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濡れ小麦ラインアップ

畑の作物が濡れています。6月、7月は雨で、雨で、雨なわけで・・・。
こんなにも、曇天・雨模様が続くのはいつぶりなんでしょうか?
”どうした?!”というほど雨が降り続いているんです。
困りました。これから低温、雨続きとなると実から発芽してしまう、”穂発芽のリスクが・・・”。
一年やってきたことが、水の泡になる可能性を含んでいるのが、日本の小麦なんですね。
7月下旬には、収穫開始。頑張れ麦たちよ~。というより晴れ神様お願いします!!

濡れ”春よ恋”
人気No1のパン用品種。現在乳熟期(実の部分に水分や栄養を蓄えている最中)。
雨には弱く、倒れやすい品種。でもなぜか、タンパクは高くて”ふっくらもちもちパン”ができたりするんですよね~。以外にスコーンとかの利用もありです。
Haruyokoi.N.JPG

濡れ”はるきらり”
春よ恋同様の、パン用小麦。まだまだ、名の知れぬ小麦かもしれませんけど、”春よ恋”より、穂発芽やカビのリスク少ない。たんぱくは若干低めだけど、しっとり甘い小麦粉です。
Harukirai.N.JPG

濡れ”キタノカオリ”
現在、登熟期(水分が抜けて実がかたくなっていく)のステージに。秋まき(当農場では去年の9月21日には種)小麦では、現在唯一のパン用小麦。おいしさ、色味はハマると大変。大人気の小麦粉です。が、この品種も登熟期に低温だと、低アミロといって、パンのグルテン組織が出にくくなり、生地だれとかになっちゃいます。しかし、手ごねや長時間発酵の技術でそれはそれでカバーできるとのこと。年によって、産地によってはいろいろある品種です。
kitanokaori.n.JPG

濡れ”ホクシン”
北海道の9割以上を占める小麦”大きく言えば、うどん用ということですが、お菓子にも十分使えるスゴイやつ。当農場でも秋まき小麦の90%はこの品種。安定した栽培ができるというのがメリットなのですが、去年の収穫期の雨でその伝説というか、イメージがぶっ壊されました。あと、2年後には、”きたほなみ”に世代交代していく運命。期間限定の貴重な品種になりつつあります。是非エールを!
Hokusin.N.JPG

濡れ”きたほなみ”上記ホクシンの後継小麦。日本のうどんは、オーストラリア産のASWという総称の小麦がメインで、”白くツルっと、シコシコしている”というなんだかいかにも美味しそうなうたい文句の小麦が広く使われていますが、それにも勝るんじゃないのか!(というよりオーストラリアの小麦と張り合うほうが可笑しい)という優れもの。ホクシンよりも多収で、低たんぱくになりやすいことからも、お菓子用にもさらに、拍車がかかると思われます。当農場でも栽培中。どうでるかドキドキわくわくです。
kitahonami.N.JPG

小麦は基本的に乾燥を好む作物。今年の天気がどうでるか?どう品質に影響するのか、気がかりです。他の作物も”びちゃびちゃ”という安易な言葉でいいつくせない、厳しさが今年の天気。
天気予報を見て”またかよ~!””よ~しいいぞ~、いいぞ~そのまま、そのまま~”といっているのは、私だけじゃないはず!隣の農家さんもきっと・・・。

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コメント (4)

no-ota:

