで、大手や地ビールになっているようでした。
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こちらのチームは、小麦の栄養成分について発表。特にタンパク質に注目して、アミノ酸組成に分けて研究。その中でも、甘味成分のグルタミン酸がタンパク含量や製粉の仕方によっても違うだんね、へ~。加えて、リジン(抗体・ホルモン・酵素の合成)、ブドウ糖代謝、肝機能増強)を多く含む卵や魚介類といっしょにたべることにより、地元の産業を活性化できるじゃないかと提案していました。ちゃんと地元用品を機能的にアピールするところ、郷土愛が育っている感じに聞こえました。
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このチームも地産地消を目指すための試みに、パン用小麦の作付増加、道内外に加工商品でのアピール、給食利用促進などまずは、海外麦→国内麦、道内消費31%→50%、麦のアピール”麦チャン”運動の促進とこういうバックアップ提案者が若い人にいるのは、農家にとっても貴重です。
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それから、小麦の副産物の”ふすま”やバイオ燃料への利用促進。なんでも、耕地面積あたりのエタノール収量は甜菜やサトウキビと比べると低いが、原料あたりのエタノール収量はは高く、水分が低く貯蔵性に優れる、セルロース成分が低いので燃料交換率が高いということ、麦わら利用も考えられるが、セルロース成分がたかいため、技術力向上が必要とのことでした。
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残り2チームは麦の流通について発表。やっぱり北海道は54万tと2位の福岡県(6.7万t)の生産量がある一方で、全体では国内消費量と生産量ではわずか18%しか供給できていない現実があること。国内と国外の小麦の流通はアメリカ、カナダ、オーストラリアの海外麦に大きく輸入を頼っているとのこと。私の予想ではここに将来ロシア産が参戦すると思う。

いずれにしても、各チーム素晴らしい発表でした。私も学生時代に”これだけ勉強しとったらの~”と今更次郎的な反省をしながら、しかし、小麦の栽培や農家収入(助成金)のしくみや大掛かりな生産工程や国の検査体制は現場にたってる者じゃないとわからない、数字にでてこない裏側があると説明させてもらいました。同じく、同大学卒業の幕別町で製麺業と営む”小田壱”さんの小田さんも加工業者としての苦悩や道産小麦への要望・期待を学生に伝えていました。

最後には、井上教授から”第六次産業”という新しい言葉の説明をうけました。
なんでも、農学博士の今村奈良臣が提唱した新語になるようですが、要は農業のような一次産業の生産だけでなく加工・流通・販売等も統合的に取り扱うことで,事業の付加価値を高める経営形態。

第一次産業(生産)を1とし、,第二次産業(加工)が2,第三次産業(流通・販売等)の3を掛けた1*2*3=6になるということのよう。

そうですよね~、農業はまだ1の根っこの部分。その1が0になったら、2,3次も消滅、経済活動はなくなるんです。1を産みだす畑や牛がいること事態、強みをもってるんだなと思いました。

今回のフォーラム、学生よりも私?の勉強になりました~。
どうもありがとうございました。

学生の皆さん、農業もいいもんですよ、だってまだ1からスタートできるんですから!!


2009年12月27日

小麦バンバンサーキットとT社ビュンビュンサーキットの相関関係

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12月に入り来シーズンの準備をしてきた。特に念願だった小麦の乾燥機の増設を開始。
現代のというか、最新の穀物乾燥機は遠赤外線使用のもの。なんでも、セラミックをあっためて遠赤を放射して穀物を芯からあっため、乾燥させていく方式。コメでは食味に絶対の違いがあるようだ。
さらにそれにより燃費効率も良くなっているハイブリっトな乾燥機である。
来年に向けて稼働を待つのだが、このままではただの箱。ここに小麦を運んだり出したりするラインを作らねばならない。これが今回のミッションだ。
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搬送ラインとは、それ自体で仕事をするベルトコンベヤー、チェーンコンベア、スクリューオーガー、空輸しきのパイプラインなどがある。まさかこれ自体をつくるということはないが、その機械をのせる画台や、角度をにらんだ配管、作業効率を考えたライン、シンプルで使いやすくメンテしやすいラインつくりがかかせない。しかも、建物ものの大きさや高さも限られるし、お金だってもっと限られる。
上記写真はコンベヤをのせる画台に、アンカーボルトの穴をコンクリートに空けているところ。
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サンダーという器械で鉄をきったり、溶接機で固定したり、鋼材から頼んで自ら距離や角度はかったり、”ここをこうして、こうして、こうして、えっと、えっと、えっと・・・”と小麦の流れを考えて作っていく。この手の作業はフルオーダーメード。なんせ建物の規格や、流す穀物の種類や水分、他にもっている輸送機械の能力(ホークリフトやその高さ)、穀物を受けるいれもの(パックかコンテナか)とか投資できる資金、いろんなことを考えて作業はすすめなければならない。
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もしなにかあったり、点検するための作業台も必要になる。鋼材を切って、溶接、色塗り、設置。
こういう作業は時間がかかる分、現場の人間がやりやすいようにアレンジするべき。法外な人件費がかかってくるし。
”あぁ、こうやって流れて、ここで麦がオーバーフローしてもいいとか、また別ラインに戻せるからこの角度で設置しよう”とか、実際、本番で支障がでると致命的だ。そんな簡単に直せたりしない。というよりも作っている時間がないのだ。小麦収穫の適期はまったなしが多い。
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子供たちがあそんでいるT社のビュンビュンサーキットみたいに、華麗にバンバン小麦が流れて行ってくれたらなと思う。でも、今のミニカーはジャンプさせるという荒業ができるようだ。小麦は飛ばないよね?

