春小麦の新品種”はるきらり”学校給食としてデビュ~しました~!パチパチ。
十勝支庁が旗振り役となり、十勝産のパン用小麦の普及をもっとという取り組みとまずは、できたものを地元で食べてみようという運動から、”春まき小麦プロジェクト”通称?”春小プロ”が去年より発足しました。参加しているのは、音更町の農家と本別町からは私が参加しています。
今回は両町の間で、小中学生の学校給食として子供たちに提供されました。”はるきらり100%”で作ったコッペパン。子供たちにも喜んでくれたようです。
新聞でもとりあげていただきました。
北海道新聞 ”新種小麦のパン好評”
十勝毎日新聞 ”児童ら笑顔でパクリ”
新品種”はるきらり”の特徴なんですけど以下の点です。
1.パンが美味しい
2.小麦の品質低下につながる収穫時期の雨による、穂発芽が少ない。
3.タンパクは”春よ恋”とくらべると若干少なめの傾向がある。
私が”はるきらり”をつくりたい理由と感想。
1.新しいもの好き。なんでもやってみないとわからんですよ、良さも悪さも!
2.穂発芽しづらいとなると、品質や収量の安定化がはかれる。今年は春よ恋もよかったので差異なし。
3.パンの膨らみに影響はありませんでしたが、同じ肥培管理でもタンパクは若干下がる。”春よ恋”よりもしっとり、なめらか、ちょっと素直すぎる感じもする。美味しいですよ!
ここでちょっと、はるきらり物語について
”はるきらり”は”春よ恋”にとって変わるわけではないのですが、パン用小麦の美味しさはそのままに、収穫時期の雨による品質劣化を防ぐために投入されてきたのです。幻の小麦”ハルユタカ”はブランドとして有名ですが、考えてみてください。なぜ幻なのか?それは農家がつくりづらい=収量・品質が安定しないのです。うちの父も10数年前、ハルユタカを3年作って、2年は穂発芽させてしまい結果は1勝2敗。農業は天気商売といえ、消費者に農産物を届けられなければ、農家としての使命を果たせてないのです。
”ハルユタカ”を現在もつくっている方たちには相当な苦労や情熱があるんだと思っています。
ハルユタカ⇒春よ恋⇒はるきらり⇒新品種と味、香り、収量、品質と風土に合わせながら安定性をだしていく、そういった物語があるようで、はるきらりの家系図は
はるのあけぼの:市場にデビューしたが短命で終わった品種。実質農家の作付けほぼなし?
+
カナダの品種:名前はわかんないけど、やっぱり北米・カナダ産の小麦はパン用に向くのかしら
+
C****:北海道中央農業試験場の品種で病気耐性が強い
この三種を10年かけて、交配させて厳しい選抜試験と適正試験を重ねて出てきたのです。親の基をたどれば更に10年と、試験場の研究員のひとたちも人生かけて、北海道の小麦を北海道の気候や風土に合わせて良くしていこう!と意気ごんで地道な作業を繰り返してるんだと思うと、どの種も大切な種です。
長くなりましたけど、”つくるとこから、たべるとこまで”今まで分業で生産性ばかりおっていた(自給率を考えると追わないとダメなのも事実です!)、農業をどっかで見直すよい機会だったと思います。
まだまだ、点の動きですが、これが線の動きになれば、消費者も加工業者も農家もハッピーなはず、と夢みる今日この頃。
”はるきらり”の研究者の皆様、どうもありがとうございます!そして、春小プロのみなさま、どこまでやれるかわかりませんが、良い方向だけはむいている感触。今年も”キラリッ!”って光らせましょう!
あなたのキッチンからも”はるきらり”を光らせてください!