こんばんは、今年の天気には、参ってますね。
土作りと排水対策に普段からきちんと取り組んでいるかどうかがはっきりと差になって現れています。
自分は、今のところ小豆が小さいぐらいですが、皆さん大大大苦戦です。
今年はルートがいつもと違うので東部がやられていますね。
小麦は倒れ、金時、小豆ははげだらけ、ジャガイモは疫病が出ているのにトラクターが行けず腐るのをただただ見守るだけ、ビートもすでに黄色くなってマーブル模様です。
本当に本当に今年の春にチゼルプラウを導入してよかった。
もししてなければと思うとぞっとします。
不況で、消費が落ちているから不作なのに相場が付いてこないなんていう最悪のシナリオがまっているような気がするのは自分だけでしょうか。
シゲサンの小麦たちはやっぱり穂がでかいですね。後半の栄養補給がうまく行っている証拠ですしこの雨の中で栄養を持たせるのはにわかで出来るものではありません。さすがでございます。
周りは、倒伏かでなければスカスカかと言う感じで、今から刈り取りは手間がかかるなと覚悟しています。
今年のような雨の多い年は、微生物は効きますね。自分もバカ呼ばわりされていますが、お金を使った値は、やっぱりあるもんです。菌入り堆肥を入れている人も、出だしは寂しかったのに、しっかり挽回してそこそこ収穫できそうになってきています。肥料が高くなったからと土嬢分析に飛びついた人がダメージ多いです。そういった人は、普段から正直手抜きが過ぎますからなるべくしてなっているんですが。22日の雨を最後に梅雨から抜け出すことを祈るばかりです。
刈る時は暑くなって欲しいでないと機械で小豆が刈れなくなってしまう。追肥もしたいしカルチも、花時期の乳酸菌もやりたいし。仕事が立て込んでいますがお体壊さないようにってシゲサンみたいなタフガイはへッチャラなんでしょうね。
自分の体を心配することにします。ではまた。

しげパパニコニコ:

no-otaさん

 いつもありがとうございます。
今年はカルチ、防除のタイミングは特に難しいですよね。水はけがよくなかったら、アウトに近いのはよくわかります。
うちも、あちこちで小麦の倒伏はあるんです。全体の1~2割くらいでしょうか。ご存じのとおり、コンバインでの収穫は手こずりそうですね。
 小豆もいじけてます。やっと見えるかなというくらい。ちょっとカルチのタイミング逃していたらと、冷や冷やします。ただ茫然と畑や作物を見てるって、なんだか無力さ感じますよね。今年のような年に備えるために、膨大な時間とお金をかけて基盤整備をしてきたんでしょう。悪いなりにたすかりますね。
 もうちょっとで収穫です。気をつけてやりましょう!

芋王子:

はじめまして。

昨年の夏に“ホクシン”で検索かけてから時々拝見させていただいてます。

4月末の大雪事件の頃からある程度の予想はしてましたが…
府県でも春先の天候が寒暖の差が大きくて昨年のようにはならないだろうと思ってましたが、現実のものになろうとしてます。
東北は梅雨明け宣言が無いまま旧盆を迎える可能性も否定できません。
家庭菜園のナスは半身萎凋病で枯れ始め、胡瓜はうどん粉病が止まりません…
当然、可能な限りの防除は行なってます。

no-otaさんの投稿を拝見してみて、十勝の農家の方々がお気の毒で言葉にもなりません。
普段の努力(土作り)が大切なのは皆さんご承知なのでしょうが、
農機具屋さんも最近は“深耕神話”などと言って、深耕することよりも手間を掛けずに楽できる機械を売り込んでたようにも思います。
燃油代が高騰と言うか狂騰に近いものがあったので仕方無いとは思いますが。
不作の年でも収量を上げてる農家の技術は謙虚に受け止めるべきだと思います。

最後の画像…赤かび病ですか?
道立中央農試畑作科の画像とは色合いが違うようですが。

一刻も早く天候が回復することを府県の人間も祈ってます。

しげパパニコニコ:

芋王子さん

 はじめまして、メールありがとうございます。同じ農家の方ですかね、野菜と麦とですか?
 全国的な天気の問題かもしれませんね、今年は。
”可能な限りの防除”ですが、入れていない農家の方も多いはず。総じて作物は元気なさげですね。
 来週には収穫スタートなのに。なんだかエンジン掛からない天気です。
 黒カビのついた小麦は多数あります。今年は特に多い年ですね。赤かびは遅れ穂につきやす、防除回数を増やす原因にもなってますよ。
 これからもよろしくお願いしますね。

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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2009年07月20日 09:31に投稿されたエントリーのページです。

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