流れがあるのって面白い。畑の小麦から食卓でパンを食べるまでだって、どっかで世の中サーキットみたくなってるんだろう、空高くから見てみると。どっかが切れては繋がらない。
でもできればその距離は短いほうが良いにきまってる。
それもこれからの農業の課題だと思った。

2010年01月24日

こんなん”ドン”でしょう?

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皆さん、ドン菓子ってご存じでしょうか?

よく”麦チョコ”とかのあのパフパフした感じのお菓子。ポン菓子とも爆弾菓子ともいうやつで、専用圧力機械に穀類をいれて、圧をかけて一気に減圧した際に”ドーーーーン!!”と音が鳴ることからその名がついたんですって。

私の町、本別町にも昔ながらのドン菓子にこだわってさまざまな雑穀をドン菓子にしている商店さんがあります。”つしま商店”さんです。

地元産の雑穀にこだわってつくりたいとのことから、当農場のこむぎ”春よ恋”を使って、ドン菓子にしてもらいました~パチパチ。
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”塩味春よ恋”はおやつに、御つまみに。

これが、塩味と地元のビート糖をからめた”春よ恋おこし”の2種類が誕生。
開発必話があって、”ホクシン”vs”春よ恋”でドンを作ってみたところ春よ恋のほうが圧倒的に甘味があり、香ばしかったのです。
これって、お菓子つくりにも関係があるのかなと思いました。スポンジ自体に個性がありすぎてもまずいとすれば、タンパクの低いもののほうが他素材とも協調しやすいのではないか?逆にパンは膨らみはもちろん、香ばしさや甘味が素材にあったほうが好まれるような気がしました。ドン菓子のプレーンタイプならやっぱり”春よ恋”だったのです。
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やみつき”春よ恋おこし”
 販売は、”ステラ本別道の駅””つしま商店”まで。

 プラス、つしま商店さんのドン菓子はシリーズ化されていて、とうもろこし、そば、マカロニ、うどん、豆、米とかなりのものをドンドンやってます。お勧めは、地元の黒豆をつかったおこし菓子。”黒豆おこし”は食べ応え満点で、黒豆の皮のビターな感じと、地元ビート糖のからみがGOODです。

 それと、ドン菓子といわれるだけあって、作業は危険そうに見えます。迫力ある菓子つくり、昔懐かしいドン菓子なんでしょうけど、こういうのが昭和の風物誌でもあったんでしょうね。

2010年03月14日

Let's go to the snow field!

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トラクターで豪快に雪遊び~してるわけではありませんよ。
3月6日に融雪材をまきました。よくDIYストアとかで使われる塩化カルシウムではなく、炭酸カルシウム(通称タンカル)と呼ばれる肥料に墨というか炭なのか、黒く着色されたものを20kg/反にまきます。
タンカルは土のpHを調整する役目もありますが、量からいってもその役目よりも雪を溶かす目的でつかっています。マグネシウム(苦土)入りのものもあり、土壌分析からも何かしらのたしになるよう苦土タンカルを利用しました。
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500kgのパックから、モウモウと黒煙がたちこめるので、顔は真っ黒、鼻穴はいつもの倍以上?黒くなります。
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撒いている畑は、秋まき小麦(ホクシン、きたのかおり、きたほなみ)と春まき小麦(春よ恋、はるきらり)の畑が中心です。春まき小麦は、霜でやられるというのは本当に稀なので、早期に種まきしたいのが理由なのと、秋まき小麦は雪中の雪腐れ病発生の危惧と春先の追肥を早期にやりたいので畑を乾かす必要からです。といっても、雪の深さも関係するので、”まけば良い”ともなりません。コストもかかるし。ただし、去年の大雨(本別町は過去最高の1063mm!!!)は秋の土の水分もずいぶんのこってるんじゃないかなと思い、なるべく水が引くのを早くさせたい気持ちもあります。
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朝の9時くらいまでは雪もカッチカッチで、何tもあるトラクターが走っても沈みもしませんが、正午近くには気温も上がって雪も溶け出しザグザグに。冬眠中の小麦をタイヤで引っ掛けたらマズイということもあって、午後はやらない判断もしました。でなかったらWタイヤにしなくても良いなと反省したり・・・
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撒いたらこんな感じ。真っ白い雪のキャンバスにほんのりと色づけされているかんじ。これが太陽さんに当たって雪がグングン解ける原因になるんです。結果は10日もすればわかってきま~す。


2010年03月15日

氷の美小麦 ゆめちから&きたほなみ

3月上旬にまいた融雪材の効果もあり、また御天と様にも恵まれグングン雪解けは進んできました~。
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ただいま冬眠中の秋まき小麦たち。
雨の日も風の日も雪の日もじっと春をまってます。根っこというアンカーを地球にはりながら。
雪解け水のたまった氷の中でも、生きとるんです。
素晴らしい生命力ですね、こんなん人間でしたら”九死に一生スペシャル”にでられちゃいます。
それでも、分厚い氷がはってしまうと呼吸できずに、凍死してしまいます。何年かまえにも冬の雨で酷い被害がでたことがあります。雪解け水が流れているうちは、窒息することはないようです。
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昼間の写真なので、気温も3度くらいになっているでしょうか。朝晩はマイナス8度近くまでさがるので、凍ったり解けたりの繰り返し。
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麦の芯は生き生きしてますね。まだ夢見心地の新品種”ゆめちから”。どんな麦になるのか楽しみです。
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それから”ホクシン”に変わって、今後ますます活躍する”きたほなみ”
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どちらも、雪腐れ病の被害は今のところみあたりません。北の大地に穂波が揺れるまであと4ヶ月。
どんなことになるんでしょう?

