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2009年06月 アーカイブ

2009年06月22日

性のかおり こむぎ

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こむぎ(ホクシン)の開花の写真。
小麦はたいていの場合、中段下くらいから開花がはじまります。それから上下段に移行します。
小麦は自家受粉をするので、ミツバチや虫などの手を必要としません。
開花といってももちろん華麗な花びらがつくでもないのです。

昨年同様(H19のブログはこちら、ポチっ)、6月11日ころから”ちらほら”と、受粉開始です。
この”ちらほら”というニュアンス。6月は上旬から今日22日までほぼ曇りか雨。
去年や一昨年と同様の天気ではないのです。どこいった”十勝晴れ”?!と農家のひとならだれもが思っていることでしょう。この大事な受粉時期に曇天、雨ではしっかりとした受粉を得られない可能性があります。低温と小雨がつづき、なんだかダラダラというか、温度があがらないため、一斉にパッと開花しない感じ。小麦の受粉時間の関係についての文献を見つけました。こちら

ポチ

この受粉時期に殺菌剤を散布します。なんでかって?小麦にとってこの生理現象はもろに肌を大気中にさらけだすことになります。”籾が開き雄シベが伸びて、受粉後、籾が閉じてオシベの花だけが取り残される。この雄しべが伸びて籾が開くときにとくに、外部の感受性がつよくなりカビ病の危険性が高まる。
赤カビの危険性を回避するため、殺菌剤を使用するんです。ちなみに赤カビ病が発生すると商品として流通できません!だからこの一瞬のできごとを逃さないようにしたい。”と去年のブログにも書きましたが、特に今年は要注意!だって土中にも空気中にも雨でたっぷり水分が含まれている。まだ、天気が低いことだけが幸いなのか、不幸なのか?
梅雨いりすると、ムンムンして家にもどこにでもカビが発生しやすい環境になるわけです。
花の咲きは、小さな黄色いつぶ(葯)が頴の外側にでているかどうかでわかります。
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機械には、いっぱい黄色い葯がついてきます。

小麦の畑からは、この時期、なんともいえない”性のかおり”がします。この”香り”こそが子孫を残すための”生”なんでしょうね~。
予報では、24日から晴れ間が続くとのこと。乳熟期・成熟期にむけてこれから頼みます、御天と様。
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2009年06月24日

新品種”はるきらり”のアラカルト

6月某日、春小麦の”はるきらり”パーティーが帯広市でありました。
パーティーといっても、出席者は十勝農業試験場の小麦の研究員と生産者数名。
内覧試食会のようなものです。

が、”はるきらり”ずくしのフルコースは素晴らしいものでした。
今回、腕をふるってくれたのが、十勝の地粉にこだわったうどん屋”小麦の木”さんです。
お店の口コミ情報はこちら→小麦の木

1品目:はるきらりの生パスタ リンゴソース
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リンゴの器に、コシのある冷せん生パスタ。海老のソースがまた良しでした。

2品目:はるきらりの蒸餃子
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ここのお店の売りでもある餃子。もっちもちの生地。

3品目:はるきらりの海老入り焼饅頭
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エビジル、ジュワ~。

4品目:はるきらりのチップス カラフルポテトと百合根のせ
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マンゴーやドラゴンフルーツか?とも思われましたが、十勝でつくられているレナなカラフルポテト4品種くらいがのっかてました。彩も鮮やか。

5品目:真鯛のはるきらりの薄皮包み
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薄皮映っていませんけど、はるきらりの薄皮をまいていただきました。生地自体に甘味をかんじるので、ホットケーキとかクレープでもいけると思いました。

6品目:無かん水ラーメン つけ麺
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かん水がはいっていないと、ラーメンって呼べないんですって。
中華そばといった感じ。

7品目:カステラ ビーツソース
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製粉の粗さもあるのか、ちょっとパウンドの粗めになっていましたが、ビーツの赤ピンクがかった不思議なソースはばっちり。

どれも美味しくいただきましたし、毎日人生をかけて基礎研究を積み上げていく研究員の方々やはるきらり生産者さんと楽しい時間、ご馳走様でした。

2009年06月25日

あ~あ~あ~っ!

6月23日午前中まで、雨は降りました。いや降りました。降りました。降りました。まいりました・・・。
もともと6月入ってから、ほぼ御天とさんを拝借できることはなく、曇り時々雨が連日のように続き、土にはたっぷり水分が含まれていたところにまた雨が・・・。
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小豆の畑やビートの畑も一部冠水。小麦も部分的に倒れるなどの被害がありました。
上記は小豆の畑の低みにたまった水路あと。
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畑の淵は、流されてきた表土の跡が・・・
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”おっとっとっと!”と長靴がぬかるくらい土はゆるゆる。
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もともと、湿地にはなおさら水はたまり・・・。ビートの水枯れも心配。
水につかっているところは、根が腐れる可能性があるので、そうなると実になるまえに病気にもなりやすくなってしまします。
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畑の地中には、上記のような塩ビの管が這わせれていて(暗渠という)、排水性を良くしています。その暗渠パイプが明渠(めいきょ)と呼ばれる、いわゆる側溝に流れおち、
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最終的には、小さな勢いのよい小川が本線に合流して、あふれんばかりの大河になってしまうのです。
24日からやっと晴れ間が・・・。


2009年06月26日

”春よ恋”ってどんな花?

ついに、パン用品種の”春よ恋”の穂がその姿を現しました~!パチパチ。
そして、受粉も穂の真ん中のほうからポチっとはじまっています。
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秋まき小麦のホクシン・キタホナミ・キタノカオリと比べてもわずか10~14日くらいしか出穂(しゅっすい)時期が変わらないところは、春系の小麦の不思議。越冬もせずに成長が早い。秋まき小麦も冬は冬眠中だから動いてはないのだけど、それでも早く感じてしましいます。
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見てのとうり、畑一面に一斉に穂がそろうと、管理の面も収穫の面もそして、品質の面でもそんなに違いはないと思うのですが、土質や道路に近い(日照温度が変わる)ところや、石の多い場所は地温が上昇しやすく、スポット状に成長が変わってきます。
あと、2,3日すれば畑一面、ピンピンした毛のある麦畑で受粉が始まります。

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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