2010年04月14日

”ゆめちから”の兄弟?北海262号!

チホク会という勉強会がありました。
それはこの会始まって以来の寒い小麦研修会となりました。
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まず自分ちの畑の”ゆめちから”を視てから・・・。あれ、この斑点模様はなんだべ?病気?薬害?と宿題をもって参加。
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今年のコースは音更町と芽室町の農家さんをぐりっとまわって、十勝農業試験場にて新品種や既存品種の特性について研修しました。
なにせここ4月は寒い!!去年あれだけふった大雨も温かくならないので畑から抜けていっていない感じ。昨年は4月10日には”春よ恋”まき始めましたけどなんか寒い。
畑によっては乾いていて、畑によってはまだぬかるむ感じ。
 勉強会はそのぬかるむ(昨日も雨と雪がふりました)中行われ・・・
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午後一番の十勝農試の研修はこんな感じで、横殴りの吹雪の中。
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と育成選抜を抜けてきた優良品種がここでさらに試験を受けます。ここで実際の農家の栽培状況に近い試験をいろいろやっています。肥料、農薬、病気、収量、品質、食味検査まで。育種は大変なお仕事なんです。
 ん~それにしてもすごいホワイトアウト!鼻水をすすりながらの視察です。
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いました~!発見”ゆめちから”の兄弟分?”北海262号”まだ名前が決まってもいませんし試験段階。”ゆめちから”でさえ、まだ普及も見たこともほとんどないのに、こうして次の選抜がされているんですね~。特徴はパン用粉である病気にも耐性をもっています。
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これは、北見85号といって、中華めん用に開発しているものだそうで、”キタノカオリ”の代替になるかもしれません。”キタノカオリ”は各地でピンチの声が聞こえます。確かに、栽培するにはここ数年、難な年がつづいていますからね~。でも、”キタノカオリ”は独特の色味ともっちり感、そして職人魂をくすぐるじゃじゃ馬的な要素をもった小麦。毎年味の違いあると思います。

 で、結局一番最初の斑点はなんなのか?病気の一種にかかっている種子を利用したからではないかとの推測がされました。視察した農家さんでも同じ症状が見られ、品種の特性と昨年の雨の影響で、種子に付着した病気もあったのではないかとのことでした。
 対策としては、種子消毒をきっちりおこなうことも重要で、同じ試験でも種子消毒ありの圃場は、ほとんど枯れがないということ。

 畑はいろんな発見があって、出会いがあって、人間業じゃどうにもならいなこともあって、将来を見つめる匂いがしてきます。

2010年04月16日

”北方ジャーナル” に麦チェン掲載

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「禁煙ファシズム」を許すなが目立つ衝撃的な見出し。
そして、”時代を撃つ北の報道・評論誌”北方ジャーナル(2010年5月号)という雑誌に生産の取り組みが掲載されました~パチパチ。
 私もこちらの記者の方から取材の連絡を受けた時には、”北方ジャーナル?”右系?左系?それともポルポト派・ネオナチ?なんだべ?と思いましたが、北海道の経済や地域の問題点を深く探る社会派で硬派な雑誌なのがわかりました。
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 しかしながら、ススキノ情報もあったりして・・・硬派の中にもチラリズム的なこともあります。でもススキノも立派な経済圏といえばそのとおりだと思います。

 記事は、帯広の老舗だけど地域発信型パン屋”満寿屋(ますや)パン”の小麦の地産地消の取り組みと一緒に掲載させていただきました。中でもますやさんの”麦音”は100%十勝産小麦にこだわったパンの提供が最大の売り。畑もパンやもレストランも併設していて日本一の敷地面積をもつパン屋です。
私たち夫婦も去年の新装オープンに呼んでいただきました~そん時の様子⇒ポチ
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 タイトルには””小麦”で農場から食卓まを結ぶ営みが大きな可能性を生む”とあります。末端の生産者個人まで行けばここまでの話はすごいことのように感じますが、今まで大きな組織の中でもこうした”大きな可能性”という言葉が聞かれてこなかったのが残念です。ますやの社長さんも私もどこか共通点はここらにもありそうでした。
 
 北海道の”麦チェンジ”キャンペーンの一環で取材をしていただきましたが、こちらのバックナンバーの農業特集も興味深いものがあります。江別市の”麦の里”と題した小麦サミットの取り組みや、下川町の”はるゆたか”手延べうどんの製作・販売までの過程だとか、どれも結構なドラマが町つくりでは展開されているのがわかります。 

2010年05月29日

♪お日様ぶりぃ~ね~♪

5月29日はやや久しぶり、約1週間ぶりに良い天気となりました~パチパチ、ホっーとしている農家さんも多いのでは。昨日の天気予報では、最低気温がマイナス1℃で危機一髪で祈るような朝をむかえたことでしょう。”朝から風が吹いているーーー!!”これで、霜の恐れはなくなっていました。ラッキーというか人騒がせな天気です。

ということで、皆の無事を確認しにいきました。
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春よ恋、一応無事。一部冠水でしたが3m四方。

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”はるきらり”も心配なし。やっと雑草たちも生えてきている感じ。

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”きたほなみ””ホクシン”もOK。やっと追肥から養分を吸収しはじめた顔してきてます。

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ビートもほっとするぐらい元気で安心です。風がふいていなかったら・・・霜に当たってご臨終だったらどうしようかと、確認するまで不安なのですね。豆類よりは寒さに強いので、そう簡単にはしにましぇんけど。

これから一週間晴れるそうです。

明日から遅れている小豆の種まき作業開始です。

2010年07月15日

小麦畑で歌をうたおう!!十勝ベーカリーキャンプ2010開催!!

”ベーカリーキャンプ2010in十勝”が7月20日から23日まで今年も開催されます。
そもそも”ベーカリーキャンプ”って何?
という方もいるかと思います。

今年も東京のシニフィアンシニフィエの志賀さん、ラ・テールの栄徳さん、
それから、函館の粉ひき小屋の木村さんに、地元帯広のはるこまベーカリー栗原さんとパンの師匠たちが十勝にやってきて、十勝の小麦を創造していく参加型イベントツアーです。詳しくはこちらの案内をごらんください⇒”ベーカリーキャンプ2010in十勝

7月20日の小麦畑巡りツアーは参加者ツアーは当農場によってもらえます!
といっても、十勝に入ればそこらじゅうに小麦のじゅうたんはひいてあるので、目ずらしくもなんともありませんが、収穫直前の小麦を見るには最高のチャンスです。
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こんな小麦とか・・・
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こんな小麦が見て来てさわりまくれま~す!!

 うちでは、”小麦の歌”?!を青空の下、声高らかにうたってもらえたらと考えています。なんだそれ?という方は、是非来てください。ツアー以外の方でもゲリラ参加していただいてかまいません。

日時:7月20日AM10:00~11:20 前田農産にて

畑だけでなく、パン作りを楽しみたいという方や興味のある方もこの機会に是非参加を。定員すぎてるかもしれませんが・・・

2009(昨年)のベーカリーキャンプの様子はこちら
昨年は、春小麦の新品種”はるきらり”とパン用小麦の決定版”春よ恋”との味比べを行いました~。暑かったな~あの日。あの日から小麦収穫終わるまで夏の日差しはなかった気がする。貴重な晴れ日でした。
"ガチン粉対決 春よ恋vsはるきらり 予告編

"ガチン粉対決 春よ恋vsはるきらり 本編”

”ガチン粉対決 春よ恋vsはるきらり 結果発表~!”

2010年07月25日

幸運の”ゆめちから”収穫を麦師たちと共に!!

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7月23日。天気予報では曇り雨曜日とのことでしたが、奇跡が起こりました~パチパチ~。24,25が曇り傘模様の予報ともあったり、うちも品種がいろいろあって掃除に何時間もかかるため、満を持さなきゃなりません。この時とばかりに2010麦刈りの始まりです。
 しかも応援にシニフィアン・シニフィエの志賀さん、ラ・テールの栄徳さんらも駆けつけてくれました。かなりの晴れ男達とBCキャンプでも噂になってます(謎)。十勝BCキャンプの講師を前日の二日間行い、チャンスがあればと思っていましたが本当にその日が来るとは思いませんでした。奇跡の天気にも最高に恵まれよい思い出になりました。遠いところ足を運んでいただき、誠にありがとうございました。
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 ということで”ゆめちから収穫いきま~~す!!”
といっても、去年の悪天候の痛手(特にキタノカオリ事件が痛かった~)で、コンバインのロクロク(66)は大変なことになっていました。それはそれは可愛そうな、土の塊やら春小麦のヒゲやらカピカピになった茎やらありとあらゆるものが腹の中にたまっていました。それを根気よく力ずくで除去し、事前に掃除・掃除の後のこと。機械の中は大変狭く、メタボってしまうと非常にやりづらくなります。

目の前の”ゆめちから”畑に出陣です。早速試し刈り。何度か粒が未脱穀がないかを確かめながら進ませます。早速トラブル発生。コンバインには刈り取り部分をヘッダー(頭)といい、こちらにクルクル回転するリールという装置がついています。小麦を掻きこむ役目があるのですが、これは小麦が倒れている時やスムーズな穀物の飲み込みには欠かすことのできない装置です。昨年は小麦の倒れがひどく、リールを前に押し出したまま長時間使用したため、駆動しているベルトが伸びに伸び、リールが回らない状態に。最初我慢しよう!と思っていましたが、結局この後のことも考えると修理せざるおえませんでした。

 早速、シニシニの志賀さんにコンバインにのってもらいました。地上からみるのと実際にコンバインにのるのとでは風景が違います。実際に小麦収穫のタイミングに会うなんて、さすが麦師として”もってるな~”と思いました。
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 こちらラ・テールの栄徳さん。どうやら全国各地の麦畑を行き来したり、フランスの圃場まで行ったりと現地現物にこだわる若手職人さん。コンバインにも何度かのったことあるようで手慣れた感じでした。
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 喜んで運転しているのは各店舗のスタッフさん。”きゃっきゃっ”言って麦刈を楽しんでもらいました。
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 ちなみにシニシニの志賀さんには、当農場の”春よ恋”で”花豆のブリオッシュ”を作っていただいております。
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こちらの商品は伊勢丹・新宿店の夏のお中元にもなりました。(7月19日販売終了)。
私は素人なんでわかりませんが、お菓子=薄力・中力粉とイメージしがちですが、タンパクの高い春よ恋でもこういったお菓子ができるんですね。

 美味しすぎます、こちらの春よ恋のブリオッシュ。
粉に合わせ、その小麦にあったたお菓子やパンができる職人って凄い!!というよりも毎年やその都度変化している粉に合わせたパンやお菓子づくりができる世界が当たり前なんだと言ってくださる麦師たち。感謝・感謝です。

またベーカリーキャンプ2010には妻も参加させていただきました。
どうやらその模様がブログになったようです。こちら→"ぽんぺつTable's"

 

2010年08月01日

どうもありがとう!ホクシン

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”ホクシン”と聞いてピンとくるあなたは相当な小麦粉事情通だ。
うどん用として、中力粉の代表格になる。実際はホットケーキやフランス・ドイツパンのハード系もできる小麦だ。実際、うどん文化のある日本の主流品種は中力小麦であるため、パン用強力粉と呼ばれる小麦のほとんどは、カナダ産かアメリカ産である。
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その”最後のホクシン”の収穫が、うちでは7月28日、29日に行われた。上記写真は7月23日。かなり乾燥が進んでいる。
なぜ最後というと、このホクシンという品種は北海道全体で実質今年で生産を終了してしまうのだ。かれこれ20年近くに渡り北海道の代表小麦どころか、実質国産麦の40%近くを供給してきた"The king of Japan's No1 Wheat"だった(今年平成22年産まで)のだ。

 なぜこれほどまでのスンゴイ小麦ちゃんが名前も知られてないのか?小麦は本来製粉され出荷される。あくまで品種名なので、各製粉会社ではブランドネームが独自であり、また他小麦とブレンドすることにより、加工に適した粉や各年の小麦の品質のバランスをとる必要性があるため”ホクシン”というブランドネームでは売られていない。

 北海道の農家なら知らない人はいないが、町の人もしらない影の巨人。次世代へのバトンタッチの転換期が今年なのです。私が就農したころにはすでにこの品種で、その前のチホク、ホロシリ、タクネなんかは父達の代でやっと小麦つくりが定着したころ。このホクシンデビューで北海道の小麦の安定生産は可能になったといって過言ではないだろう。それまでは、穂発芽や病気やらで品質も収量も安定化しなかったと言われている。

 昨年(平成21年)は収穫時のあまりの雨にたたられ、ホクシンの評判は農家間では落ちてしまったがそれでもこの品種がなかったらどうなっていたんだろう?うちも今の状態じゃなかったんじゃないかなと思ったりした。これだけのロングセラーの品種を世に輩出した北見農業試験場の人はエライ!!北海道ノーベル小麦賞ものだ。

 あっ、収穫、収穫。正直な話でいうと29日が曇り雨ということで、こちらは感謝をかなり忘れて大急ぎで収穫に向かった。水分は3枚の圃場で水分は20~25%。明日の雨を考えたら一秒も無駄にできない、夜には露も上がってくるし。コンバインもトラックも乾燥機も、もちろん人間も絶対に壊れちゃいけない状況に陥り・・・。
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 ホクシンも”きたほなみ”も実際には、実が細い麦(細粒)が多く見られました。今年は5月まで寒く、6月、7月急激に温度が上昇。特に受粉時(6月20日くらい)以降の成熟期、登熟期にむけて最高気温が30度以上の日が例年以上に多く、急に干上がってしまうような状況になったのかもしれません。確かに、普段通りの9月下旬に種まきして、7月25日前後に収穫してるとなると、3~5日くらい早まったくらいだし、途中の5月は寒くて約5日くらい生育が遅れているっていってたもんな~。作物もゆっくりしていいだか、早くしていいんだか混乱してるべな。写真は6月27日花も終わり、乳熟期に突入。ところが暑い日々が~~!

 28日は頑張って朝4時(収穫2時)まで。29日は雨をまってられないため朝6時から収穫。すべては7月27日の午後からの雨で計算が狂ってきたのでした。この日の雨は誰も聞いていない!!天気予報も全く言ってない!!これだけ晴れれば急な雷雨の発生もあり得るのはわかるけど・・・。
 29日にホクシンは無事収穫を終え、最後の圃場は持ってくれた天気にも、そしてホクシンにも感謝をささげ、”お疲れ様でした~いままでありがとね~”と思いました。きっと私にとっては、就農してから一代大きく品種が変わるだけなのでそんなんでもないのかもしれませんが、父世代にとってはかれこれ3,4代目くらいになるので、感慨もひとしおの農家さんもいるかと思った。

 Thank you very much, "Hokushin"

P.S.ちなみにホクシンは全道の一部で生産が残ると報道されています。全粒粉を好んで使うパン屋さんも”あのフスマの香がなんともいいんだよ!”という方もいたり。やっぱり麦の美味しさって外皮にも秘密がありそうです。

2010年08月02日

Hello, Kitahonami

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前回に北海道小麦の代表格”ホクシン”がほぼ現役を引退することをお伝えした。
新顔になるのは、”きたほなみ”になる。ほぼ間違いなく圧倒的強さで不動の地位を築くにちがいない。
理由は
1.生産者にとって2割増収効果あり・穂発芽強く赤カビにも強い・品質のブレ少ない
2.製粉会社にとっても、品質のブレ少なく、粉部止まりよし製品率の向上
3.加工者にとっても、一定品質の小麦となり、ロットも確保されやすいため安定供給されやすい
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と皆がWINWINな関係にあるかに思える。悪天候時や収量増による助成金(小麦には政府からの助成金がついている)の増大からいっても、コンバインからの麦畑の良さからいっても最高いいことにきまっている。これでASWなんかに負けないどころか、勝っちゃう品種だとするとノーベル小麦新人賞は間違いない。これで日本のうどんも安泰だハッッハッハ~~と笑えたら最高なんだけど。がしかし、そんな簡単でないのが現実だと思う。
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ホクシンよりも成熟期が遅めといっても、播種日の早かったホクシンよりもきたほなみの収穫は早くなった。前回のホクシンのように、成熟期の高温と技量のなさからも細麦傾向となってしまった。
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獲れたて”きたほなみ”。北の大地で穂が波のように揺れる壮大感を表現したネーミングなのか?今年はその感覚をえられなく残念。もっともっと技術をつけていかなきゃいけない。
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”きたほなみ”は7月26,27日に行われた。このように夜業になると、あちらこちらの畑でコンバインのライトや回転灯やバックするときの警告音が、夜の闇にこだまし反響しあう。誰も夜中まで働きたくない。しかし麦と天気に合わせるとこの時期の仕事はやるしかないのだ。
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原麦はこんな感じ。つるつるした楕円形。ホクシンと凄く似ているが、粒径が若干ホクシンより大きい感じがする。これからが楽しみであり、北海道小麦の供給拡大に寄与していくであろう”きたほなみ”
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ということで、きたほなみ(kitahonami)の当農場のパッケージも完成。
販売は”道の駅ステラ☆ほんべつ””帯広藤丸百貨店食品売り場””東京八王子MIX&MIX”で好評発売中です。

主に”お菓子用”として資料いただいている模様。ホットケーキにシフォンなどに利用できます。また先日、伊勢丹新宿店の限定サマーギフト(販売終了済み)では地元帯広の”菓音”さんのスフレカステラの材料になりました。素材の味をだそうと苦心してくれた作品。しっとりと優しく、それでいてもっちりしたタイプのカステラ。他にもめちゃんこ可愛らしいクッキーとかギフトセットとか。全てこだわり素材の手つくり。
 ん~私も何品種も小麦作って結構手間かかってるとおもっていましたが、まだまだ雲の上を走っているような職人に会いました。思いもいっぱい詰まってます。

 一度、クッキーのいろんな粉で作ったものを食べ比べてみましたが、間違いなく”きたほなみ”に味がありました。小麦ってクッキーとかでも表現されるんだなと新たな発見があったのを覚えています。

 どんどん”きたほなみ”の大きなウェーブが広がる予感がします。
 

2010年08月04日

キタノカオリ 最高で~~す!!

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7月31日MAX晴れ曜日。
パン用小麦のキタノカオリ様の収穫となった。
ここ4年、キタノカオリ様はご機嫌が悪かった。
しかも、ご機嫌斜めは常時やってくるし、突然豹変することさえある。
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今年は春先の低温でかなり根がやられてしまい、最初はどうなるかと心配する日々が・・。写真のとおり、土が凍結して浮き上がり、クッキーみたいなクラストが表面に出来上がっている。
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こうやって、浮かされた根は冷気や風にやられ麦は淘汰されました・・・
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スゲェ!温かくなると同時に、根が動いてアンカー打つように土の中に栄養求めていきました。でもホントはここで余計なエネルギー使わせちゃったかも。

その豹変さとは何かというと品質に関して。アミロ粘土値といって小麦でん粉の粘性を表すアミログラム最高粘度が標端に低下してしまう。そうすると、パンや麺の生地なんかは、べとつきが生じて作業性が劣るり、作業性の低下はもちろん”膨らまない””生地がきれる、だれる”みたいな現象になるようだ。
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6月12日の写真。茎にまだもぐった状態。今か今かと下からズンズン上がってきます。

 クリミーナ色素をもった独特の小麦、キタノカオリ。昨年平成21年産は全道的に雨のせいでこの傾向は強かったと思う。ご機嫌ななめは常時やってくるとは、受粉から成熟期までの曇天や低い温度でこの傾向(低アミロ)になるし、豹変するとは収穫時の雨によりこの傾向は一気に強まるということなんですぅ。ハマってしまうとクセになる不思議な魅力のあるキタノカオリ様に昨年のものに異変を感じた方もいるんじゃないかと思います。”あれ~HBでも膨らまないな~”と思ったあなた!それが2010年産の味なんです。
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7月2日、受粉の写真。ここの畑が当農場では一番遠い(13km先)ということで、他品種よりも遅め(気温差と品種差)。ちなみに関東の”北海道小麦を考える会”の皆さんが作縁の秋に種を播いていった付近。手播きでめちゃ厚播きされてた(秋は)と思っていましたが春先の低温で淘汰されて丁度良く?なった気がする・・・。上記、種まきの様子はこちら→ポチ

今年はどうだったのか?まだ検査にもだしていないから正確なことは言えませんが、受粉から成熟期までの高温を考えると、また最高の十勝晴れの下、収穫をできたとすると今年はイケてるでしょう!いや、イケてなきゃ困る。かれこれ過去4年ずっと不機嫌だったんだから。オリンピックもワールドカップの周期ぐらいで機嫌よくなってほしいものです。
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段々熟してきましたが今年は暑い。暑すぎました。どの品種も先端の穂に実が充実していない!収量がないのはがっかりですが、例年を上回る質がほしい!ホントに天気による違い、膨らみの違いを私自身感じてみたいのです。
目標はタンパク11.5%、FN値(アミロ粘土値を測る別基準)330超え。他品種だったら決して高い数値じゃないけどどうにかこうにかいって、初心者の人でも、キタノカオリがパッとふくらんで、独自のクリミーカラー生地に、もっちりとした食感を楽しんでもらいたいと思う。ちなみに低アミロでも味は変わらなく美味しいですよ。また、あるパン屋さんは天然酵母との相性もよくて、逆にFN値がそんなに高くなくても、ゆっくり熟成にむかうからいいんだよ。なんて言ってくれた人もいるな。
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あとこのキタノカオリという品種。硬質小麦で硝子質が高く、軟質小麦のホクシン、きたほなみに比べると肌がわるい。というかゴツゴツしてる感じ。これもまた等級を落とす原因にもなります。”問題は性格よね、性格!”とカオリちゃん達は言っているのに・・・日本のこの制度もオカシイ。
 北海道全体でも作付がだんだん減る可能性のある品種。
じゃじゃ馬。気まぐれ娘みたいなところが、可愛く憎たらしい?ところがあるんです。
時に親泣かせ、親不孝、親のスネかじり(言い過ぎた)となりますが食べた時の愛嬌は最高で~~す。苦労をふっとばす美味しさ。今年のお楽しみに~~。

 

2010年08月13日

史・上・最・速・”春よ恋” 

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本日は8月14日なので、春まき小麦の収穫どうなった?雨にぬれてないか?心配かけたと思います。
でも大丈夫!しっかり、6,7,8日で収穫を終えました~パチパチパチ~。
ふぅ~冷や汗と8日の収穫直後に降った大雨で、今年の”ツキ”を感じたわけです。
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パン用の小麦は何が違うの?という質問があるとすると、タンパクとでんぷん質の違いがあるようです。特に日本の食文化になくてはならない食パンのあのふわふわ感はタンパク含量が高くないと、パンの高さが出ないようです。そこで農場レベルでやれることは、タンパク源となる窒素肥料を土に与え、作物に吸収してもらうこと。
写真はブロードキャスタと呼ばれる機械で、肥料を散布しています。7月2日くらい。
このころから、出穂と同時に受粉がはじまります。この時期に病気にならないように、殺菌剤を散布します。
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順調と思いきや、春よ恋は全体の4割ほどが倒れてしまいました。今年の反省点のひとつ。毎年いろんなことがおきるんだけど、”何が問題で、いつどうしたらよかったのか?”を考えさせられます。こうなると収穫まで影響があるからです。反省・・・。
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7月23日。この日に別圃場ではパン用小麦(秋まき小麦)の”ゆめちから”を収穫。もちろんまだまだ青粒のまんまですが、今年の6月以降の断続的な高温の日々は、春播き小麦にも影響していました。
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7月31日に”キタノカオリ”を収穫して♪ランランラ・ラン♪とちょっと息ついていたら、8月5日には穂の中に粒があかくなってきてるじゃあ~りませんか?!気になって他の春よ恋の畑にいってみると、”できる!刈れるぞ!”っていう水分。家の近くの6日に収穫したものは、すでに水分17%近く。あとの畑は25%くらい。雨が降らなければあと二日、せめて一日待ちたい気分。
”待てよ、8月上旬の春まき小麦の収穫?しかも6日とかっ?って今までない。”史上最速じゃないですか!初冬播きでもなんでもない、4月17日~19日播きで。普通ならどんなにしたって、お盆にかかるのに・・・。春小麦も秋小麦と同様に、細い麦が多くなる傾向が見られました。
 そういえば、ロシアやウクライナ、ドイツとかもで小麦が干ばつで大幅収量減。政府も輸出禁止にしちゃったな。確かに自国優先だよね、いざとなったら。
北海道もその影響の一部なのかもしれません、今年2010年は。
昨年(2009年)は記録的な大雨(6,7月)で、今年は猛暑。忙しくなってきたなぁ~どうしよう?
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その証拠はこれですよ。茎が青いのに、穂だけが大気の熱風乾燥まけて早く仕上がってしまったんですね。8日は雨予報で、12日くらいには台風4号が来る(結局直接はなし)って天気予報はいってるし。収穫に青信号が灯り、雨が降るまでの一秒を大切に収穫作業におわれたのでした。結果、8月8日午後19:15分に収穫完了。ダンプに最後の春よ恋を入れいている時に大粒の雨が~~~・・・・。
”やっだぁ~勝った(空に対して)、刈りきったぞぉ~!”とホントは助けてもらった(雨雲様にまっててもらった)のに勘違いした感情がほとんど休んでない3日間から湧き出てきたのでした。あとは良い麦、悪い麦を選別してっと。
これでパン屋さんもHBもしっかり、もっちり美味しいパンができるはず。
あとは皆さまにお任せしま~す!春よ恋もまっててくださ~い!!
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p.s.そういえば忙しさにかまけて、息子を今年コンバインにのっけてなかった。
”おどうさん、乗せてぇ~!””おぅお前ものっかぁ~”

2010年08月16日

輝いて!新麦”はるきらり”

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先日、春春ブラザーズ(勝手につけてます)の春よ恋を無事収穫したとのレポートをさせていただきました。さて、新品種の”はるきらり”はどうだったのか?
8月10日正午から3時半くらいまで収穫を終え、春まき小麦も無事に収穫完了~~パチパチ~。
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 水分はまだ25%近くあり、やはり春よ恋と比べても若干晩生の品種の感じしました。出穂、受粉はほぼ春よ恋と変わらなかった感じがしますが、登熟期までの日数が春よ恋よりも長いのかもしれません。というか、3kmくらいしかはなれてないんだけどもしかすると温度差もあったのか・・・。受粉時期って良かったんだけどな~・・・。下は6月30日ころの花時期。
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茎があまり乾ききっていないので、籾飛ばし(シャフスプレッダ)からや雑穀からでる埃を感じない。
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 春よ恋同様、いやそれ以上にまだ茎に生が残っている感じでしたが、11日ににわか雨それから12日に台風4号来るぞとの予報で再び急ぎの作業となりました。こういうときはめちゃ準備が重要です。春よ恋からのコンバインやら乾燥機やラインの掃除やら、そのぞれの持ち場で男たちが茎やら埃や残った種やの処理や掃除に全速力で向かいます。
それはそれはむさ苦しく、暑いのなんのって。
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7月23日の写真。もうちょっと穂が青い時はホントにキラキラしてますよ~いい眺めです。
ですが、収穫の時ほど緊張感というか、時間が一瞬にしてなくなってしまうくらいの気がします。10日は思いがけず午前中から晴れ、”まだ夜にならないでくれ、雨降っちゃダメ!!”とか無理なことばかり思いながら、ゆっくりと確実にそれでいて迅速に作業は進めなくてはなりません。実際この日は降りませんでした。

 さてその”はるきらり”ちゃんですが、倒伏率2%くらいの軽微な被害で済みました。今年は昨年、うどんこ病(春よ恋よりは弱いです)やら雨にたたられ、早期に倒してしまった反省点を徹底的にケアしてきました。ほぼ病気なくすすんでましたので昨年よりは収量の確保はできそうです。
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8月3日の種の中。ゲゲっ一部赤味がかってきている。なに~早すぎないか~?
 今年は小麦は全般的に干上がる感じでの収穫になりました。タンパクやFN値はどういった傾向になるのか。また問題やら課題やらでいっぱいになりそうです。またそれらについて作り手側(ユーザー)はどう思うのか?ドシドシ粉ラボしていって美味しいパンやお菓子やパスタになればと思います。

 先日の”十勝ベーカリーキャンプ2010”でもシニフィアン・シニフィエの志賀さん、ラ・テールの栄徳さん、はるこまベーカーりーの栗原さん、こなひき小屋の木村さん、それから札幌でパン講師をされているカフェ・ダブリエの森本さんなど多くの方に普及も兼ねて”はるきらり”を使っていただきました。

 粉ラボといえば、昨年産(H21産)の”はるきらり”を多くの方にモニターにてご利用いただきました。
お菓子やパンの材料の”クオカ”さんとモニター販売とアンケート調査を行っていただき、”はるきらり”単独の味と使い勝手をパン焼き・食べ好きの方に聞きました。
北は地元北海道から南は沖縄まで、約400名の方に”はるきらり”についてどう思うか?が聞き取れました。
ご協力いただいたお客様はもちろん、クオカさんにも大変感謝申し上げます。
その時の”はるきらりモニター”(平成21年度産の販売は終了)のサイトはこちらです⇒ポチ

アンケートデータは非常に貴重なご意見だと思い、現在北海道で行われている”麦チェン”事業の中での十勝での取り組み”十勝春まき小麦プロジェクト”(こちらでも十勝住民のはるきらりに対しての意見を集約しています)やこの品種を生みだした試験場の担当官の方にも次の品種改良の一つの材料として活かしていただければとお渡ししてあります。また地元パン屋さんはもちろんのこと、パン教室をやっている”夢工房y.b.h”の早川さんや東京でも粉商材の"mix&mix”さんでも”手作り教室”の生徒さん達に春よ恋とはるきらりの違いを感じていただきました。その時の様子はこちらです⇒ポチ

皆さまどうもありがとうございました。また後日このアンケートやについてもレポートさせていただきたいと思います。
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 8月10日の収穫の様子や春小プロの取り組みが、8月16日の十勝毎日新聞(此間スンゴイ花火大会を主催したローカル紙)に記事になりました。

 ”はるゆたか””春よ恋””はるきらり”と新たな仲間が増えます!
皆さんの手でこの品種をキラリって輝かしちゃってください!!
 

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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About 小麦

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